佐々木希 シングルマザーを演じて感じた思いを。「変わらない愛を与えられたら」/インタビュー

■佐々木希/映画『いきなり先生になったボクが彼女に恋をした』インタビュー

韓国語に初挑戦! 子育てに、仕事に、恋に奮闘するシングルマザーを演じる

佐々木希がアジアが誇るボーイズグループ、SUPER JUNIORのボーカル、イェソンとともに主演を務める、映画『いきなり先生になったボクが彼女に恋をした』。今作で佐々木はシングルマザーで、息子を育てるために韓国語を勉強する“さくら”という人物を演じている。
温かさのなかに切なさもあり、ときにクスッと笑ってしまう場面もあるラブストーリーを佐々木がどのように演じたのか。撮影中の裏話や、共演のイェソンの印象、“母親”への思いなども含めながら語ってもらった。

「さくらが母でありながら、恋もして行くという前向きな姿に、演じながら勇気づけられました」

――今作で演じられた“さくら”という女性について、希さんはどんな印象を持ちましたか?

佐々木希(以下、佐々木):さくらはシングルマザーで、女手ひとつで息子を育てています。これまでも何度かシングルマザーの役はやらせて頂いているんですけど、共通して思うのは、子供のためなら何でもできるという、大きな愛を持っているなと。今回も子供のために一生懸命に韓国語を勉強しますよね。いつか私にも子供ができたら、こんなふうになれたらいいなって思います。
そして、そんなさくらが母でありながら、恋もして行くという前向きな姿に、演じながら勇気づけられました。

――今作は“ラブコメ”というジャンルにもなりますが、その点で意識したことはありますか?

佐々木:今、コメディを本当にやりたくて。なので、今回の役もやりがいはあったんですけど、どちらかと言うと(共演の)イェソンさんの方がコメディ要素が強かったので、そっちがいいな~、うらやましいなって(笑)。イェソンさんは外国である日本で演技をするということで、いろいろと悩まれることもあったとは思うんですけど、それでもそのコメディの演技を活き活きと、楽しそうにされていて。私ももっとコメディ寄りの演技をしてみたかったのですが、さくらはさくらの役割があるからと思って気持ちを抑えました(苦笑)。

――コメディをやりたいというのは、今、感じていることなんですよね?

佐々木:はい。
その想いが日に日に増していっています(笑)。もちろんシリアスな役や、地味目な役など、いろいろと他にも演じてみたい役はたくさんあるんですけど、コメディ作品でズボラな役とか、コロコロ表情が変わるような役を今一番演じてみたいなってと思っています。なにより、コメディは演じていて楽しいと思うんですよね。最近は(ドラマ)『THE LAST COP』(日テレ系)という作品に出ていることもあって、思いっきりコメディを演じている出演者の方々、とくに男性陣を見ていると、本当に楽しそうだなって。そういった環境も影響しているのかもしれないですけどね。

佐々木希 シングルマザーを演じて感じた思いを。「変わらない愛を与えられたら」/インタビュー

佐々木希 シングルマザーを演じて感じた思いを。「変わらない愛を与えられたら」/インタビュー


――今回、佐々木さんの相手役は、イェソンさんという、SUPER JUNIORというグループで歌を歌っている、韓国の方でしたが、一緒に演技をしてみていかがでしたか?

佐々木:スタッフさんも一緒ではありますが、一人で外国にいらして、それも主演ですので、私には計り知れないプレッシャーもあっただろうし、普段とは異なる環境ですので、いろいろと大変なことも多かったと思うんです。
でも、撮影初日にイェソンさんの方から「僕のことを“オッパ”(韓国で女性が年上の男性を親しみを込めて呼ぶときの呼び方。「お兄さん」という意味)って呼んで」って言ってくださって。そこでグッと距離が縮まりましたね。撮影現場は感情や雰囲気が伝染して、現場全体がそういった雰囲気になることもあるんですけど、イェソンさんが率先して親しみやすく、明るい雰囲気で接してくださったので、いい雰囲気で撮影をすることができました。グループでは皆さんから“兄さん”って呼ばれていると伺ったのですが、本当にお兄さんみたいな感じで。なんとなくそう呼ばれている理由がわかった気がしました。
大きな方だなって。

――希さんには韓国語のセリフがあり、イェソンさんには日本語のセリフがありましたよね。

佐々木:外国語だからと言ってセリフを正しく言うことだけに集中してしまうと、感情が入らなくなってしまうので、その点は気を使いました。ただ、セリフを覚えてはいてもちょっとしたイントネーションの違いなどもあるので、お互いに確認し合いましたが、外国語であることを意識しすぎることなく、お芝居ができたと思います。

――韓国語の勉強はどのようにされたんですか?

佐々木:とにかく、まずは録音されたセリフを聞いて、そのあと声に出して実際に話すことを何度もしました。大変でしたね(苦笑)。
ただ、現場ではイェソンさんも教えてくださいましたし、通訳の方もいてくださったので、ありがたかったです。

――ちなみに、ご自身の韓国語に自分で点数を付けるとしたら?(笑)

佐々木:点数ですか? 80点だと高過ぎだし、かと言って0と言っても違う気がしますし、難しいですね。五分五分の50点でお願いします(笑)。

――イェソンさんは歌手でもあるわけですが、ちょうどこのインタビューが始まる前に、劇中で歌っていた歌がすごく上手かったというお話をスタッフさんとされていましたね。

佐々木:そうなんです!上手なのはもちろんなんですけど、すごく心地良い声なんですよね。撮影中もときどき鼻歌を歌われていらしたんですけど、その声がまた素敵で。
心地良すぎて眠くなるというか(笑)。ささやくような心地良い歌声でした。

――現場で何か歌ってもらったりはしなかったんですか?

佐々木:さすがにそれは。プロの方に「歌って!」なんて言えないですよ(笑)。でも、その劇中で歌う歌を現場でよく練習されていたので、それは聴いていました。ロケバスでは私の前の席にイェソンさんが座られていたのですが、「すごい上手だな~」って後ろで聴きながら思っていました。その歌がイェソンさんの持ち歌のように感じられるほどに、原曲とはまた異なる良さを感じました。

――イェソンさんのファンからすると歌っている姿は普通ですが、希さんからすると、演技をされているイェソンさんが普通で、歌っているイェソンさんが意外に見えたりしませんでしたか?

佐々木:確かに、そう言われるとそうですね。撮影期間中にイェソンさんが出ているミュージック・ビデオを観せていただたいたのですが、目の前のイェソンさんとは全然イメージが違っていましたね。歌ったり、踊ったりするところを見せていただく機会が、撮影中はほとんどなかったので。でも、少しだけ踊るシーンがあったんです。それはちょっと面白いダンスなんですけど、そんなコミカルな動きですらすごかったです。目の前で見ることができたんですけど、そのときは「さすがだな」って思いました(笑)。

佐々木希 シングルマザーを演じて感じた思いを。「変わらない愛を与えられたら」/インタビュー

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「母親って本当に大変だと思います。そして、偉大だなって」

――さくらとヨンウンはゆっくり惹かれ合っていきますが、さくらはヨンウンのどんなところに惹かれたと思いますか?

佐々木:真面目で真っ直ぐなところだと思います。それから、ヨンウンは自分だけではなく、相手の子供のことも大切にしてくれるんです。さくらにとっては自分よりも子供の方が大切な存在ですから、そこに惹かれたんじゃないかなと思います。

――今作のようにゆっくり進んで行く恋愛をどう思いますか?

佐々木:大人っぽくていいと思います。一目惚れのように急展開に進む恋愛はどちらかと言うと若いときの方が多い気がするのですが、今作のようにじっくりとお互いの内面を見つめながら進んで行く恋愛は大人だなぁって思います。

――先程、ご自身でもおっしゃっていましたが、希さんは母親役を何度か演じられていますが、ご自身が母親になることについても考えたりはしますか?

佐々木:考えますね。毎回演じていて感じることですが、母親って本当に大変だと思います。そして、偉大だなって。子供はこちらの思い通りにはならないし、何を考えているかわからないことも多いじゃないですか。赤ちゃんだと話すこともできないですし。でも、母親は自分の子供が何をしたいのかわかるって言いますよね。私には想像もできないような「えっ、こんなことをして欲しいと思ってるの?」ということもわかっちゃう。すごいなぁと思います。

――理想の母親像はありますか?

佐々木:今回演じたさくらは素晴らしい女性だと思います。仕事しながら子育てしている姿は、本当に尊敬します。私が思い出す母親の姿も仕事をしているところですので、それもあってさくらにはすごく共感できました。演じている時も、過去に自分が母親からしてもらったことを思い出すこともありました。仕事もして、子育てもしてというのは、本当にすごいですよね。

――希さんにとって家族とはどんな存在ですか? そして、これから希さんが築くであろう、未来の家族についてはどんな理想を持っていますか?

佐々木:家族は大切で、守りたい存在です。いつか自分にもそういう機会がありましたら、私がそう感じたように自分の子供も感じてくれるような家族を作りたいと思います。私自身、自分が育ってきた環境を改めて考えると、すごく幸せに生きてこられたなと思うんです。最高の家族だと思っているので。私も今後できるかもしれない家族や、子供に対しては、自分が受けてきたような変わらない愛を与えられたらいいなと思いますね。

――今作は全編沖縄ロケというのも見所の一つだと思うのですが、沖縄での出来事で何か印象に残っていることはありますか? 撮影期間中に雪が降ったというのは、関係者の皆さんが話してはいますが(笑)。

佐々木:そうなんです。もう思い返すのは雪のことばかりです(笑)。想定外のことで、大変でした。でも、撮影の後半期間は徐々に暖かくもなりましたし、お休みの日にスタッフさんと一緒に琉球ガラスを作りに行ったり、鍾乳洞に行ったりしました。鍾乳洞は初体験で、すごく不思議な空間でしたね。それから、沖縄ということで海に行ったりもしたのですが、撮影のロケで観光地は訪れることができたので、それだけでも十分に楽しめました。

佐々木希 シングルマザーを演じて感じた思いを。「変わらない愛を与えられたら」/インタビュー

佐々木希 シングルマザーを演じて感じた思いを。「変わらない愛を与えられたら」/インタビュー

「いろいろなことに挑戦したいタイプ」

――物語の中でさくらはかなりのピンチに陥りますけど、希さん自身はピンチになったときはどんな対処をしますか?

佐々木:ピンチ……結構ありますね(笑)。ならないように心がけてはいるんですけど。例えば、お仕事のことだったら、NGを出してしまったりとかなんですが、一度そういう経験があると、そのときの記憶が蘇ってきてしまうんですよね。一連で長いシーンを撮影するときなどは特に、NGを出したらどうしよう!って不安になったりします。そういうときは自分を落ち着かせるために、「大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせます(笑)。あとは、近くにいる人とコミュニケーションを取って、普段の自分を取り戻したりして、とにかく、失敗を思い出さないようにします。って、思い出してしまうんですけどね(笑)。

――役を演じる上でインスピレーションを受けるために意識的していることって何かありますか? この作品の撮影中に本を読んでいる姿もお見かけしたんですが。

佐々木:(読書は)趣味ですね(笑)。演技のためにではなくて、単純に楽しくてハマっていました。湊かなえさんや、西加奈子さんの作品をよく読んでいましたね。

――読んでいて、これを実写化したらこの役やってみたいなとか。こんなふうに演じてみたいなとか、思うことはありますか?

佐々木:この役をやってみたいなっていうのは正直に言うとちょこちょこあります(笑)。でも、普段はそういったことは考えずに読んでいます。お仕事をいただいてからその原作を読んだり、読み返したりするときは、考えますけれど。例えばマンガ原作の作品でしたら、この動きはインプットしておかなくちゃとか。でも、その分、普段は何も考えずに読書を楽しんでしまっています。

――では、演じる仕事をしているから、こういうこともしようみたいなことはそんなにしていないんですか?

佐々木:意識はしていないです。でも、もともと行動派というか、いろいろなことに挑戦したいタイプではあるので、何かのためにと思うよりも前に思い立ったらすぐに動いてしまうんです。

≪映画情報≫
映画『いきなり先生になったボクが彼女に恋をした』
11月3日(木・祝)より全国ロードショー
監督:朝原雄三
主題歌:SUPER JUNIOR-YESUNG「雨のち晴れの空の色」
主演:イェソン(SUPER JUNIOR) 佐々木希

映画『いきなり先生になったボクが彼女に恋をした』 オフィシャルサイト
佐々木希 オフィシャルブログ
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