英ケンタッキーフライドチキンで休業店舗続出 現地の様子は？

「ケンタッキーフライドチキン」なのにチキンがない！　
イギリスのケンタッキーフライドチキン（KFC）では、今チキンがないために国内の多くの店舗で営業ができなくなっている。理由は配送業者を変更したことにより起きた配送の不具合だ。

チキンはないけどビーフならある

ないと言われれば食べたくなるのが人の性……。早速エキサイト記者の一人が英オックスフォード市内中心地の表通りであるコーンマーケット・ストリートにある主要店舗へ行ってみると、ここも閉鎖されていた。

入口には「配送業者を新しくした初期の問題により、新鮮なチキンを900店舗に届けることがかなり難しくなっています。質は妥協できないためイギリスにあるいくつかの店舗を閉じています」と閉店理由が書かれた紙が貼られていた。店自体は営業していないが、店内の奥には明かりが灯され、何か作業はしていた。

ちょうど店舗関係者が出入りしていたため、「チキンまったくないですか？」と聞いてみると「ビーフバーガーならあるぜ」と皮肉交じりの返答(KFCではビーフバーガーを扱っていない)。しばらく店舗の前で様子を見ていると、KFC目当てに客は次々と訪れるものの、扉に貼られた張り紙から事態を理解し、残念そうに店から去っていった。

ニュースを聞きつけた通行人が、閉店したKFCの様子を通りすがりに興味本位でうかがう様子もあった。静まり返ったKFCの一方で、斜向いのファーストフード店「バーガーキング」はその分大繁盛しているように見えた。

今週イギリスではKFCは我慢

英BBCによれば、チキンの配送は今月13日までは食品専門配送業者であるビドベストが請け負っていたが、それ以降は新たにDHLが担当していた。そのDHLの配送の不具合が今回の結果になった。

今月19日夕方の時点では900店舗中575店舗が閉鎖。改善はされるものの、この状況は今週いっぱいまで続くと予想されている。開店中の店舗も通常よりメニューを減らして営業する。

現在KFCは、公式ウェブサイトにおいて開店中の店舗のリストを載せている。現時点では、全店舗が復旧するまでの具体的な回答はまだ出ておらず、イギリスのKFCファンにとっては、もう少しの間、辛抱が必要になりそうだ。
（ケンディアナ・ジョーンズ／加藤亨延）