AV男優という職業について、みなさんはどれだけ知っているだろうか? 応募方法、月収、業界人数、現場の流れ……。仕事としてのAV男優のリアルを知るべく、直撃インタビューを行った。

お話を伺ったのは、過去50本以上のAV作品に出演経験があるFさんだ。男優としての仕事に加え、本業で別の仕事もあるという。

大手AVメーカーと中小AVメーカーの違い


男優の仕事はまず、アダルトビデオメーカーの出演者募集に応募するところからスタートする。各メーカーのウェブサイトで随時募集があり、Fさんは初期の頃は細かくチェックしていたそう。
「大手メーカーは性病検査が厳しく1カ月以内の検査表が必要です。検査不要の中小メーカーもあり、手っ取り早く出演できるが現状では無法地帯となっています」
トップAV男優になるのは「東大に入るよりも難しい」

面接は「プレハブ小屋」で行われる場合も!?


応募後、書類選考を通過すると面接だ。初期は中小メーカーへの応募メインだったFさんによれば、面接会場は都内の聞き慣れない名前の駅の近くにあるプレハブ小屋などが多かったという。「集合場所と時間を言われるだけ。
面接に行くときが一番怖かったです」とFさん。

AV男優には階級が存在している


このように仕事を獲得していくそうだが、AV男優の世界には階級があるという。最も稼ぎの少ない階級が「汁男優」で、ギャラは数千円程度。ピン出演の素人男優になるとようやくギャラ1万円が見えてくる。有名な男優は一回の出演で3~5万円、1日に何現場もこなす超有名男優の中には年収数千万円を稼ぐ人もいるというから驚きだ。ちなみに、ギャラは年俸制ではなく作品1本単位で支払われるため、AV男優の収入は出演本数に応じて決まる。

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出演依頼から決定通知までの流れ


メーカーごとに異なるが、基本的には出演が決まると案件ベースで仕事の依頼が来るようになる。依頼はメールで来ることが多く、時間帯・服装・その他の条件等から出演の可否を判断する。
また作品によっては抽選制となる場合もあり、合格した出演者には別途メールが送られて来ることも。「よくあるのは『芸名』を考えておいて、というもの。作品中の源氏名みたいなものです」とFさんが教えてくれた。
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作品毎に「手配師」と呼ばれる存在がある場合も


また「手配師」と呼ばれるアサイン担当のスタッフも存在するらしく、この場合はメーカー単位ではなく作品単位で男優出演者をアサインしていくというパターンだ。この場合も上記の依頼の流れと大きく変わらず、集合場所・時間・簡単な内容を元に時間が合えば出演となる。

遠方ロケの定番の集合場所は新宿駅西口のあのビル!


これも作品により異なるが、遠方ロケの場合によく使われる集合場所が新宿駅にある「スバルビル」だという。当然、補欠合格者にも集合が掛けられるのだが、本合格者の出席率が100%だった場合、補欠合格者は泣く泣く新宿を後にすることになる。


アットホームな撮影現場


撮影現場に入ると、周りのスタッフたちが万全のサポートをしてくれるという。「スタッフには10代の方も多い。そういう方達が撮影中に、ローションや小道具を持ってしっかりスタンバイしてくれている」とFさん。非常にアットホームな雰囲気で、笑いが絶えない撮影現場が多いそうだ。

ちなみに撮影にかかる時間は、短いものでは2時間、長いものだと午前にジャケット撮影⇒午後以降に本番撮影という流れで終日かかる場合もある。というのも、基本的には出演AV女優のスケジュールが優先され、次にスタッフ、最後に男優という順で組まれているから。ただし、そこそこ有名な男優になると短時間だけで終わることも多いという。
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プレッシャーを感じる場面も


そんなアットホームな撮影現場でも笑えない場面があるらしい。男優がスタンバイOKな状態となるまで撮影現場全体が一旦ストップしてしまういわゆる「勃ち待ち」だ。どんな面接よりもプレッシャーがかかる場面だとFさんは言う。「『次はスタンバイOKの状態でお願いします!』なんて言われても、そんなすぐに準備は出来ない。精神的な部分によるものが大きい」と、撮影現場での緊張感ある場面を教えてくれた。

トップAV男優になるのは東大に入るよりも難しい!?


以上の様な撮影現場を1日に2~3現場こなすAV男優が、先程出てきた「トップ男優」の部類に入る人たちだ。ただし、Fさん曰く「2~3現場こなすのは東大に入るよりも難しい。
身体的な才能が無いと難しい」。ちなみに、AV業界に男優は70人程しかないと言われているが、この数字は業界の熾烈さを物語っているのだろうか。

最後に、Fさんご自身のAV業界に対しての思いも伺った。
「私はお金のために出演していません。出たいから出ている。あまり稼ぎがどうこうという部分は気にしたことがない」

夢は世界中の風俗を巡り、それに関する記事を発信して世の中に届けることだという。