カニ足そっくりの見た目と、手に嬉しい重量感。ひとたび口にすると広がる、ぶりっぶりの肉厚感とジューシーさ。


「なんだこれは!? 美味すぎる!」

コンビニで見かける紀文食品の「したらば」を初めて食べた人の多くは、従来のカニカマと全く異なる食感・意外性に、こんな反応をするのではないだろうか。

調べてみると、実際、かなり熱心なファンがいるようだが、この独特の美味さはいったい何だろうか? 紀文食品に聞いてみると……。
「実は芸能人の方にもファンが多くいらっしゃるんですよ。浜ちゃん(ダウンタウン)がラジオでポロッとこの商品の話をしていたり、タモリさんが好きだということで、番組から『したらばのことをもっと知りたい』と電話がかかってきたこともあるんです」
以前、『タモリ倶楽部』でカニカマを食べる企画があったが、きっかけは、タモリの個人的愛だったよう。

ところで、気になる商品名「したらば」って、何?
「『サラダにしたら?』ということと、『タラバガニ』とをかけて『したらば』としました。もともとのコンセプトは『茹でたタラバガニの足を表現したい』ということで、当初はサラダなどのトッピング、料理に使いやすいように作っていたんですよ」

「したらば」シリーズの原点と言える商品が生まれたのは、1996年3月。当初は25グラム5本入り200円程度で、スーパーを中心に売られていたという。

さらに、今のボリューミーなタイプが登場したのは、2001年9月。「ビールを飲みながらそのまま食べられるつまみ」として、個包装にし、コンビニエンスでの販売を開始した。それにしても、迫力の78グラム! この大きさって?
「ちょうど食べきれる量ということと、片手で持って食べられるということ。また、『茹でたタラバガニの足』に近い大きさと太さを目指したものです」

この独特の食感、一部には「本物のカニ足より美味い」という人もいるほどだけど、どこに秘密があるのか。
「普通のカニかまぼこが目指しているのはズワイガニで、『したらば』が目指しているのはタラバガニの足なんです。
ズワイガニとタラバガニとでは、足の太さも違えば、身の繊維の太さも違います。茹でたときにちょうど食べられるくらいの繊維の大きさに似せて作っているんですよ」
というと、繊維の作り方に秘密が……?
「そうです。普通のカニカマの繊維は、シート状に薄く長くかまぼこを焼いて、横に切れない程度の切れ込みを入れ、細く巻いていくという作り方。でも、『しらたば』は、あえてカニかまぼこをブロック状に作り、舌触りの良いフレーク状に切り刻んで、それをかためるんですよ。また、かためるときには食感の違うものをつなぎとするため、食感の違いのミックスによって、歯ごたえやジューシーさが生まれてくるんです」

コンビニ商品はサイクルが早いため、3~5週間ぐらいでかわるそうだが、これまで出したのは、サーモン、オニオンマヨネーズ、深炒りゴマ、ハムアンドチーズクリーム、タマゴ&マヨネーズ、お好み焼き風など、約30品。

また、築地場外市場にある「築地 紀文總本店」では、串にさしてフライ・磯辺揚げにしたものを売っており、アツアツの状態で歩きながら食べられるそうだ。

ますます気になる「したらば」の世界。どっぷりハマッてしまいそうです。
(田幸和歌子)
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