
130話は、こんな話
双子ちゃんの育児に追われる希(土屋太鳳)の元に、最初に希のケーキのファンになってくれたお客様が訪ねてきてケーキをつくってくれないかと言う。
圭太(山崎賢人)が一日だけ育児を引き受けてくれて、久々にケーキ作りをしていると、歩実が熱を出してしまう。
今日の、悩ましい
「まれ」は大変な命題に挑んでいるなあ、としみじみ。
ケーキも作りたい。大好きな旦那さんを大切にしたい。子供も生み育てたい。
本当はどれもやれるものならやっていいことなのに、なぜか世間は、どれかひとつにしぼりなさいと言います。
なんで絞らないといけないの?
女性が子供を産める時期は決まっていて、その機能が備わっているのならそれを活用したほうがいいはずなのに、仕事をしていると出産の時期を逃してしまい、子育を優先したらしたで働き盛りの時期を逃してしまうジレンマ・・・。
そこに希は完全と挑んでいます。痛快に全部やりきって頂けたら、女性の希望になるというものです。

今日の、子育て
「女ちゅうがは 子供生んでからしばらくの旦那の行動をちゃ 一生忘れん生き物やさかい」(一徹/葉山奨之)
新米パパさん、はい、チェック!
「こんな小さな命をちゃ預かるこわさ。ちょっとの失敗でなくしてしまうかもしれんおそろしさ。親はみいんな経験しとるげ。ほういう恐怖と闘っとるげんよ」(藍子)
新米パパママも、はい、チェック!
今日の台詞と、演出
一徹「記憶の上塗りや」
圭太「おし。塗るがは得意やさけな」
亜美(梶原ひかり)「バカ言ってるヒマがあれば希さん手伝いなさい」
出た。漆に例えた圭太のギャグ。
保坂慶太演出は、笑いの部分をそれほど強調せず、さらりと進行させているような・・・。
代わりに、希の育児疲れの顔や、129話から使用されている圭太が撮った写真の希の困った顔など、人間の崩れた瞬間の顔のおもしろさを見せているような気がします。
希が圭太に育児を伝授しているときの、突然の画面二分割は、効果あるのかちょっとよくわかんなかったですけども。
今日の、お母さん
ケーキを作っている間に、子供が病気になって、母親失格かもしれないと落ち込む希。
「なしてあんたは自分のことばっかり」と義母・直美(藤吉久美子)が出てきて厳しく叱り、母・藍子(常盤貴子)も、覚悟がないなら店は辞めなさいと忠告します。
脇役が完全に、主人公の行動の善し悪しを解説する機能キャラ化しています。藍子さんはまだ幾分、過去の話や徹とのことで、パーソナリティーが描かれているのと、ナイーブなシーンで、数々のヒットドラマのヒロインを演じてきた集中力によって瞬時にドラマティックな雰囲気を醸せるので、強いのですが、
直美はそういう場すらなく、ほんとうに都合よく出させられているだけの印象でお気の毒。朝ドラOGとして特別出演と思えばいいのかな。
それにしても、直美も藍子も、ヒマしてそうなので、孫の面倒見てあげたらいいのではないか? という気もします。文(田中裕子)とかも出てきそうなものなのに、子育てに関してはいっさい手助けしない。女たちはスパルタ教育派で、
希を助けてくれるのは、男のひとばかり。
(木俣冬)
エキレビ!にて月~土まで好評連載中! 木俣冬の日刊「まれ」ビュー全話分はこちらから
いまひとつ視聴率が伸びないが、奮闘は讃えたい。