日本マイクロソフト株式会社と、総合人材サービス、パーソルグループのパーソルイノベーション株式会社は、日本のDX推進を目的に、リスキリングの領域で協業を開始すると発表した。また、本取り組みでは、2021年7月1日に、パーソルイノベーション株式会社から提供開始された、法人向けオンラインコーチングサービス「学びのコーチ」をリスキリングのプラットフォームとして活用するという。

日本マイクロソフトは、デジタル人材の育成を継続的に推進し、2023年までに、15万人のクラウド&AIにおける認定資格取得者の創出を予定しているという。本協業を通じて2025年までに高度デジタル人材を新たに2万人創出することを目指すとのことだ。

■本協業で実現すること

今回の協業では両社の強みを活かし、以下3つの取り組みを軸に、「テクノロジー×人の力」で従業員のリスキリング(学び直し)を実現し、日本のDXを推進できるデジタル人材を創出する。

1:コーチングを通じた「学び」 /  「学びのコーチ Microsoft Skilling Partnerプログラム」 提供開始
パーソナライズされたキャリアコーチングとラーニングカリキュラムで、高度クラウド人材の育成をリードする。

2:コミュティを通じた「学び」 / Microsoft「スキルチャレンジ」と「学びのコーチ」の協業
日本マイクロソフトの提供するゲーミフィケーションを取り入れた無償のラーニングプログラム「クラウドスキルチャレンジ」を利用したラーニングコミュニティを、「学びのコーチ」と協業することで更なる活性化を目指す。

3:より良い「学び」の研究 / Microsoftキャリアマップの共同研究・開発
キャリアの体系的な解説を通じてキャリアコーチングの効果をより高めるため、「学びのコーチ」のキャリアコーチングのノウハウと日本マイクロソフトの持つスキリングノウハウを活用し、キャリアの体系化開発のため協働する。

■協業の背景

・日本で高まるデジタル人材の不足感と問題
日本では、労働人口が年々減少し2030年には644万人の労働力が不足すると言われるなか、個人の働く期間は長くなり、「リスキリング」の必要性がこれまで以上に高まっているという。
2019年4月に経産省は、クラウドやAIの知識を有しDXを推進するデジタル人材は、需要の伸びが2から5%、リスキル率が2%とした場合、45万人足りないとのレポートを出している。また、2021年3月には、デジタル人材を育成するためには、構造的な課題・雇用環境に対する課題と並び、デジタル人材を育成するための機会の整備、能力評価やスキルの見える化の仕組みの整備が重要であるとのレポートも出されているという。

企業では、新型コロナウィルスの影響を受け、急速に進むビジネス環境変化に対応するため、様々な企業でDX(デジタルトランスフォーメーション)が喫緊の経営課題として大きな注目を集めている。一方、デジタル人材の不足感は強く、推進組織は作ったが実際にはDX化が進まない等の課題を抱える企業も多く、IT人材をリスキリングすることで、クラウドやAIの知識を有しDXを推進するデジタル人材に育成することに期待が高まっているとのことだ。

問題としては、以下2つがあげられるという。
1:企業における不十分な機会の整備
旧来の人材育成のための研修やプログラムは、十分な機会の整備が行われているとは言えず、従業員個々のモチベーションにより学習継続、理解度などが大きく左右されるため、結果として、評価の軸となる資格取得が進まない状況となっている。

2:日本人の自律的な学びの不足
パーソル総合研究所が日本の「はたらく意識」の特徴を国際比較調査したところ、日本で働く人の46.3%が社外で自己研鑽していないことが明らかとなっているという。現代の日本の企業では、単なる研修の提供ではなく、自律的に継続するラーニングカルチャーの醸成が必要となっている。

・今回の協業について
これらのような状況を受け、日本マイクロソフトとパーソルイノベーションは、日本のデジタル人材育成に貢献するには、日本マイクロソフトの持つテクノロジーに関する豊富な知識、キャリアパス、プログラムを、多くの人に届けることが最も重要であると考え、リスキリングに着目、「学びのコーチ」との協業をスタートすることとなったという。

「学びのコーチ」は、総合人材サービスを展開するパーソルグループのサービスであり、そのノウハウを活かし、技術者のリスキリングに特化したオンラインコーチングサービス。需要の高まるオンラインでの研修に、パーソナライズされたキャリアコーチングとラーニングカリキュラムで、従業員個々に寄り添う“個別最適”の形を実現した。

法人向けのエンジニア人材育成において非常に高い成果を出しており、今後はMicrosoft Power Platformなどをターゲットにしたビジネス系人材のデジタルスキル醸成にも取り組んでいく予定とのことだ。