板谷由夏さんが主演を務めるドラマ『ブラックファミリア~新堂家の復讐~』(読売テレビ日本テレビ系、毎週木曜23:59~)が現在放送中。民放公式テレビ配信サービス「TVer」にて第1話の再生数が1週間で125万回を突破するなど話題となっています。


『ブラックスキャンダル』『ブラックリベンジ』に続く“ブラック”シリーズ第3弾となる本作は、完全オリジナルの復讐ミステリー作品。謎の死を遂げた女子高生の家族が、愛する娘の死の真相を追うため、ホームパーティーが行われた実業家一家やその関係者に様々な姿になりすまし近づき、意外な真実を暴き復讐していく“なりすまし”一家による復讐ミステリーです。

このほど、早乙女倫太郎役の塩野瑛久さん、伊志嶺和也役の長妻怜央さん(7ORDER)にインタビュー。これまで放送された話数の中で、梨里杏の死に関わっていると思われる描写があった2人。この要注目人物を演じる2人に今後の見どころを伺ったほか、プライベートでも仲が良いというお互いの印象も聞いてみました。

「悪役だと思って演じていない」2人の役作り

――TVerでの第1話再生数が1週間で125万回再生を突破した本作。
さっそく話題になっていますが、おふたりが最初に作品に触れた際の印象を聞かせてください。

塩野:企画書をいただいて最初に感じた印象は、「面白い!」でした。企画書の段階ですごく魅力的なストーリーになると思っていましたが、完成して皆さんに見ていただいた結果、TVerでの再生回数が125万回突破! こんなにも反響をいただけて、とても嬉しいです。

長妻:こういったドロドロしたヒューマンドラマに出演したことがなかったので、そのドロドロの一部になる感覚が初めてで新鮮でした。今までやってきたお芝居とも全く違って、どうすれば良いのか悩んだ時もありましたが、撮影現場で共演者の皆さんの気合いを感じ「僕もこのステキな作品を生み出す一部にならなければ」と思いました。

――第1話からすでに、事件に関わっているのでは……と思わせるシーンのある倫太郎と伊志嶺。
主人公の“敵”にあたる役どころですが、どんなことを意識しながら演じていますか?

長妻:第3話で、僕演じる伊志嶺がMr.サルベージの正体であると判明しました。見てもらった方にはわかると思うのですが、あれは自分の殻を破らなければ演じられない役だと感じ、僕の持っている全ての“変態心”をさらけ出して演じました。でも、彼としてはその行為を“正義”だと思ってやっているんですよね。なので僕としても彼は“正義”のためにやっていると意識して演じています。

――悪役だとは思って演じてはいないと?

長妻:まだ最後まで台本をいただいていないので、推測になってしまいますが、僕はそう思いながら演じています。

――塩野さんはいかがでしょうか?

塩野:僕も倫太郎を悪役だと思っていません。
よくクズって言われますけどね(笑)。でも、こんな人間って結構いると思いませんか? お酒が入ってタガが外れてしまったり、環境によって気持ちが圧迫されて沸点が低くなってしまったり。倫太郎もちょっとネジがはずれやすいだけの人物だと思うんです。そしてそれはきっと、彼の生まれ育ってきた環境によるもの。基本、自分には責任がないと思っていて、誰かのせいにして生きてきたんでしょうね。

――ネジがはずれている描写として、第4話で秘書の蒲田(高橋洋/※高ははしごだか)にゴルフクラブを振りかざすシーンもありましたね。


塩野:あのシーンの撮影は楽しかったです(笑)。事前に少し練習もしたのですが、僕が野球出身なので、どうしても野球振りになってしまったんですよね。現場にいるゴルフ好きの方に聞いて、ゴルフの振りを練習しました。まさか人に向けて打つためにゴルフの練習をするとは思いませんでしたね(笑)。

塩野瑛久&長妻怜央、舞台ぶりの共演!お互いの印象は…

――せっかくの対談なので、お互いの印象を聞かせてください。

長妻:以前、舞台(2020年『DECADANCE-太陽の子-』)で共演したことがきっかけで仲良くなったのですが、話がとても面白い人。
少し話しただけで、僕の世界が広がりそうだと思いました。

塩野:それ本当に思った? 怜央は本当に不思議っ子。今言ったことも、本心なのか本心じゃないのかわからない(笑)。お前の本心はどこなんだ!

長妻:自分でも探している最中なんですよ。自分探しの旅をしている最中(笑)。

――(笑)。
今回、改めて共演してみていかがですか?

塩野:現場でもこんな感じです。僕が現場入りした日、片手にハエ叩きを持って「おはようございま~す!」って挨拶してきました(笑)。

――それは……どんな状況で?

長妻:現場に大量のハエがいたんですよ。それも、撮影に支障が出るぐらい。虫除けをたいても全然効果がなくて、僕の撮影は終わっていたのでハエ退治を進んでやっていました。

塩野:でも周りを気にしないでパンパンやってるから、虫が苦手なキャストさんの膝の上に死骸が乗っちゃって(笑)。「キャー!」ってなっていましたが、それでも憎めないのが怜央の魅力なんですよね。

――本作のストーリーにちなんで、おふたりが芸能界に入るときのご家族の反応はどんなものだったのでしょうか。

長妻:僕は母が履歴書を送りました。でも僕は恥ずかしがり屋で、オーディションに行きたくなかったのですが、お小遣いを渡されて(笑)。買収されましたね。

塩野:僕は高校に行かずに実家のクレープ屋でバイトしていた時に、お客さんに薦められてに応募しました。カメラが趣味だった姉に写真を撮ってもらい、そのおかげもあって書類審査に通過して。当時は金髪だったのですが、爽やかな髪色に染めてくれたり、服を一緒に買いに行ってくれたり……姉のプロデュースのおかげで今ここにいます。

――ありがとうございます。最後に、今後の展開の見どころを教えてください。

塩野:登場人物それぞれがどういった方向に向かっていくのか、果たして新堂家はみんな幸せになれるのか、見届けていただけたら嬉しいです。そして早乙女家は一体どうなるのか……。まだ僕たちも最後まで台本をもらっていないので、結末がどうなるかわかりません。ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか、僕も視聴者の皆さんと一緒に放送を見届けたいと思います。

長妻:僕は、新堂家の皆さんにはドラゴンボールを贈りたいです。

塩野:やばい。長妻劇場が始まる。

長妻:梨里杏ちゃんをドラゴンボールで生き返らせてほしい。それか、夢だった説。すべて梨里杏ちゃんの夢だったっていう夢オチとかどうでしょう。

塩野:絶対嫌なんだけど!(笑)。

長妻:だって、見ていてすごく心が痛くなっちゃって……。だから、どうにかこの物語が幸せに終わることを願っています。僕の家にドラゴンボールが7つ集まっているので、是非。

塩野:どっちのドラゴンボール? ナメック星の方?

長妻:そう。タッカラプト ポッポルンガ プピリットパロ!(※ナメック語で神龍を呼び出す言葉)

――ありがとうございました!(笑)。

取材・文・写真:米田果織