フェラーリ、ポルシェ、マセラッティと数々の外車を乗り継ぎ、レースサーキットでブイブイ言わせていた岡林は思いっきり納得いかない。……ということで、ブチ切れた岡林は「やすらぎの郷」への訪問者が乗ってきていたハマーを盗み、高速道路を爆走! しかも逆走!
おそらくCGでの合成だとは思うのだが、パバロッティの「誰も寝てはならぬ」をBGMに、パトカーをぶっちぎりながら高速道路をガンガン逆走するシーンはメチャクチャ格好よかった。
結局、警察に捕まってしまったものの、「やすらぎの郷」の政治力で「認知症による一種の徘徊」ということでウヤムヤにしてしまう。……恐ろしい組織だ、「やすらぎの郷」!
高齢者による暴走事故が問題となっていることもあり、その辺を深掘りするのかな……と思いきや、アッサリと終わってしまったこのエピソード。何のために出てきたのかというと……たぶん、倉本聰自身が高齢者講習を受けさせられて、菊村が言っていたように「幼稚園の試験じゃあるまいし、バカにするな」と思い、うっぷん晴らしのために書いたエピソードだったんじゃないかと。
同じように高齢者講習を受け、「オレはお前らよりも何十年も長く運転してるんだぞ!」という思いを抱いているシニア層にとっては胸がスーッとする展開だったのではないだろうか。……現実に高速道路であんな暴走バアちゃんと遭遇したら恐怖でしかないけど。