コロナ禍の最中に行われた就活で、主要大学の学生はどのような企業・団体を選んだのだろうか。国公立・私立主要27大学別の2021年就職先ランキングを作成した。
北海道大、東北大、東京大、名古屋大、京都大、大阪大、九州大は、現在でも旧帝大(帝国大学)というくくりで呼ばれることが少なくない。これら7大学は戦前、日本の高等教育の総本山と位置づけられ、令和の世でも国立大のトップグループに君臨している。
今回は、別の記事で取り上げた東大・京大を除き、旧帝大に筑波大と神戸大を加えた主要国立大学の学生がどんな企業・団体に就職しているのかについて、分析しよう。
2020年の就職実績を振り返ると、北海道大は北大そのものが1位となった。東北大は東北大学病院、筑波大は筑波大学附属病院、名古屋大はデンソー、大阪大はパナソニック、神戸大は三井住友銀行、そして九州大は九州大学病院が就職先の1位だった。
果たして、21年の主要国立大学の就職先はどうなったのか。それぞれ2位までを見てみよう。
「地元愛」の強さは大学で異なる?ランキングが前年と変わらないケースも
まず北大を見ると、1位と2位は北海道大学、北海道大学病院と20年から変わっていない。本州から離れているぶん地元志向が強いという、地理的な要因もあるのだろうか。
東北大も、1位が東北大学病院、2位が東北大学と、やはり出身大学関連への就職が最多だった。
筑波大は、20年に続いて1位が筑波大学附属病院となったが、前年2位だった筑波大学はランク外となった。名大は20年に続きデンソーが1位、トヨタ自動車が2位となった。
阪大は、20年に1位だったパナソニックがランクを下げ、三菱電機が就職先1位となった。同じ関西圏の神戸大は、1位が神戸大学医学部附属病院となった。
そして九大は、前年に続いて九州大学病院が断トツとなった。その数は158人にのぼる。
主要国立大の就職先は、これまでと変わらず「地元志向」を反映する結果となった。ただし、その強さは地域によって濃淡があるように見える。北大、東北大、神戸大、九大は、出身大学や自治体の関連団体、地元企業に就職するケースが多い。一方、筑波大、阪大、名大は、地元も含めて比較的多様な企業・団体に就職しているようだ。
*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。