就職率が過去最高レベルに達している就活市場。「売り手市場」の中、各企業はどの大学から採用をしているのか。

業界別・企業別に2024年「採用大学」ランキングを作成した。今回はトヨタ自動車、ホンダ、日産自動車の3大自動車メーカーのランキングをお届けする。(文/ダイヤモンド・ライフ編集部、データ提供/大学通信)



2023年は名大、芝浦工大、九大がトップ
24年はどうなった?



 2024年の自動車業界では、トヨタ自動車が独フォルクスワーゲンを抑えて世界販売首位を維持した。円安の追い風に加え、グループの総合力や資金・技術開発力が奏功した。一方、日産自動車と本田技研工業(ホンダ)が経営統合を模索し、三菱自動車も加えた「日産・ホンダ連合」が形成されようとするなど、業界再編が進展するかに見えた。
 
 しかし、統合は一転して白紙となり、外資系の動向も含めて再編の行方は流動的である。今後は業界構造や企業が求める人材像に注目が集まる。



 23年の3大自動車メーカーの採用大学ランキングでは、トップはトヨタが名古屋大学、ホンダが芝浦工業大学、日産が九州大学と地域性、専門性が現れる結果となった。



 24年のランキングでは、こうした傾向に変化があったのだろうか。



3大自動車メーカー「採用大学」ランキング2024!ホンダで1位を奪還した大学は?
図表:トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車「採用大学」ランキング2024上位3位


トヨタ、日産の1位は不動
ホンダは早大が浮上



 トヨタの24年のランキングでは、1位が名古屋大学で52人と圧倒的にトップとなっており、他大学を大きく引き離している。2位は名古屋工業大学と京都大学が同順位だった。



 名古屋大学、名古屋工業大学はいずれも愛知県に所在する大学で、トヨタの本拠地である中部地域との強い地縁関係がある。特に名古屋大学は、技術・研究力ともに国内トップレベルであり、理系人材の供給源としてトヨタにとって重要な大学と考えられる。



 ホンダは、早稲田大学が前回トップの芝浦工業大学を上回り、22年以来の1位を奪還した。2位は明治大学、3位は大阪大学、九州大学、芝浦工業大学が同順位だった。私立大学出身者の比率が高い。理系だけでなく、文系職にも力を入れて採用していることを示唆している。



 日産自動車は、1位が九州大学、2位が東京工業大学、3位が中央大学と明治大学で同順位だった。



 九州大学は、福岡県を代表する旧帝大で理工系に強いうえ、日産が九州(福岡県苅田町)に大規模な生産拠点を構えていることが最大の要因と考えられる。



*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。



【ランキング表の見方】
医科・歯科の単科大等を除く全国757大学に2024年春の就職状況を調査。561大学から得た回答を基にランキングを作成した。就職者数にグループ企業を含む場合がある。大学により、一部の学部・研究科、大学院修了者を含まない場合がある(調査/大学通信)

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