◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~
第3週「なつよ、これが青春だ」18話(4月20日・土 放送 演出・木村隆文)視聴記録
柴田家の歴史
お片付けしながら、なつが富士子から、剛男との馴れ初めを聞く。「何人かいるうちのひとりだったのよ」とあっさりの富士子。
女が男を選ぶという、この時代には「斬新」な結婚方法をしていた(かぐや姫みたい)ことが描かれたわけだが、いまなぜ急にこの話? 高畑勲オマージュ? と思うと、そこから泰樹と亡き妻の話になっていく流れだった。
ほかに、剛男と泰樹の対立を見てなつがそもそもなぜ泰樹は剛男を娘の婿にすることを許したんだろうという疑問をもったというわけもある。無理やりになりそうなところうまいことねじ伏せたうえ、ちょっとした一言にその人らしさを盛り込んで高密度で物語は進む。
泰樹の妻、富士子の母はお金がなくて医者にかかることができずに死んでしまった。
そのとき泰樹は「組合があれば」と悔しがったという。いまの泰樹の頑なさは屈折した心理の表れなのだろう。
そう思ったらなつは、農協が正しくて泰樹の考えが間違っているとは言えなくなってしまった。
そこで演劇 「おまえの思い、じいちゃんに響かせろ」
「(泰樹を)絶対に傷つけない」「(泰樹の)気持ちに少しでも寄り添える」演劇かどうかを心配するなつに、倉田先生は「演劇とは生活者が楽しみながら自分の生活を見つめ直す機会を得られるもの」と説き、日々地べたと格闘する農民にこそ演劇が必要と思って演劇部の顧問になったと言う。農業高校と演劇との関係にも確たる理念があるのだ。
倉田はなつに「女優になれ」と言う。泰樹が演劇を見るモチベーションをつくるには、なつが出ていることが一番だった。それはそうだ。演劇を見る慣習のない人間が誰も知らない人の出ている演劇を見るわけもないから。
それはひいては、男しかいない演劇部に初の女性部員を参加させることにもつながって、倉田は満足そう。
なつと倉田のやりとりは、ドラマ作りにも重ねて考えられる。
ふだん一生懸命働いている人が見て楽しめて、自分の生活を見つめ直すことができて、傷つくことのないドラマ。まずドラマに興味をもってもらうためにはよく知られている俳優が出ているとなおいい。
そんなことを考えながらドラマを作っているんじゃなかろうか。
傷つけないために深掘りしなかったり相反するものには触れないように気をつかったり、毎度いろいろ大変なのだと思うが、「なつぞら」はできるだけ複数の視点とそのどれにも言い分があることを描こうと努めている気がする。
「いいから出ろ」
なつと泰樹は仲直り。
「やっぱりじいちゃん大好き」となつに言われ、
「おいおいおい…バカ いちいち家族にそんなこと言うな」とデレる泰樹。
名台詞もキマるし、こんな照れた言い方も最高。毎日草刈正雄劇場だ。
じいちゃんに楽しんでもらう演劇を作りたい。おまえが出るなら楽しみだ。
なつよ、草刈正雄に負けないカリスマ性を演劇で見せてくれ。
なつぞらアニメーション
なぜかなつは演劇をはじめてしまうようだが、「なつぞら」は主人公なつがアニメを作る人になる話と事前にインフォメーションされている。だからこそ、オープニングはアニメ。エンド5秒は、視聴者の描いたアニメーション紹介コーナーだ。毎日斬新な動く画が出てるなか、18回では、「半分、青い。」で鈴愛の漫画を担当したなかはら・ももたさんの作品が選ばれていた。先日は。青木俊直さんの作品も選ばれていて、おふたりの作品はプロの漫画家は動画を描くのも巧いんだなあと思うハイクオリティーであった。「なつぞらアニメーション」に応募するには、「なつぞら」のホームページに誰でもアニメが作れるシステムがあって、そこに絵を描いて投稿すればOK 。私も応募してみようかな〜。
第4週「なつよ、女優になれ」(4月22日・月〜)あらすじ
泰樹と剛男の仲違いがきっかけで、演劇を始めたなつ。いざ入部すると演劇部の練習はとても厳しく、酪農との両立も難しくなっていく。さらに、顧問の倉田先生は、物語の重要な役をなつに与える。
第20回(4月23日・月 放送)あらすじ
ついに、演劇部顧問の倉田(柄本佑)が脚本を書上げ、なつ(広瀬すず)、雪次郎(山田裕貴)らに台本を手渡す。なつが、祖父の泰樹(草刈正雄)を思い入部したことを知る倉田は、物語の重要な役をなつに与える。さらに倉田は、舞台の背景となる絵についても相談する。倉田のイメージが、雪月に飾ってあった絵画であることを知ったなつは、その作者に絵を依頼することを提案。その作者の家を訪ねることに…。

20回、ここが気になる。

◯倉田先生の描いた台本の内容
◯なつの役は…
◯舞台美術は誰が…

登場人物とキャスト 登場順
奥原なつ 広瀬すず 幼少期 粟野咲莉…主人公。戦争で父母を亡くし、兄と妹と別れ、剛男に連れられて北海道に引き取られてきた。生活を保障してもらう代わりに酪農の手伝いをする。父の描いた家族の絵を大切にもっている。
佐々岡信哉 工藤阿須加 幼少期 三谷麟太郎…空襲のとき、なつを助ける。
柴田剛男 藤木直人…柴田家の婿養子。なつの父の戦友で、戦災孤児となったなつを十勝に連れて来た。妻を「ふじこちゃん」と呼ぶときがある。1955年時点では音問別農協組合で働いている。
柴田富士子 松嶋菜々子…剛男の妻。開拓で苦労してきたので、ひとに優しい。
柴田照男 清原翔(13 回から) 幼少期 岡島遼太郎…柴田家長男。搾乳をさせてもらえない代わりに薪割りを頑張っていたが、なつが来たことを機にようやく搾乳させてもらえた。
柴田夕見子 福地桃子(13回から)幼少期 荒川梨杏…柴田家長女。
柴田明美 平尾菜々花(13回から) 幼少期 吉田萌果…柴田家次女。
柴田泰樹 草刈正雄…柴田家当主。頑固者で幼いなつにも容赦なく厳しく接するが、意地悪ではなく、彼の人生哲学に基づいたもの。他人に頼らず己の力で人生を切り拓くことを心情としている。甘いものが好き。
奥原咲太郎 幼少期 渡邉蒼…なつの兄。タップダンスが得意で、米兵にかわいがられていた。孤児院にいる。
奥原千遥 幼少期 田中乃愛…なつの妹。
2回
焼け跡にいたおばあさん北林早苗…情にほだされなつたちに食べ物を分ける。演じている北林は朝ドラ第1作め「娘と私」の娘・麻里の少女時代役を演じた。
戸村悠吉小林隆…柴田牧場で働いている。貧しい開拓団の八男に生まれ、幼い頃に奉公に出され、泰樹に世話になった恩を感じて尽している。
戸村菊介音尾琢真…悠吉の息子。嫁募集中。
4回
小畑とよ 高畑淳子…帯広在住。泰樹の昔なじみ。口の減らない元気な人。
小畑雪之助 安田顕…とよの息子。菓子店・雪月の店主。菓子作りに情熱を注ぐ。
小畑妙子 仙道敦子…雪之助の妻。
小畑雪次郎 山田裕貴(13回から登場) 幼少期 吉成翔太郎…雪之助、妙子の長男。十勝農業高校に通っている。
5回
山田天陽 吉沢亮 幼少期 荒井雄斗…音問別小学校でなつと同級生になる。東京からやって来た。絵が上手。馬が好き。
大作 増田怜雄…音問別小学校の生徒。
実幸 鈴木翼…音問別小学校の生徒。
さち 伍藤はのん…音問別小学校の生徒。
山田正治 戸次重幸…天陽の父。東京から北海道にやって来たが土地が悪く、農業ができず、郵便局で働いている。泰樹の協力を得て、土地を蘇らせる。
8回
山田陽平 市村涼風…天陽の兄。絵がうまい。
9回
なつの父 内村光良…日本橋で料理人をしていた。絵が上手。家族のことを思いながら戦死した。
10回
花村和子 岩崎ひろみ…音問別小学校の教師。
校長先生 大塚洋…音問別小学校の校長先生。
山田タミ 小林綾子…天陽の母。
13回
居村良子 富田望生…十勝農業高校の生徒。
村松 近江谷太朗…十勝農業高校の先生。
倉田隆一 柄本佑…十勝農業高校の国語の先生。
14回
田辺政人 宇梶剛士…音問別農協組合組合長。農協で一手に酪農事業をとりまとめ十勝を酪農王国にしたいと考えている。
村松…柴田牧場と長い付き合いのあるメーカーの人物。奥様封筒をもってくる。
脚本:大森寿美男
演出:木村隆文 田中正ほか
音楽:橋本由香利
キャスト:広瀬すず 松嶋菜々子 藤木直人 岡田将生 比嘉愛未 工藤阿須加 吉沢亮 安田顕 仙道敦子 音尾琢真 戸次重幸 山口智子 柄本佑 小林綾子 高畑淳子 草刈正雄ほか
語り:内村光良
主題歌:スピッツ「優しいあの子」
題字:刈谷仁美
タイトルバック:刈谷仁美 舘野仁美 藤野真里 秋山健太郎 今泉ひろみ 泉津井陽一
アニメーション時代考証:小田部羊一
アニメーション監修:舘野仁美
アニメーション制作:ササユリ 東映アニメーション
制作統括:磯智明 福岡利武
(木俣冬)