確定申告の季節。個人事業者のほか、会社員でも副収入のある人などは準備をすすめているところなのでは? 私も今年の確定申告をやっとこさ終えたところなのだが、フリーライターという公私が曖昧な職業ということもあり、毎年、悩むのが領収書の扱い。
書店で確定申告の実用書を買ってみたりもするのだけれど、いまいち頭に入らず、斜め読み程度でやめてしまうこともしばしばで……。

そんな中、2011年にベストセラーとなった『あらゆる領収書は経費で落とせる』がマンガ版が2月末に発売。マンガならこの手の実用書が大の苦手な私も頭に入りやすいのでは……? と読んでみることに。帯の「家賃、TV、愛人代も経費で落とせる!」という衝撃的なコピーがなんとも気になる。

実は税理士の顔も持つ美人バーテンダーが、店に集う多彩な客たち(サラリーマン、フリーランスのイラストレーター、起業家などいろいろ)の税金の悩みを解決していくというストーリーで、たとえば

 ・コンビニ弁当を経費で落とす
 ・自宅用に買ったテレビやパソコンを経費で落とす
 ・(フリーランスの人が)家賃や旅行費用を経費で落とす
 ・キャバクラ代を経費で落とす
 ・特定のキャバ嬢への手当(愛人代)やマンション代を経費で落とす

などという、えーっ! そんなことできるの? というような事例を、バーの店内でお酒を飲みながらのゆる~いやりとりの中、わかりやすく解説してくれる。たとえば最後のキャバクラ代&愛人代の件だが、これは素人の私でも真っ先に思いつくのが「接待交際費」という名目だけれど、これだと誰か取引先の人などを連れていかなければならなくなってしまますよね。


それ以外にも、たとえば「若い女の子の流行を知りたい」といった目的で「情報提供料として落とす」、もしくは彼女を会社の「非常勤役員扱いにして落とす」などの方法があるということでへぇ~と感心。ただし、当然のことながら無条件にOKというものではなく、いくつかの条件を満たしていなければならないようではありますが……。

誤解しないでいただきたいのは、キャバ嬢にかかる費用を経費で落とすことを本書がすすめているわけでなく(笑)、あくまでも「考え方」をキャバクラ代等を例にあげて指南してくれるというもの。

版元の担当編集者さんにお話を伺ってみたところ、
「かくいう私も、この本を担当させていただいて、ようやく経費精算とは何たるか、が分かったような気がします。日々、会社で経費精算などをしているけれど、経費や領収書について深く考えたことがないサラリーマンの方から、経費を増やして節税したい経営者の方まで、幅広く楽しんでいただける内容になっています。『知っておかなくちゃな』と思っているけれど、難しそうでなかなか手が出せない。
そんな方の入門書に最適です」

とのことだった。そんなこんなで、私も本書で大人への階段をまたひとつ、のぼった気が。知らないと損する、税金のあれこれ。私もこれを機にさらにディープな専門書などで、がんばって知識を深めようと思った所存です……。
(まめこ)

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