TBS日曜劇場『グッドワイフ』(公式)、2月23日よる9時から第7話。
浜野謙太演じるITカリスマ社長が、勝手に自分をモデルに映画が作られ名誉を毀損されたと訴える回。

映画のプロデューサーを田中要次が演じ、秋元康プロデュース「劇団4ドル50セント」劇団員の安倍乙もゲスト出演する。
日曜劇場「グッドワイフ」小泉孝太郎「ずっと好きだった」唐沢寿明に愛を告白してしまった驚愕の6話
「Good Wife: the Final Season」販売元: Paramount

先週の第6話「崖っぷちの選択」、ラストいよいよ盛り上がってきました。
事件は、賠償金15億円を見込める健康被害に対する集団訴訟。
春風亭昇太が、車椅子弁護士を熱演した。
原作版の『The Good Wife』では、神経の症状を患っている弁護士を『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のマイケル・J・フォックスが演じており、彼自身のパーキンソン病が役の上に投影されていた。
シーズン2の第6話の「華麗なる駆け引き」(抗うつ薬による自殺の集団訴訟)と第13話「償いの値段」(農薬により流産や不妊に苦しむ女性たちの集団訴訟)をベースに、マイルドに翻案されていた。

原作『The Good Wife』は、ビビッドな現実を想起させる事件を扱って、現実の政治についても真正面からネタにする醍醐味がある。
現実を果敢に食い破ろうとする面白さを、日本の地上波ドラマで望むのは酷だろうか。
日曜劇場「グッドワイフ」小泉孝太郎「ずっと好きだった」唐沢寿明に愛を告白してしまった驚愕の6話
アメリカ版『The Good Wife』にはスピンオフがある。
女上司(日本版では賀来千香子が演じている役)を主人公にした『The Good fight』。
1話のしょっぱなのシーンは、トランプの大統領就任演説を観ながら呆然としている主人公の顔ではじまる。

Amazonプライムビデオにて配信中

ずっと好きだった


一方、ラブロマンスのパートは、日本版ならではの面白さが発揮された。

日本版第6話、ラスト。
汚職疑惑で勾留されていた蓮見壮一郎(唐沢寿明)が、保釈され記者会見を開く。
それをテレビの生中継でみている多田政大(小泉孝太郎)。
BUMP OF CHICKEN「Aurora」が流れるなか、携帯を手に取る小泉孝太郎。


かけようとしている相手は、蓮見杏子(常盤貴子)だ。今まさにテレビに映っていて、不倫について問いただされている唐沢さんの横に立っている。

いやいや、まてまて。いくら思いが高まったとはいえ、記者会見いましてる人に電話しちゃダメだよ(そもそも出ないよ)!
思いとどまる多田(小泉孝太郎)。
ここまで6話かけて、多田(小泉孝太郎)、壮一郎(唐沢寿明)、杏子(常盤貴子)の三角関係を描いてきた。
多田は上司でありながら、杏子の同窓生。
ずっと思っている相手だ。
いっぽう壮一郎は杏子の夫。だが、汚職疑惑で勾留された。
しかも、汚職は冤罪なんだよと弁明するが、不倫は認めてしまっている。という夫という立場はありながらも、状況的にはアウトに追い込まれている。

毅然とした態度で記者会見をする壮一郎と杏子。

記者会見が終わった瞬間に、多田が電話。
いや、まだはやいでしょ。
案の定、留守録につながる。
だが、その携帯をつかむ手がある。
多田「自分の気持ちに嘘をついて生きていくのはもういやだ」
カメラは、記者にまだつかまっている杏子を遠くになめながら、パンして、携帯を手に持つ唐沢さんの顔のどアップ!
多田「ずっと好きだった」
小泉孝太郎、唐沢寿明に愛の告白である。
しまった。

興奮して役名でなく演者名で書いてしまった。

これは、良かった。

ぎゅっと圧縮展開の効果


原作のアメリカドラマ版は、シーズン7まであり全156話。
なので、縦糸である三角関係が、原作版より日本版のほうが猛スピードで進んでいく。
日本版第6話の記者会見シーンは、アメリカ版では、シーズン1のラスト23話だ。

そして、その後も、アメリカ版は、あだち充のラブコメ以上のいじいじラブラブすれ違いを繰り返す。

日本版で唐沢さんが直接孝太郎の愛の告白を聞いているシーンも、アメリカ版では、直接ではない。
上司のウィル(日本版の多田)が留守電に「愛している。返事をくれ」といれる。
が、参謀のイーライが聞き、消す。
ウィルはアリシア(日本版の杏子)が聞いていると思ってうずうずしているが、アリシアは聞いていないというすれ違いドラマで数話展開し、とんでもない方法でアリシアは留守電があったことを知り、でもどんな留守電だったかはっきりと聞けず、聞いてもウィルも嘘を答えたりして、あーだこーだのすれ違いでシーズン2の大半は進んでいく。
日本版はおそらくそのあたりはすっ飛ばす。ぎゅっと圧縮展開していくのだろう。
そのおかげで、小泉孝太郎が唐沢寿明に愛の告白をする名シーンが誕生した。
Poetry is easy。孝太郎にプランはあるのか。
まさかの小泉孝太郎×唐沢寿明展開に分岐もありえるのか。
次回楽しみである。(テキスト:米光一成

日本版:Paraviで配信中TVer最新話配信
アメリカ版:AmazonPrimeで配信中

チーフプロデュース 瀬戸口克陽
プロデュース 東仲恵吾
演出 塚原あゆ子
脚本 篠崎絵里子
主題歌 BUMP OF CHICKEN「Aurora」
制作 CBS Corporation、TBS

蓮見杏子(常盤貴子)
多田征大(小泉孝太郎)
円香みちる(水原希子)
朝飛光太郎(北村匠海)
小宮竹生(野間口徹)
戸梶涼太(中林大樹)
佐竹凛子(末永みゆ)
蓮見隼人(小林喜日)
蓮見綾香(安藤美優)
佐々木達也(滝藤賢一)
蓮見幸枝(高林由紀子)
林幹夫(博多華丸)
神山佳恵(賀来千香子)
脇坂博道(吉田鋼太郎)
蓮見壮一郎(唐沢寿明)
三栗谷剛(春風亭昇太)
坂口孝彦(温水洋一)
辻本則之(嶋尾康史)
女性秘書(今泉佑唯)