高畑充希主演のTBS「メゾン・ド・ポリス」毎週金曜22時〜)第9話の視聴率は、少し盛り返して9.4%。裏で『カメラを止めるな!』があったわりにはだいぶ健闘。
さすがは最終回直前だ。

「メゾン・ド・ポリス」は、夏目惣一郎(西島秀俊)、伊達有嗣(近藤正臣)、迫田保(角野卓造)、藤堂雅人(野口五郎)、高平厚彦(小日向文世)という退職警察官だけが住むシェアハウス「メゾン・ド・ポリス」の住人に振り回されながら、新米刑事の牧野ひより(高畑充希)が難事件に挑む一話完結の刑事ドラマ。
高畑充希「メゾン・ド・ポリス」むちゃくちゃするじゃん、佐野史郎!今夜最終回
イラスト/Morimori no moRi

不審死事件


前回の8話で一致団結したシェアハウスのおじさんとひより。そこに、フリージャーナリストの館林真琴(東風万智子)とその小学生の娘・桃香(住田萌乃)、事件で夫を亡くした池原美砂(荻野友里)が加わり、いざ、高遠建設事件の解決へ。自殺で片付けられたひよりの父・牧野尚人(水橋研二)、市野沢譲(税所伊久麿)、池原慎吾(関幸治)という高遠建設に勤めていた3人が不審死を遂げた事件だ。

冒頭からエンディングテーマWANIMAの「アゲイン」とスタッフロールが流れ、ダイジェスト風にひよりらの活躍が描かれた。前話からそれなりに時間が経過して、事件の捜査は着々と進んでいます!といった雰囲気だ。


真琴が警視庁から天下りした高遠建設常務取締役の野間(佐野史郎)と、暴力団・青戸組のフロント企業・青幸興行社長の大黒(中野英雄)の密会写真の撮影に成功。ひよりたちは、不正会計を経理部の市野沢と池原に処理させ、その口封じとして殺したのではないかと仮説を立てた。

ドンドン事件の真相に迫る「メゾン・ド・ポリス」メンバー。表情や仕草もなんだかイケイケだ。しかし、ここから野間と大黒が悪人ぶりを発揮する。

佐野史郎がむちゃくちゃする


手始めにと、捜査帰りのひより、夏目、迫田を部下の若林(笠松将)たちに襲わせる。そこそこ周りに人がいるというのに、目出し帽に警棒と言い逃れができないスタイルで思いっきり暴行。
これでも捕まらないなんて、いったいどれだけ野間は警察に影響力を持っているのだろう。

続いて若林は、藤堂の研究室に部下を忍び込み、置いて合った薬品に持ち込んだ薬品を混ぜ、爆発させて藤堂に大怪我を負わせる。まぁ、藤堂が研究室にいるタイミングと、薬品が爆発するタイミングがピッタリ過ぎなのは置いておいたとしても、爆発事故はあまりにも派手。野間は、かなり大きな事件でも揉み消すことができるようだ。

他にも、亡くなった市野沢の妻・和子を交通事故に見せかけて始末。部下の若林を殺して夏目と迫田に罪を着せさせようとしたり、娘を使って高平を脅すなど、「メゾン・ド・ポリス」のメンバーをバラバラにするために、野間はもなんでもやってくる。
ここまでするなら直接殺してしまったほうが楽な気がするのだが、そこは伊達に対する敬意なのだろうか?

伊達マジでしっかりしてくれ


これまで伊達は、「メゾン・ド・ポリス」の中で絶対的な存在感を保っていた。言うこと成すことが意味ありげで、いつでも正解を持ち続けている。事件発生直後から「伊達は事件の全てを知っているんじゃないか?」と思わせるほど、特別な存在だった。

なのに今話の伊達ときたら、野間に言葉巧みに車に乗せられ、やりたくもないチェスで勝負して、当然のごとく惨敗。挙げ句、「相手をバラバラにして、徐々に駒を奪う」と「メゾン・ド・ポリス」のメンバーをチェスの駒に例えたなんだか上手いことまで言われてしまう始末。本当にしっかりしてほしい。


これでもかというくらいボコボコにされてしまった「メゾン・ド・ポリス」のおじさんたち。一体最終回の1時間でどうやって逆転するのか興味深いところだが、その際は伊達の活躍を期待したい。草介(竜星涼)が何か大きな仕事をするのは間違いないが、まずは伊達。伊達が名誉を挽回しないと、ハッピーエンドは訪れない。
(沢野奈津夫)

「メゾン・ド・ポリス」
金曜 22:00〜21:54 TBS系

キャスト:高畑充希、西島秀俊、近藤正臣、角野卓造、野口五郎、小日向文世、西田尚美など

原作:加藤実秋「メゾン・ド・ポリス」シリーズ
脚本:黒岩 勉
演出:佐藤祐市、城宝秀則
主題歌:WANIMA「アゲイン」