TBS日曜劇場『グッドワイフ』(公式)、3月17日第10話はいよいよ最終回「最後の審判」。

先週は、第9話「堕ちた正義」。

ガーーーン。
前回、“ここまでミエミエの展開はないだろう”とベタな展開予想を書いた。
そして、そのとおりの展開になってしまった。

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多田は受け取った書類と違う書類を渡している。
「奥様との仲が修復するのを妨害したい」わけではなく、佐々木が裏切り者だと気づいた二人の策略だ。
二重スパイの佐々木に、まんまと書類を手に入れたと思わせたいがための演技。

なので真の書類は多田と壮一郎がちゃんと持っていて、裁判で提出されるのだ。
というのが、いちばん頭を使わずに考えた場合の顛末で、さすがにここまでミエミエの展開はないだろう。
ワクワクできる予想外の展開が繰り広げられることを期待する。
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さすがに、無理があるミエミエの展開だということはじゅうじゅう承知のようで、あっというま最初の5分間で、ダイジェストのように説明セリフで全部やっつけてしまった。
裁判シーンもなし。
何があったんだろう?
急に1話減ったのか。
展開の矛盾を収拾できなくなったのか。出演スケジュールを間違えていたのか。
重要キャラクターであった南原次郎(三遊亭円楽)と佐々木達也(滝藤賢一)をそうそうに退場させた。

しかも、佐々木は、いきなりの自殺。
雨が降って、涙ながらに何かを語れば、物語の整合性はなんのその。
蓮見壮一郎(唐沢寿明)は、帰宅して、「佐々木が死んだよ」と妻に報告。

眼の前で人が自殺しても警察には連絡せず? 事情聴取もなし?
いや、それどころか、駆け寄りもしなかった。
裏切られたショックも、ともに戦ってきた仲間が死んだショックも描かれることなく、物語は飛ぶように進んでいく。

信じるわけないよ……


このあと、夫と女友達の過去の浮気がショックで蓮見杏子が泣く。そこだけ切り取れば、常盤貴子の熱演で名場面なのかもしれないが、「えーと、いっしょに戦ってた仲間が死んだときはケロっとしてたのに……」という思いでノレず。
「グッドワイフ」冒頭5分で重要キャラ突然の自殺&逮捕のトンデモ展開。裏で何かあったの?今夜最終回
イラストと文/米光一成

しかも、浮気の真相を伝えるのは、脇坂博道(吉田鋼太郎)である。
さんざん汚い嘘で夫を陥れた男からの情報だ。

信じる? 信じるわけないよ。
と思ったら、信じちゃうのだ。
夫に真相を問う前に、夫の荷物を箱に詰めて、夫を追い出す準備をしてしまう。
この前、夫の不倫がデッチアゲで、夫は潔白だと杏子は信じたのにもかかわらず。
「夫も認めていた不倫が実は薬を飲まされただけで何もなかった」という信じがたい事実を何の証拠もなしに信じちゃったのに。
なのに、その経験はなかったかのように、夫を陥れようとしている男の喋りと写真(合成で簡単に作れちゃう)だけで、夫の浮気を確信してしまう。


最終回直前で盛り上がりに盛り上がって、佐々木達也(遠藤賢一)、蓮見杏子(常盤貴子)、蓮見壮一郎(唐沢寿明)、多田征大(小泉孝太郎)、みんな熱演しているのに、なんてもったいない。

どうしてこうなっちゃたのか。
ドラマの裏側で何があったのか。
物語の展開よりも、そっちの真相のほうが気になる。

次、最終回。
どうなっちゃうてんだよという興味で観ます。
(テキスト:米光一成

日本版:Paraviで配信中TVer最新話配信
アメリカ版:AmazonPrimeで配信中

チーフプロデュース 瀬戸口克陽
プロデュース 東仲恵吾
演出 塚原あゆ子
脚本 篠崎絵里子
主題歌 BUMP OF CHICKEN「Aurora」
制作 CBS Corporation、TBS

蓮見杏子(常盤貴子)
多田征大(小泉孝太郎)
円香みちる(水原希子)
朝飛光太郎(北村匠海)
小宮竹生(野間口徹)
戸梶涼太(中林大樹)
佐竹凛子(末永みゆ)
蓮見隼人(小林喜日)
蓮見綾香(安藤美優)
佐々木達也(滝藤賢一)
蓮見幸枝(高林由紀子)
林幹夫(博多華丸)
神山佳恵(賀来千香子)
脇坂博道(吉田鋼太郎)
蓮見壮一郎(唐沢寿明)
木内幸久(丸山智己)
上森孝明(松尾貴史)
宮前文昭(春海四方)