子供になったつもりでひたすらブロックで遊ぼう!
で、今回は子供からたぶん大人まで楽しめるブロックおもちゃを紹介したい。だが、素材も使い方もちょっと変わっている。
実はプラスチックや木ではなく、デンプンなのだ。

『フィッシャーティップ』(ドイツ製)というもので、じゃがいものデンプンからつくられており、水につけることでブロック同士をつなげることができる。実は形はブロックというよりマシュマロみたいで(道具を使ってブロック状にも変形できる)、触った感じもまさにマシュマロみたいにフワフワしている。たくさんの色の種類があり、バケツ状の容器に収まっている。250個入りと1000個入りのものが国内で販売されていたが、250個入りを選んで実際に試してみた。

フタを開けると、いっぱいのブロックと、スポンジ、ナイフ、説明書が入っている。
使い方は水で濡らしたスポンジを手元に置き、バケツから取り出したブロックの接着面にスポンジで水を付けると粘着性が生じる。あとはそれらを自由につなげていくだけだ。斜めに角度をつけたり、ギザギザをつけたりするときはナイフを使う。

遊んでみるとすぐ気づくのは、粘着力の強さだ。いったんくっつけるとなかなか剥がれない。また、間違って手にくっつけてもなかなか剥がれない――デンプンの力は凄い。
切断するには付属のプラスチックナイフだと子供には安全でいいが、大人にとってはもどかしいので、普通の事務用カッターやハサミを使うほうが便利だ。顔に目玉をつけるといった細かい作業もあるのでハサミ、カッターのほか、ピンセットもあるとベター。

さて、何をつくろうかと思って、説明書の中のサンプルをペラペラ見ていると、怪獣が目にはいった。やっぱり男は子供のころから、家とか花とかよりもこういう怪物がなぜか好きである。で、さっそく足、胴体、尻尾、背びれ、頭をそれぞれ作成。難しいと思ったがやってみると意外に簡単で楽しい。


だんだん怪獣の体ができてくるたびにワクワクしてきた。足の指や背びれをつくるのにハサミで切り込みを入れ、足をまげるために角度をつけるカットをしたりと、なかなかやりがいがある。子供のころってこういうことを夢中でできたから、幸せだったのだろう。

さていよいよ各パーツが出来たので、組立てることにした。前述したようにいったんくっつくと剥がれないので慎重に足と胴体をつなぎ、尻尾と背中、頭をその上に装着して出来上がり。
「おお~、ちゃんと怪獣に見えるぞー」
我ながら最初にしてはマズマズの出来栄えか。
すごく達成感があって嬉しい~。

ほかの遊び方として、台紙に貼り付けて絵を描くこともできる。デンプンをそのまま、またはちぎったりカッティングしたりして紙に少しずつ貼っていくことで絵が出来ていく。手法としては天才画家の山下清のちぎり絵にちょっと似ているかも。

三次元、二次元、どちらでも造形できるデンプンのブロック。これで「はちゅねミク」とかつくる人が出てくるかも。

(羽石竜示)