
152話は、こんな話
急に予定にないものをつくりはじめる希(土屋太鳳)。それは大切な魔女姫人形だった。惜しくもコンテスト入賞は逃したものの、大悟(小日向文世)や、訪ねて来た祖母・幸枝(草笛光子)は希の成長を讃えた。
今日の、大悟
優勝した大悟は、ビリになってもおかしくない面子のなかで希が5位になったのは上出来と言う時は、いつものようにクール。そのくせ、自分のケーキを食べさせているときは顔が綻びまくっている。かわい過ぎる。
よくあるドラマだと、師匠・大悟と弟子希が、師匠を乗り越えるために対決する、ある意味互角の勝負をスリリングに描きますが、「まれ」は宿命のライバル対決のドラマティックさを選ばず、まだまだ先があることを示しました。“地道にコツコツ”を大切にした脚本です。
それしても、希のプレゼンのトーク力はかなりのもの。言葉が明晰で、表情も明るくて。ケーキの味はわからないけど、こちらは絶賛できます。
今日の、勝手に名言
「ただ自分を表現した。いいのそれで。食材を生かすために全力を尽くす事。そして自分と誠実に向き合ってケーキをつくること。
職人の道を説く幸枝。
希は、漆は嘘をつく話をケーキにも同じことが言えると考えます。漆、ケーキだけでなく、ドラマ制作にも言えるでしょう。この台詞を書いているときの脚本家さんの気持ちはいかばかりか。
今日の、ネタバレ
徹とはもう一生会えないのではないか、と悲しい顔をする藍子(常盤貴子)。でも、先週、151話のあとに流れた予告では、徹が楽し気に家族のなかにいます。
「まれ」では、この先どうなるの〜? という気持ちを大事にしてネタバレを禁止するより、早くあのシーン見たい! という気持ちを大事にしているんですね。そう、早く、徹が帰ってきて、よかったねとニコニコ笑いたい。そんな気持ちで、いま、お茶の間(死語だよなあお茶の間)がひとつになっているんじゃないでしょうか。最終回まで、あと3回。
(木俣冬)
エキレビ!にて月~土まで好評連載中! 木俣冬の日刊「まれ」ビュー全話分はこちらから
いまひとつ視聴率が伸びないが、奮闘は讃えたい。NHK朝ドラ「まれ」おさらい(54話までを総括))