脚本:福田 靖
演出:渡邉良雄
音楽:川井憲次
キャスト:安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平、
桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功ほか
語り:芦田愛菜
主題歌:DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括:真鍋 斎

連続テレビ小説 まんぷく Part1
11話のあらすじ
突如、咲(内田有紀)の病状は悪化し「キトク」という電報が今井家に届いた。
病院にかけつけた福子(安藤サクラ)、克子(松下奈緒)、鈴(松坂慶子)、真一(大谷亮平)、忠彦(要潤)たちに見守られながら咲は逝く。
咲姉ちゃん、亡くなる
見る人が哀しい気持ちになることを避けようとするからか、最近のドラマは死の瞬間をあまり描かず、ナレーションで事後説明(ナレ死)することも増えた。
今回は、結核にかかった咲が病院で一進一退を繰り返し、皆に惜しまれつつ亡くなっていく様子を時間をかけて描いた。
最後まで、死なないでと祈るように見つめ、声をかける家族たち。
内田有紀がこの役のためかかなり顔がこけていて、整った美しい顔がよけいに美しく見える。
苦しい息の下で皆に「ごめんなさい」と「ありがとう」だけ言って亡くなってしまう。
哀しい回だった。
輪をかけて哀しいのが、
先週の火曜日に姉が亡くなりました、と萬平(長谷川博己)に福子が報告に行くところ。
桜の花がちらほら舞うなか、たぶん、お葬式などを終えてから報告に来たのだろう。「いい病院を紹介してくださったのに ほんとうにお世話になりました」と礼を言うと去っていく。着てる服が明るい色なのが切ない。
「不安だから会いたい」と10話で語られていたから、ほんとうはもっと萬平にすがって泣きたいところであろうが、そうしない。萬平さんもぐっと引き寄せ抱きしめたりしない。
この禁欲的な感じが戦前の男と女の姿なのか。
余談ではあるが、昼の再放送前に「BS コンシェルジュ」に西島秀俊が出演ドラマ「マリオ〜AIのゆくえ〜」(13日9時からBSプレミアムで放送)の宣伝をしていた。「とと姉ちゃん」で西島が演じたお父さんも死因は結核。亡くなったのは5話と「まんぷく」より一週早いが、同じ金曜日であった。
一時期、朝ドラで主要人物が亡くなるのは金曜日が多く、このへんも今回「まんぷく」は伝統を受け継いでいる。
ふたつのモテ期
哀しい話が主の11話だが、それだけだと辛いからか、ふたつのモテ期が描かれた。
ひとつは、萬平。
加地谷(片岡愛之助)とは最近コミュニケーションがとれていない萬平だったが、代わりに世良(桐谷健太)が接近してくる。
電話して昼飯に誘い(またラーメン)、いろいろ語った末、面食らっている萬平に「一緒に昼飯食うのに理由がいるんか」と言う世良。
完全に、加地谷、世良、萬平の三角関係である。
もうひとつは、保科恵(橋本マナミ)。
野呂(藤山扇治郎)には「気持ちは言葉にせな伝わらへん」とチェリーの缶詰をもらい、牧善之助(浜野謙太)には「運命を感じたんです」と告白される(外で白馬蘭丸のいななき)。
どうなる、保科さん。
午前中、Twitterトレンドには「野呂さん」と「保科さん」が入っていた。
今期は朝ドラはほんまに牧歌的や。
(木俣冬)
連続テレビ小説「まんぷく」
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~
朝ドラ「べっぴんさん」もBS プレミアムで月〜土、朝7時15分から再放送中。
「べっぴんさん」第11話レビューはコチラ