第13週「生きてさえいれば」 第73回 12月24日(月)放送より
脚本:福田 靖 
演出:安達もじり
音楽:川井憲次
キャスト:安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平、
     桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功、瀬戸康史ほか
語り:芦田愛菜
主題歌:DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括:真鍋 斎
「まんぷく」73話。三田村の遺言「生きてさえいれば希望はあるということや」
イラストと文/木俣冬

73話のあらすじ


年明け、昭和24年、鈴(松坂慶子)と福子(安藤サクラ)は再び香田家に世話になることになった。
会社の人たちとの別れ、泉大津の人たちとの別れ……。
そして、世話になった三田村(橋爪功)の別れが待っていた。


生まれ変わり


臨月ながら福子は東京と大阪を行った来たり。
萬平(長谷川博己)は次の子の名前を、男の子なら太(東太一からもらって)、女の子なら幸かと考えていた。
福子と合わせて「幸福」。
「じゃあ立花幸でいいんだね」(源のときはいろいろ揉めたので)
すでにもう女の子が生まれる気持ちになっている。

余命間もない三田村はもうすぐ福子に子供が生まれると聞き「わしの生まれ変わりかも」とふざける。
男の子だったら、そうだったかもだが……。
いやいや、女の子でも三田村の生まれ変わりだったら面白い。

「生きてさえいれば希望はあるということや」


三田村は自分の死期を悟り、さばさばしている。
福子とふたりになって、
「生きてさえいれば希望はあるということや」「どんなことがあっても笑てなさいよ」と遺言のようなものを残す。
その3日後、三田村は息を引き取った。

橋爪功が飄々と人生を悟りきった人を演じていて、その含蓄は拝みたくなるほど。
インタビューやトーク番組でもいつもさらりとかわし、本音を言わず、冗談で笑わせる。でも仕事は完璧。
そういう人に「どんなことがあっても笑てなさいよ」と言われたら、ほんとに、と思う。

名言の価値は言葉そのものじゃなくて、言った人の歴史込みだとしみじみ思った場面。

三田村さん、四の五の言わずに、便宜はかってくれたり、大金ぽん!と出してくれたり、いろんな人を紹介してくれたり、万能キャラだったのに、いなくなってしまうと、これからドラマはどうなるのか。
新たなお助けキャラが登場するのか、気になる。

「決まりなんかあってないようなもんや」


財務局はGHQから多大な税金取り立ての目標額を押し付けられていた。
局員・増岡丈治(菅原大吉)は、たちばな栄養食品から税金をとれなかったことを責められ、困ってしまう。

東(菅田将暉)は会社をたたんで税金を逃れたと安心しているが、
「いまの世の中何がおこるかわからんぞ先生」
「決まりなんかあってないようなもんや」と不敵なことを言う世良(桐谷健太)。

おお、さすが、世良。「決まりなんかあってないようなもんや」とは期待を裏切らない。
世の中の秩序を転倒させる役割の人であり、今回は、予言者の役割を果たした。
やっぱり世良はジョーカーである。

福子が皇后陛下に見える


さて、先日、天皇陛下がお誕生日に会見をされて、そのお言葉が全文、公表されていたのを読んで、私はここに注目した。
“結婚以来皇后は,常に私と歩みを共にし,私の考えを理解し,私の立場と務めを支えてきてくれました。”
福子もこんな感じなんだろう。
だからこそ、彼女を支持する層も相当数いるのだと思う。

(イラストと文/木俣冬)

連続テレビ小説「まんぷく」
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~

朝夕、本放送も再放送も オールBK制作朝ドラ


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