TBS日曜劇場『グッドワイフ』(公式)、アメリカCBSの人気番組『The Good Wife』が原作のリーガルドラマ。
2月17日よる9時から第6話「崖っぷちの選択」。

車椅子に乗った弁護士・三栗谷剛(春風亭昇太)が登場する。
予告編では「彼女が選ぶ相手は!?」とテロップが出て、保釈される蓮見壮一郎(唐沢寿明)と上司の多田政大(小泉孝太郎)の顔がドンドンと映し出される。
常盤貴子が「私が決めたの」と意味深な台詞。

原作はアメリカCBSのドラマ
障害を持つ弁護士が登場するのは、シーズン2の第6話。
神経の症状を患っている弁護士を、パーキンソン病と診断されているマイケル・J・フォックスが演じる。

抗うつ薬の集団訴訟で、彼は自分の症状を誇張して敵の弁護から気をそらしたり、陪審員を誘導しようとする「ずる賢い男」だ。
主人公側も性的な話やネズミが血を吹き出す実験映像を持ち出して「ずる賢い」手口で戦う。
キツめの皮肉が効いたエピソードで、これを日本の地上波でやるのか、と驚いている。
「グッドワイフ」日本とアメリカのドラマ観の違いが現れた4話。今夜車椅子弁護士登場に期待している
グッド・ワイフ 彼女の評決 シーズン1(パラマウント)

とはいえ、日本版『グッドワイフ』の主人公・蓮見杏子(常盤貴子)は、アメリカ版に比べれば、人情味のある優等生っぽいキャラクターになっている。

見る側は知っている


第5話「過去との決別」は、資産20億のロックスター東城数矢(宇崎竜童)の離婚訴訟のエピソード。
妻のちなみ(銀粉蝶)と、若い愛人の唯奈(松本まりか)が熾烈な争いを繰り広げる。

しかも、離婚決定直前に、東城数矢が交通事故で昏睡状態。
目覚める可能性はまずない。生命維持装置で生きている状態だ。

アメリカ版で対応するエピソードは、シーズン1の21話。
ほぼ同じ状況になった妻と恋人が、法廷で、涙ながらに訴える。
妻「意識がもどるのは奇跡に近いと言われました。
でも、マックスはロックスターになる夢をかなえた。100万人にひとりの奇跡です」
恋人「彼はこんな状態を望んではいません(…)キャロライン、あなたの気持ちはわかるわ。でも、こんなの。彼を苦しめるだけよ」
だが、見る側は知っている。
延命すれば妻は膨大な資産を自由に使え、命がなくなれば恋人のものになる。
なんという皮肉なシーン。

日本版でも、このシーンは観たかったなー。

そのかわり、ラストの人情噺は日本オリジナル。
財産を放棄し、お金じゃなくて延命治療のことを話し合おうと妻が提案する。
その提案をきれいごとだと言われた蓮見杏子が言う。
「そうですね。綺麗事を本音だって言い張って、歯を食いしばって生きていきたいときもあるんじゃないですかね。
そういう潔さも私は尊いと思います」
杏子が自分自身に言い聞かせるようにも響く台詞で、ぐっときた。

第6話「崖っぷちの選択」、アメリカ版なみに遠慮なくやると話題騒然になるはず。期待してます。(テキスト:米光一成

日本版:Paraviで配信中TVer最新話配信
アメリカ版:AmazonPrimeで配信中

チーフプロデュース 瀬戸口克陽
プロデュース 東仲恵吾
演出 塚原あゆ子
脚本 篠崎絵里子
主題歌 BUMP OF CHICKEN「Aurora」
制作 CBS Corporation、TBS

蓮見杏子(常盤貴子)
多田征大(小泉孝太郎)
円香みちる(水原希子)
朝飛光太郎(北村匠海)
小宮竹生(野間口徹)
戸梶涼太(中林大樹)
佐竹凛子(末永みゆ)
蓮見隼人(小林喜日)
蓮見綾香(安藤美優)
佐々木達也(滝藤賢一)
蓮見幸枝(高林由紀子)
林幹夫(博多華丸)
神山佳恵(賀来千香子)
脇坂博道(吉田鋼太郎)
蓮見壮一郎(唐沢寿明)
東城数矢(宇崎竜童)
東城ちなみ(銀粉蝶)
唯奈(松本まりか)