明日7月17日に決定する第149回芥川・直木賞、本命作品がどれか予想してみました!
未読の方でも30秒でわかります。(★評価。
5点が最高。☆は0.5点)。

『巨鯨の海』伊東潤(2回連続3回目)
鯨漁を描いたオリジナリティ溢れる海洋時代小説。「全部落ちは鯨」というワンパターンの弱点はあるけど、漁の場面をこれだけ迫力満点に書かれたら納得。本命度★★★★。

『ジヴェルニーの食卓』原田マハ(2回目)
美術小説『楽園のカンヴァス』で本領発揮した作者の同路線作。
近代西洋絵画の巨匠4名を登場させ、実際に絵を見ているような気分に。本命度★★★★☆で今回1位と予想。

『望郷』湊かなえ(初)
意外にもこれが初ノミネート。島という狭い環境に生きる人々の群像小説。ふるさとは遠くにありて思うもの、とこの小説を読んで痛感するかも。初登場だけに辛く本命度★★。


『ホテルローヤル』桜木紫乃(2回目)
短篇巧者の良い面が出た短篇集。ラブホテルを舞台に、セックスの哀しい面と滑稽な面を同時に描く。全体の構成は別に凝らなくてもよかったかな。今後に期待して本命度★★★。

『ヨハネスブルグの天使たち』宮内悠介(2回目)
ボーカロイドが裏の主役になる近未来SF。民族紛争について人間のアイデンティテイの側面から考えています。
選考委員にボーカロイド愛はたぶんないだろうから本命度★★。

『夜の底は柔らかな幻』恩田陸(5回目)
恩田陸が書いた異能力バトル! キャラの立ちまくった能力者たちがばんばん戦う娯楽作で一気読み! なんだけどヒロインはちょっと影薄いかも。上下巻だし本命度★★★。

というわけで、今回の本命は『ジヴェルニーの食卓』、対抗『巨鯨の海』、穴馬『夜の底は柔らかな幻』と予想してみました。
もっとくわしいレビューが読みたい方はこちら
(杉江松恋)

※7月17日の受賞作発表後、下北沢B&Bにてイベント開催を緊急決定!
詳しくは下記を。


杉江松恋×豊崎由美×大森望
[予想が当たればドリンク無料!]
第149回芥川賞・直木賞の選考結果を受けて喧々囂々の会