第12週「絶対何とかなるから！」 第71回 12月21日（金）放送より
脚本：福田 靖
演出：渡邊良雄
音楽：川井憲次
キャスト：安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平、
桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功、瀬戸康史ほか
語り：芦田愛菜
主題歌：DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括：真鍋 斎
追徴課税10万円の不当な請求に対抗する策として会社を解散することを決めた萬平（長谷川博己）。
福子は会社の権利の譲渡先を三田村（橋爪功）から紹介してもらうことにするが、三田村は入院していた。
「ゴーンの再逮捕」のニュースを見ると、萬平さんを思い出してしまう。無論、萬平さんは悪くないんだが。
会社を解散することを決めたはいいが、権利の譲渡先をどうするか福子と真一が悩む。
福子「三田村さんに相談したほうがいいですよね」
真一「ああ、大阪商工会会長やった」
福子「今まで何度もお世話になってきました」
以下、三田村がどんな役割だったか、すぐに思い出せない視聴者、最近、見始めて知らない視聴者に説明するがごとく過去を回想する福子。
真一「投資してくれたってことは会社がなくなることを真っ先に伝えないといけない人やないか」
福子「そや…」（しまった〜という仕草）
今更そこか……というようなこういうやりとりが段取りくさすぎていまひとつ洗練されてないと感じる人と、文句を言うなら見なければいいという人がいる。まあまあそこはスルーして、ドラマを見進めると……、
萬平と剛田（イッセー尾形）のやりとりは面白い。71話はここに力を入れたのだろう。
会社をなくして新しいことをはじめなくてはと思い「新しいこと新しいこと」と重労働の最中、ぶつくさ言っている萬平に、念仏みたいとからかう剛田。
そこになぜかくしゃみでワンクッションいれて（もしかして、このヒゲ、チャップリンじゃなくてカトちゃん？）から、「近いうちに転機がくるよ」とさすがの占い師的発言をする。
その後、萬平がダネイホンの看板に似ていると言い出す剛田。「今頃それを言うって……」と唖然となる萬平。
「今頃それ」が先の福子と真一のやりとりに呼応しているようにも思えるが偶然だろうか。
ともあれ、ふたりのやりとりを上からの引きで映すことで、なんだか奇妙な余韻が生まれた。
東といい剛田といい「まずは君が落ち着け」とペットボトルを差し出す人（シン・ゴジラより）がいると萬平はカーっとならずに落ち着きを取り戻せるのだ。
なお、占いに関しては「どの占い師も誰もそんなこと（会社が潰れること）言わなかった。萬平さんが大器晩成いうの嘘や〜〜」と鈴（松坂慶子）が泣くところで、占いは具体的なことは言わず「大器晩成」という漠然とした先の希望を与えることで現在の悩みを曖昧にすることも多く、決して万能ではないことをさりげなく伝えている。
東も東京から大阪に来て（わざわざ「道に迷ってしまって」という一言を加えている）、一緒に三田村の入院先へ向かう福子。
病院には、世良（桐谷健太）がいる。世良のいいところは、病気で余命いくばくもなく、社長職も退いた人物でもう得にならないにもかかわらずちゃんと一緒にいるところだ。世良を出したい都合（「世良くんから話しは聞いた」とこれまでの説明を省く）がたまたま、世良の人物像を深めることになる。もしかしたら、なにかしら分前をもらおうとしているのかもしれないが。
ここでまた「ダネイホンが売れたときに4万（貸したのは3万）にして返してもらった」と唐突な台詞が入る。
こういうやりとりが段取りくさすぎていまひとつ洗練されてないと感じる人と、文句を言うなら見なければいいという人がいる。まあまあそこはスルーして、ドラマを見進めると……、
三田村は東とふたりきりで話すシーンが良い。
東は「でも国とケンカするんです」と言う。そのためには思い切ったことをやらないといけないと。
基本、目を反らしがちなナイーブな人物が、きちっと三田村の目を見て話す。
彼の真剣な考えに「君はええ弁護士になるな」といい、最後の仕事として、立花栄養食品の譲渡先を紹介する。福子の涙の訴えや萬平の先見の明に何かを感じて、捕まった萬平を救ったり、お金を貸してくれたりしてきた三田村。
大多数の意見に流されず、小さなキラリと光る可能性に目を向けて、手を差し伸べる。
こういう人がいると救われる。
「これが私の最後の仕事になるな」と自分の寿命を悟っている三田村。
上の世代が下の世代に道を作るべきというメッセージを勝手に感じて胸を熱くした。
三田村の病のことを知って、涙する福子。
「なんでこんなつらいことばっかり」
福子は今週、ずっと泣いている。
「福ちゃんにはぎょうさん味方がおるんや」と励ます世良。ほんと、助けてくれる人がいっぱいいていいなあ。
世良と福子のやりとりも斜め上から引きで撮ったカット。萬平と福子が離れていてもつながっているような画の呼応だった。
（イラストと文／木俣冬）
連続テレビ小説「まんぷく」
◯NHK総合 月～土 朝8時～、再放送 午後0時45分～
◯BSプレミアム 月～土 あさ7時30分～ 再放送 午後11時30分～
◯１週間まとめ放送 土曜9時30分～
「べっぴんさん」 BS プレミアムで月〜土、朝7時15分から再放送中。
幽霊出た！
71話
「あさが来た」 月〜金 総合夕方4時20分〜2話ずつ再放送
新次郎とふゆが急接近？
43話
44話
脚本：福田 靖
演出：渡邊良雄
音楽：川井憲次
キャスト：安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平、
桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功、瀬戸康史ほか
語り：芦田愛菜
主題歌：DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括：真鍋 斎
イラストと文／木俣冬
71話のあらすじ
追徴課税10万円の不当な請求に対抗する策として会社を解散することを決めた萬平（長谷川博己）。
福子は会社の権利の譲渡先を三田村（橋爪功）から紹介してもらうことにするが、三田村は入院していた。
「今頃それを言うって……」
「ゴーンの再逮捕」のニュースを見ると、萬平さんを思い出してしまう。無論、萬平さんは悪くないんだが。
会社を解散することを決めたはいいが、権利の譲渡先をどうするか福子と真一が悩む。
福子「三田村さんに相談したほうがいいですよね」
真一「ああ、大阪商工会会長やった」
福子「今まで何度もお世話になってきました」
以下、三田村がどんな役割だったか、すぐに思い出せない視聴者、最近、見始めて知らない視聴者に説明するがごとく過去を回想する福子。
真一「投資してくれたってことは会社がなくなることを真っ先に伝えないといけない人やないか」
福子「そや…」（しまった〜という仕草）
今更そこか……というようなこういうやりとりが段取りくさすぎていまひとつ洗練されてないと感じる人と、文句を言うなら見なければいいという人がいる。まあまあそこはスルーして、ドラマを見進めると……、
萬平と剛田（イッセー尾形）のやりとりは面白い。71話はここに力を入れたのだろう。
会社をなくして新しいことをはじめなくてはと思い「新しいこと新しいこと」と重労働の最中、ぶつくさ言っている萬平に、念仏みたいとからかう剛田。
そこになぜかくしゃみでワンクッションいれて（もしかして、このヒゲ、チャップリンじゃなくてカトちゃん？）から、「近いうちに転機がくるよ」とさすがの占い師的発言をする。
その後、萬平がダネイホンの看板に似ていると言い出す剛田。「今頃それを言うって……」と唖然となる萬平。
「今頃それ」が先の福子と真一のやりとりに呼応しているようにも思えるが偶然だろうか。
ともあれ、ふたりのやりとりを上からの引きで映すことで、なんだか奇妙な余韻が生まれた。
東といい剛田といい「まずは君が落ち着け」とペットボトルを差し出す人（シン・ゴジラより）がいると萬平はカーっとならずに落ち着きを取り戻せるのだ。
なお、占いに関しては「どの占い師も誰もそんなこと（会社が潰れること）言わなかった。萬平さんが大器晩成いうの嘘や〜〜」と鈴（松坂慶子）が泣くところで、占いは具体的なことは言わず「大器晩成」という漠然とした先の希望を与えることで現在の悩みを曖昧にすることも多く、決して万能ではないことをさりげなく伝えている。
「これが私の最後の仕事になるな」
東も東京から大阪に来て（わざわざ「道に迷ってしまって」という一言を加えている）、一緒に三田村の入院先へ向かう福子。
病院には、世良（桐谷健太）がいる。世良のいいところは、病気で余命いくばくもなく、社長職も退いた人物でもう得にならないにもかかわらずちゃんと一緒にいるところだ。世良を出したい都合（「世良くんから話しは聞いた」とこれまでの説明を省く）がたまたま、世良の人物像を深めることになる。もしかしたら、なにかしら分前をもらおうとしているのかもしれないが。
ここでまた「ダネイホンが売れたときに4万（貸したのは3万）にして返してもらった」と唐突な台詞が入る。
こういうやりとりが段取りくさすぎていまひとつ洗練されてないと感じる人と、文句を言うなら見なければいいという人がいる。まあまあそこはスルーして、ドラマを見進めると……、
三田村は東とふたりきりで話すシーンが良い。
東は「でも国とケンカするんです」と言う。そのためには思い切ったことをやらないといけないと。
基本、目を反らしがちなナイーブな人物が、きちっと三田村の目を見て話す。
彼の真剣な考えに「君はええ弁護士になるな」といい、最後の仕事として、立花栄養食品の譲渡先を紹介する。福子の涙の訴えや萬平の先見の明に何かを感じて、捕まった萬平を救ったり、お金を貸してくれたりしてきた三田村。
大多数の意見に流されず、小さなキラリと光る可能性に目を向けて、手を差し伸べる。
こういう人がいると救われる。
「これが私の最後の仕事になるな」と自分の寿命を悟っている三田村。
上の世代が下の世代に道を作るべきというメッセージを勝手に感じて胸を熱くした。
三田村の病のことを知って、涙する福子。
「なんでこんなつらいことばっかり」
福子は今週、ずっと泣いている。
「福ちゃんにはぎょうさん味方がおるんや」と励ます世良。ほんと、助けてくれる人がいっぱいいていいなあ。
世良と福子のやりとりも斜め上から引きで撮ったカット。萬平と福子が離れていてもつながっているような画の呼応だった。
今週の演出は、チーフディレクター渡邊良雄さん！
（イラストと文／木俣冬）
連続テレビ小説「まんぷく」
◯NHK総合 月～土 朝8時～、再放送 午後0時45分～
◯BSプレミアム 月～土 あさ7時30分～ 再放送 午後11時30分～
◯１週間まとめ放送 土曜9時30分～
朝夕、本放送も再放送も オールBK制作朝ドラ
「べっぴんさん」 BS プレミアムで月〜土、朝7時15分から再放送中。
幽霊出た！
71話
「あさが来た」 月〜金 総合夕方4時20分〜2話ずつ再放送
新次郎とふゆが急接近？
43話
44話
