ツリオンナと書いて「ちょうじょ」って読みます。日経トレンディ12月号の「2011年ヒット予測ランキング」で、4位にランクインしたのが「釣女ギア」。
来年は釣りをする女性のための機能的でオシャレなウェアが流行るというのです。
女性の釣りファンが増えているという話は、ここ10年くらいずっと言われ続けていて、その割にガツンとブレイクしたためしがないのですが、「山ガール」のブームもあったことだし、今度こそ行けるんじゃないの? という機運が高まっています。
はたしてホントに流行るのか!? そのカギを握るのが、ブームの牽引役となるべき女性アングラーの存在。釣り雑誌やテレビ番組などで活躍中の10人を部門別に紹介します。


■プロアングラー部門:児島玲子
日本を代表する女性アングラーといえば間違いなくこの人でしょう。今さら「ブレイク」というのも失礼なほど、知名度も実力もナンバーワン。普通の釣り番組では「釣り名人」+「レポーター役の女性タレント」を組み合わせることが多いですが、児島さんの場合は単独出演でまったく問題ナシです。
たとえば、バヌアツ共和国の海でルアー釣りに挑むこの番組。現地の釣りガイドとカタコト英語でガンガンしゃべってあっという間に溶け込むようすが、見ていてとても気持ちいい。下手すると「南国のリゾートでセレブな釣りやってます」になりそうな企画をイヤミなくこなせるのは、彼女の飾らない人柄ゆえでしょう。どことなく伊達公子さんに似た雰囲気の美人です。

■肉食系部門:ふくだあかり
「1年で100種類の魚を釣る」という目標を立ててブログ「百目」をスタートし、OLをやりながら見事に達成したとんでもないお姉さん。
100種類も釣ったことのある人は男性でも稀でしょう。魚の名前を100言えるだけでもすごいのに。
ご本人が肉食系かどうかは知りませんが、ブログTOP画像のミニスカートはズルい! そんな格好で座っちゃダメ! 世のオヤジアングラーをハァハァさせつつ、ふくださんは200オーバーを目指してばく進中です。2010年12月10日現在、なんと196種類をクリア!

■沖釣り部門:本多絵里子
スカパーのチャンネル・釣りビジョンで「大漁!関東沖釣り爆釣会」のキャスターを5年間担当。沖釣りは船に乗ってねらう海釣りの総称で、オトコ臭い釣りの中でも特にオヤジ臭いジャンル。そんな魔窟に飛び込んで5年も続けたというだけで賞賛に値します。
「簡単に釣れる魚より難しいほうが好き」だそうで、お気に入りのターゲットはショウサイフグ……わぉマニアック。パチンコ関連の仕事もされているので、根が勝負師気質なのかもしれません。
 現在はホンダのウェブサイトにある釣りコンテンツ「つり女子活動記」に出演中。僕もお手伝いさせてもらってます。

■アイドル部門・永浜いりあ
「開運!なんでも鑑定団」などメジャーなバラエティ番組にも出演。釣りをしない人にも比較的よく知られている"釣りドル"です。

 おっとここで新しい単語が出てきました。「釣りドル=釣りアイドル」なわけですが、これはちょっと微妙な表現。「ブレイク前のアイドルが釣りの仕事で糊口をしのぐ」的なニュアンスを含む場合があり、使用には注意が必要です。
その点、レースクイーンから10代目ミニスカポリスに抜擢という経歴を持つ永浜さんは正真正銘の釣りドルではないでしょうか。ブログのカテゴリが 「へら鮒釣り」「エギング」「投げ釣り」など、釣りだけで12のジャンルに分類されているところからも本気度が伝わってきます。いちばん上のカテゴリは「3時のおやつ」だけどね。

■バス釣り部門:りんか
iPhoneアプリなどで人気の「美人時計」。この滋賀版に釣りザオを持って登場しているのが、りんかさんです。滋賀といえば琵琶湖、日本のバス釣りのエルドラド。ここでロクマル(60cm台のブラックバス)を釣るのはバスアングラーの夢ですが、りんかさんは1年で7尾も釣ってる! 釣りのDVDを自主制作&販売しているのにも注目です。オープニ ングはなぜか女子高生姿でのPV!
ルックスはギャル系雑誌のモデルさんという感じですが、ブログを見るとひとりで電車に乗って琵琶湖に通っているらしく、めちゃくちゃ親近感が湧きました。電車だと入れるエリアが限られるんだよなー。
あれ、ってことは彼氏いないのかも!?

■ブロガー部門:みっちぃ
釣りブログ界のしょこたん。……というのは言い過ぎですが、とにかく更新回数が多いみっちぃさんのブログ。2010年だけでエントリー 数がまもなく1000を突破! しかもそのほとんどが釣りネタで、テレビ番組の取材報告からプライベートの釣行風景まで、とにかく釣り三昧。本当に釣り好きなんだなーと思ってチェックしはじめたら、あまりに釣りばっかりしているので驚きを通り越して羨ましくなりました。たまに大阪弁が混じるのもいい感じです。
あと、唇をカワハギみたいに尖らせるセクシーポーズはみっちぃさんの発明ではないかと。アヒル口の次はカワハギ口だ!

■バラエティ部門:彼方茜香
これまた釣りビジョンで放映されている「関西発!海釣り派」にナビゲーターとして出演中。タイトルどおり関西のいろんな釣りを体験する番組なわけですが、アクの強い関西の釣り名人を相手に一歩も引かないトークがいい!
番組の第1回では、浪速の投げ釣り師・中本嗣通さんがゲストなのに、なぜか釣り場にいた一般人のおじさんにばかり質問するので「浮気なオンナやで!」と呆れられ、あげくの果てには釣ったシロギスを中本さんに自慢して「やかましわ!」と叱られ……。釣れても釣れなくても楽しい番組になってます。ダイジェストは公 式サイトで公開中。ブログのTOP画像がマトウダイなのも渋いです。

■磯釣り部門:いずみん
2004~2007年にかけて、海釣り専門誌「磯・投げ情報」で"いずみんのワクワク陸っぱりパラダイス"という連載を持っていた釣りドルです。
専門は磯釣り。岩礁帯でクロダイやメジナなどをねらうザ・体育会系なジャンルに、突如現れた色白の癒し系美女! というミスマッチで注目を浴びました。ブログやホームページが見当たらないので引退したのかと思ったら、スポーツ報知などで活動を続けているようです。
釣りにハマるにつれてどんどんアグレッシブになる釣女が多いなか、いつまで経っても美白に気を遣ってそうな浮遊感が貴重なキャラクターだと思います。

■看板むすめ部門:小菅綾香
三浦半島・小網代湾にある船宿「丸十丸」の娘さん。4才のころからお父さんの船に乗って釣りをしているそうで、8才で釣った6.4kgのヒラメは当時、JGFA(ジャパンゲームフィッシュ協会)のジュニア日本記録になりました。
2009年には日本に17人しかいないJGFAアンバサダーに就任。服部名人や奥山文弥さん、村田基さんといった釣り界の巨人たちと肩を並べるスーパー中学生なのです。
でも、思春期の女の子にこんな重責を負わせてよかったんでしょうか。恋愛やオシャレに夢中になって釣りなんかやめるッ!……なんてことがないよう祈ってます。

■アンチ釣女部門:小池百合子
何かが流行ると、必ず批判が生まれるもの。釣女たちがブレイクすれば、そこに噛みつく手ごわいヒールも必要です。
ここは元環境大臣の小池さんにがんばってもらいましょう。
小泉内閣でクール・ビズを推進したことが有名ですが、その一方で、ブラックバスを特定外来生物に指定。バス釣りにネガティブなイメージを与えたこの決定により、日本中のバスアングラーから目の敵にされました。
小池さんも別に釣りが憎いわけじゃないでしょうが、そこはあくまでキャラとして、釣女との対決姿勢を鮮明にしてもらいます。「あんたたち、そんなに紫外線浴びてなにが楽しいの」という爆弾発言で物議をかもし、釣女と山ガール、サーファーたちが一致団結する……というシナリオでどうでしょう。


いろんなタイプの女性アングラーを紹介してきましたが、全員に共通するのは「釣りをしている最中がいちばん魅力的」ということ。ブームになってもならなくても、応援したくなる女の子ばかりです。(水藤友基)
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