人狼ゲーム+ハイジャック+テロ+脱出ゲームのサスペンス山盛り映画だ。
B級感もあって、テレビで観るのに最適なNON-STOP映画である。

航空保安官のビル・マークスが乗り込んだのはニューヨーク行きの飛行機。
離陸後すぐに、マークスの携帯電話にメッセージが入る。
「指定口座に1億5千万ドル送金しなければ20分ごとに機内の誰かを殺害する」
差出人は不明。
マークスは、捜査に乗り出す。
だが、調べてもらった指定口座の名義は自分のものだった!
乗客がたくさんいる飛行機内でどうやって殺人を起こすのだろうか?
と思っていたら、驚きの方法で、殺人が発生。
見えない凶悪犯の巧妙な罠にひっかかりマークスは、国土保安省からテロリストだと勘違いされてしまう。
146人、乗客全員が容疑者。
20分に一度起きる殺人事件。
12000m上空の密室。
しかも、主人公の航空保安官マークスは、トイレで隠れてタバコ吸ったり、任務中に飲んだくれてる信用できない男だ。
「もう何が起こっても驚かないぞ」って設定のなかで、まあ、驚いたり呆れたりの連続大どんでん返し大アクションが繰り広げられる。
監督は、ジャウマ・コレット=セラ。
航空保安官マークスを演じるのは、リーアム・ニーソン。
コレット=セラ監督とリーアム・ニーソンは、サイコスリラー『アンノウン』、アクションスリラー映画『ラン・オールナイト』などでコンビを組んでいる大の仲良し。
今度公開されるアクション映画『トレイン・ミッション』も、コレット=セラ+リーアム・ニーソンのタッグだ。
カメラは、飛行機内からほとんど出ない。
管制官とのやりとりも、管制官側に映像は切り替わらない徹底ぷり。
狭いトイレでの格闘シーンも、狭さを利用してむちゃむちゃ暴れまくり。
怪しい人物、追い詰められる主人公、絡まり合う人間関係、限られた空間内で繰り広げられるサスペンス・ディザスター・ムービーだ。
ハラハラドキドキ、ときにツッコんだり笑ったりしながら楽しめる傑作だよ。
(米光一成)