「おい、読めねえ女だな」
「どうします? 兄貴」
「下手に動かないほうが…」
と一人遊びを楽しんでいた。まるで役に立たない。
その一方で時折、鋭さも見せる。
「TATSUKO YANO」の買収騒動が持ち上がり、何食わぬ顔で接触してきた滝川蘭子(余貴美子)と間宮充(青柳翔)。キツネとタヌキの化かし合いさながらの腹の探り合いが行われるなか、「隠してもムダなんじゃないかな。間宮さんほどのキャリアがあれば、一ブランドの収支ぐらい電話一本でわかるんじゃないですか?」と、サラリと言い放ったのは隆太郎だった。
もしかして、単なるバカ息子じゃない…?
ただし、女の趣味は微妙。倉科カナに加えて、鈴木ちなみにも手を出していたことが発覚する。語尾に「にゃん」をつけて毒づく、プレスのアシスタント・華ちゃんである。
第一話では仲良く、ちなみの足を引っ張っていた二人だが、昨日の敵は今日の敵。
隆太郎のホテル選びに、華が言及したところでゴングが鳴り響く。
「(選ぶホテルが)南国風のとこばっかりじゃないですか」と同意を求めることで、さくらとの関係も知っていることを暗に匂わす。「隆太郎さんと寝ました、何回か。でも、イマイチでしたね〜はい」は、男の技術不足をあげつらうことで、相手の女をおとしめる手法。二股をかけられている時点でどっちが上もないのだが、いずれも自分が優位だということをアピールする定番スタイルだ。