サミット?
聞けば、おかっぱ男子で漫画家でゲーム作家で、更にはランチパッカーでもある香山哲さんが中心になって、漫画家でライターのヨシダプロや早稲田の菓子パン研究会のひとなど「ランチパック」に一家言あるひとたちが、ランチパックについて語ったり、みんなで食べたりするものらしい。
香山さんとランチパックの関係は、深い。「ランチパックの鬼」というブログで感想や写真を載せていたところ編集者から声をかけられ、『ランチパックの本』を出版することに。それから、幼い頃、弟を出産するために入院していた母親のお見舞いにいくときに、毎日ピーナッツのランチパックを買ってもらっていたというエピソードもある。まさに、ランチパッカーのなかのランチパッカー。
イベント会場は、ニフティが運営するイベントハウス「東京カルチャーカルチャー」。デートスポットでもある観覧車の真横です。
「煙には、オバケ型とか爆発型とか色々な形があるんです。オバケ型は動物が犠牲になっている場合に使われていることが多い」
ランチパックそのものではなく、なぜかパッケージに描かれた煙についての考察をはじめる香山さん。出たな、香山節!
「照焼きチキンのイラストからは、煙が2つ出ている。これは、親鳥とひな鳥をあらわしているのでは」
「照焼きハンバーグ味のパッケージには2種類の煙が描かれている。このハンバーグは合挽肉を使っているのかもしれない」
更には、
「パッケージのイラストを描いている人はベジタリアンで、本当はいやなのにハンバーグの絵を描かなきゃいけなくなり、供養の意味をこめて煙を描いたのでは」
「考えすぎだよ!」
あまりの深読みに、ゲストのヨシダプロから会場全体を代表したようなツッコミが炸裂。
この日のヨシダプロから香山さんへの「考えすぎだよ!」は5回以上。
「〈普通のピーナッツとは別のあじとしてぜひ食べてみてね。〉って本にも書いてあったけど、ピーナッツ味と深煎りピーナッツ味は、こんなに違うのか」と、香山さんの話を聞きながらもランチパックをもぐもぐ。
というのも、会場には、ウエルカムドリンクならぬ、ウエルカムランチパックがあったのですよ! 定番のピーナッツやたまご、ツナマヨ、カシスジャム&ホイップ、焼うどんなどがホテルのビュッフェのようにずらーっと並ぶ様子は、圧巻。香山さんが3日間コンビニをまわって、153袋(!)も集めたのだとか。
さて、ランチパックの味については。
「マカロニ、ホワイトソース、衣、パンという炭水化物4段とは、クレイジーですね」(グラタンコロッケ味)
「挑戦的。おいしい、おいしくないだと好みがわかれるかもしれない。でも、楽しい、楽しくないでいうと、楽しい。ちゃんとクリームがシュワシュワしているし」(クリームソーダ味)
「焼きそばがあるのに、あえてうどん。他がやらないことをやろうという、ヤマザキのフロンティア精神が感じられる」(焼うどん味)
「考えすぎだよ!」(ヨシダプロ)
休憩時間には、新たなランチパックの試食タイムに突入。「小倉&マーガリン」や「ハムカツ&やきそば」、TOKYOマラソン限定「TOKYO X メンチカツ」などに混じって、
・特製ヨーグルト
・自家製ショートケーキ
・作りたて自家製天ぷら(かき揚げ)
・作りたて自家製肉じゃが」
・カロリーメイト(ポテト味)
などの変わり種10種類が。香山さん曰く「密造商品」で、この日のために作ったのだそう。
〈汁気がとぶまで煮詰めてみました〉
と書いてあるとおり少し味が濃く、パンとよく合う! 本家ヤマザキの方にも「おいしい」と言わせただけのことはあるなあ(もぐもぐ)。
客席からの「1番好きな味とNGの味を教えてください」という質問に、
「博物学的に食べているし、こうやって食べればおいしくなるっていう頭になっているので、NGはないです」
とあっさり。おお、さすがプロランチパッカー!
他には、3択の「ランチパッククイズ」なるものも。
Q 『5種類の根菜入りメンチカツ』の中に入っていない具材はどれ?
Aれんこん Bくわい Cじゃがいも
Q 企業とのコラボ商品も豊富なランチパック。次のうち、まだコラボしていないのはどれ?
A味の素・ピュアセレクトマヨネーズ Bかどや・ごま油 Cイカリソース
どうです、わかりますか? 正解は、CとAでした。
10問中8問正解した3名には、香山さんお手製のランチパックストラップが進呈されました。
おめでとう! パチパチパチ。
……となるはずが、受賞者と登壇者とで、何やらごにょごにょしています。
受賞者の人からの指摘で、どうやら9問目の
Q 今年2011年発売でないものはどれでしょうか?
Aミルクティークリーム&ホイップ Bカフェオレクリーム Cラー油メンチカツ
の答えがCではなく、全部あてはまるのだとか。「じゃあ、みんなで謝りますか」と、どこかの記者会見で見たような、全員でおじぎというパフォーマンス。
70人ほどの来場者の中には、「2年くらい買い続けていて、ブログもやっている」という人や、「北海道限定のレモンクリーム&ホイップ味を現地まで買いに行った」という人、メモ帳にパッケージをコメント付きでスクラップしている人などもいて、イベント終了後にはちょっとした交流会がはじまっていました。いやあ、ランチパックって、コミュニケーションツールにもなるんですね。
香山さん、第2回目もぜひ!(畑菜穂子)