本郷奏多、憧れの藤原竜也との共演で子供の姿をした殺人鬼を怪演 映画『Diner ダイナー』
撮影:石井小太郎

本郷奏多インタビュー


主演・藤原竜也×監督・蜷川実花が初タッグを組み、豪華キャストの出演も話題を集める、映画『Diner ダイナー』が、7月5日(金)より全国公開される。

元殺し屋の天才シェフ・ボンベロ(藤原竜也)が料理を振る舞う、食堂“ダイナー”は客も殺し屋。そんな場所に、殺しとは無縁のオオバカナコ(玉城ティナ)がウェイトレスとして身売りされてきたことから始まる物語。蜷川実花監督の描く、色鮮やかで独創的な世界の中で繰り広げられる、アクションや人間模様が深く観る者の心に印象づく作品となっている。

本郷奏多、憧れの藤原竜也との共演で子供の姿をした殺人鬼を怪演 映画『Diner ダイナー』
(C)2019 「Diner ダイナー」製作委員会

エキサイトニュースでは、本作で殺しのために全身整形し、子供の身体を手に入れた狂気的な殺し屋・キッドを演じた本郷奏多にインタビューを実施。ある種、吹き替えキャストのような、難しい役どころも楽しんで演じ、癖のあるキャラクターを魅力的に見せてくれた本郷に、その裏話などを話してもらった。

キッドのキャラクターは役者として魅力的


本郷奏多、憧れの藤原竜也との共演で子供の姿をした殺人鬼を怪演 映画『Diner ダイナー』
撮影:石井小太郎

本郷奏多、憧れの藤原竜也との共演で子供の姿をした殺人鬼を怪演 映画『Diner ダイナー』
撮影:石井小太郎

――今作のオファーをもらったときの印象を教えていただけますか?

本郷:キッドのキャラクターが面白いなって。最初は「見た目は子供って、どういうこと?」って思いましたけど、殺しをするために子供の姿だと有利だからって、全身整形をしてるってことで、めちゃくちゃ魅力的だなと。それが実際にどういう風にでき上がるかにもすごく興味がありましたし、是非やってみたいと思いました。それから、蜷川実花さんとは今までご一緒する機会はなかったんですけど、すごく気になる監督さんだったので、それも出演したいと思った理由のひとつです。これまでの作品をいくつか観させていただきましたけど、純粋にクリエーターとして、人として興味がありました。それで実際にお会いしてみると、作品のイメージとはまた違った、すごく柔らかくて、優しい方だったので、そのギャップも素敵で。映像美にはすごくこだわりを持っていらっしゃっていて、日本の商業的な映画を撮っている男性の監督にはなかなかない感覚がある方だなって思いました。

――本郷さんは原作がある作品では、その世界観をすごく大切にされるイメージがあるのですが。

本郷:今回も撮影前に小説と、そのときまでに出ていた漫画も読んだんですけど、その上でこの脚本を読んで、現場に入って、雰囲気を見て感じたのは、この映画は蜷川さんの世界観にシフトした方がいいかなってことで。もちろん原作も素敵なので、それを無視するってことではないんですけど、今回は、この映画『Diner ダイナー』の世界観の中で組み立てていきました。ボンベロも原作だともう少しクールだと思うんですけど、藤原さんなりの解釈でキャラクターを作られていたと思いますし。それに、この現場の色味であったり、世界観は完全に蜷川さんのものでもあったので、これまでやってきた他の作品よりは原作を意識しない方向性でやりました。

本郷奏多、憧れの藤原竜也との共演で子供の姿をした殺人鬼を怪演 映画『Diner ダイナー』
(C)2019 「Diner ダイナー」製作委員会

本郷奏多、憧れの藤原竜也との共演で子供の姿をした殺人鬼を怪演 映画『Diner ダイナー』
(C)2019 「Diner ダイナー」製作委員会

――演じられたキッドはサイコキラーですね。

本郷:変なキャラクターがいっぱい出てきますけど、その中でもかなり変わってますよね(笑)。なのでとにかく、全力で楽しんで、暴れるだけだって思ってやりました。蜷川さんも「好きに暴れてくれたら、それでいいから」っておっしゃっていて。こんなに突き抜けた、ブッ飛んだお芝居ができる機会ってあんまりないので。もちろん、実生活ですることもないですし(笑)。だからすごく楽しんでやらせていただきました。

――こういうキャラクターを演じるときはどうやって気持ちを作るんですか? 共感はできないと思いますが。

本郷:そうですね、今のところ人を殺したこともないですし(笑)。でも、エンターテインメントですし、フィクションだし、映画を観る方も大半は人を殺したことのない人たちですから、そこは何をやっても正解じゃないかなって思います。

――キッドの身体は子供ということで、実際の撮影はどんな風に行われたのですか?

本郷:僕が膝立ちになってお芝居をしたり。あとはキッドの格好をした10歳くらいの男の子がいて、その子に動いてもらって、首から上だけ僕をはめるとか。いろんな方法で撮影してました。だから撮影中はどんなでき上がりになるのか、全く想像できなかったですね。そこは皆さんを信じてやるしかないっていう。

本郷奏多、憧れの藤原竜也との共演で子供の姿をした殺人鬼を怪演 映画『Diner ダイナー』
撮影:石井小太郎

――撮影中はその男の子とコミュニケーションを取ったりも?

本郷:仲良くなりました。キッドはその男の子と一緒に作り上げたような感覚もありますね。アクションとかが得意で、お芝居はしたことがなかった子だったんですけど、すごく素直で、礼儀正しくて、センスがあって。僕が伝えたこと以上の動きをしてくれました。

――大変なことはなかったんですか?

本郷:やっぱり子供なので、照れがあったり、少しぎこちなかったりすることもあったんですけど、そのニュアンスを言葉で伝えるのが難しくて。だから途中から監督とも相談して、僕がカメラの外側で声だけのお芝居をして、それに合わせて動いてもらうっていうことをやったら、すごくその子のテンションも上がって、いい感じに撮ることができました。そういうことも現場でやってみないとわからないことだったので、初めて経験することもあったり、工夫をしながら作り上げていくのも楽しかったですね。

「自分の中に眠るサイコな部分が……」


本郷奏多、憧れの藤原竜也との共演で子供の姿をした殺人鬼を怪演 映画『Diner ダイナー』
撮影:石井小太郎

本郷奏多、憧れの藤原竜也との共演で子供の姿をした殺人鬼を怪演 映画『Diner ダイナー』
撮影:石井小太郎

――演じてみて、楽しかったシーンはどこですか?

本郷:キッドがボンベロからその死体の処理はお前がしておけって言われて、それをやったー!って喜んで、ハサミで刻むシーンがあるんですけど。監督からは好きなようにやって、って言われて、セリフも決まってなかったので「どうしたらいいだろう?」って思ってたんですけど、いざ本番ってなったら、無限にフレーズが出てきて。自分の中に眠るサイコな部分が垣間見れて、ちょっと怖かったですね(苦笑)。

――ちなみに、キッド以外もやれるとしたら、どのキャラクターがいいですか?

本郷:それでもやっぱりキッドがいいかな。自分にオファーが来るならこの役かなって思いますし。みんな変ですけど、殺しのために自分の身体まで改造しちゃうってかなりイカれてると思うので、面白い役だと思います。

――他のキャラクターがどんな風に撮影しているか、気になったりはしませんでしか?

本郷:しないですね。全然わからずに撮影してましたけど、今回に関しては劇中で会わないってことは、そこは気にする必要もないってことかなって思いました。とにかく、自分の役を一生懸命にやるだけでしたね。

本郷奏多、憧れの藤原竜也との共演で子供の姿をした殺人鬼を怪演 映画『Diner ダイナー』
(C)2019 「Diner ダイナー」製作委員会

本郷奏多、憧れの藤原竜也との共演で子供の姿をした殺人鬼を怪演 映画『Diner ダイナー』
(C)2019 「Diner ダイナー」製作委員会

――共演の藤原さん、玉城さんの印象を聞かせていただけますか?

本郷:藤原さんとはこれまで一度もお会いしたことがなかったんですけど、個人的にすごく好きな俳優さんで。藤原さんの出演されている作品は全部観てるっていうくらい、好きだったので、藤原さんが主演と聞いて、それもこの作品に出たいって思ったきっかけのひとつでしたね。ご一緒できて本当に嬉しかったです。それから、玉城さんはすごくカナコというキャラクターに合っていて、いじめがいがあるというか、いじめられる姿が似合うというか(笑)。基本、このお話はみんなでカナコをいじめるお話なので。怯えた表情とかもすごく素敵で、光るものを持ってる女優さんだなって感じました。

――好きだった藤原さんから何か感じることはありましたか?

本郷:すごくクリエイティブというか。監督やスタッフの方と一緒に、このシーンどうしようか?とかっていうディスカッションをよくされていたのが印象的でした。キャリアも立場もある方なのに、それができるってすごいなって。素敵な姿を見させていただきました。

藤原竜也、窪田正孝との共演に喜び


本郷奏多、憧れの藤原竜也との共演で子供の姿をした殺人鬼を怪演 映画『Diner ダイナー』
撮影:石井小太郎

本郷奏多、憧れの藤原竜也との共演で子供の姿をした殺人鬼を怪演 映画『Diner ダイナー』
撮影:石井小太郎

――実際に完成した作品を観てどうでしたか?

本郷:正直、自分のキャラクターが特殊だったというのもあって、今回は完成するまでどんな作品になるか全然わからなくて。だから、でき上がったものを観て、こんな風になっていたんだっていう感動がありました。あと僕、実は窪田正孝さんもすごく好きで。ご一緒したことがなくて、会ってみたかった役者さんが、2人だけいて、それが藤原さんと窪田さんだったんですよ。だからそれが今回で一度に叶って嬉しかったんですけど、窪田さんが演じたスキンってキャラクターはめちゃくちゃカッコよかったですよね。普段は穏やかなんですけど、突然キレて暴走するところとかもすごくカッコよくて。さらにファンになってしまいました(笑)。

――お二人のどこが好きなポイントなんですか?

本郷:お二人ともパワフルなお芝居が魅力的というか、感情の振れ幅がすごく大きいというか。トップギアに入ったときが、普通の人の何段階か上に入れられる人だなって思っていて。あと僕、『デスノート』が好きなんです。二人とも素敵な月(ライト)を演じられていたっていうのもありますね(藤原が映画版、窪田がドラマ版で月役を演じた)。今回は窪田さんとはおなじシーンがなかったし、藤原さんもキッドと対面するときのボンベロは冷静で、お二人の振り切ったところを実際に見ることはできなかったんですけど、映画としては観れるので、そこは最高でした。

本郷奏多、憧れの藤原竜也との共演で子供の姿をした殺人鬼を怪演 映画『Diner ダイナー』
(C)2019 「Diner ダイナー」製作委員会

本郷奏多、憧れの藤原竜也との共演で子供の姿をした殺人鬼を怪演 映画『Diner ダイナー』
(C)2019 「Diner ダイナー」製作委員会

――今作はセットや小道具もひとつの見どころですよね。

本郷:確かに初めてセットに入ったときは感動しました。遊園地に入ったみたいな。大きな撮影所にメインのホールがあって、それぞれの個室と、キッチンがあって、いろんなところをまわらせてもらいました。どこも色鮮やかに、細かいところまでこだわって作られていましたけど、個人的にはやっぱりキッドの個室が好きです(笑)。あと料理にも監督はすごくこだわってました。ハンバーガーは好きじゃないですけど(苦笑)、あの真っ黒のハンバーガーとかはどんな味がするんだろう?って、ちょっと食べてみたいですね。

――今年は映画『キングダム』での成きょうなど悪役が続いてますね。

本郷:悪役はバランスをあまり考えずに、振り切ってやれるから楽しいんです。ただ僕、基本的にどんな役をやらせていただいても、戦闘能力が低いんですよ。勝てるのはカナコくらいだし(笑)。だから今度は強い敵役をやってみたいですかね。ただ悪役はやられるときは、倒す方をカッコよく見せるという役割があると思うので、より情けなく、しっかりやられた方がいいと思っています。やられるって脚本に書いてあったら、100%でやられます。

本郷奏多、憧れの藤原竜也との共演で子供の姿をした殺人鬼を怪演 映画『Diner ダイナー』
撮影:石井小太郎

――演じるときに自分らしさを出そうとは?

本郷:それはあんまり思わないですね。特に原作ものとかは、そのイメージ通りに演じることを心がけてます。何が正解かはわからないですけど、僕はそういうスタイルでやっています。

――では、ご自身の役者としての強みは何だと思われますか?

本郷:バランス力ですかね。自分は器用貧乏で、わりと何でもできるけど、突き抜けて得意なことがないタイプの人間だと思うので。現場でも常にバランスを考えてやっています。言いにくいセリフとかがあったとしても、何か僕が言って現場が止まるくらいなら、僕がやればいいんだから、みんなの良きようにって思いますし。機嫌の悪い人とかがいたら、僕が上手く潤滑油になりたいって思いますし、全体の輪を一番大事にしています。

取材・文/瀧本幸恵 撮影/石井小太郎

本郷奏多さん直筆サイン入りチェキをプレゼント!


映画『Diner ダイナー』の公開を記念して、1名様に本郷奏多さん直筆サイン入りチェキをプレゼントいたします。

応募方法は下記の通り。
(1)エキサイトニュース(@ExciteJapan)の公式ツイッターをフォロー
(2)該当ツイートをリツイート
応募受付期間:2019年7月4日(金)~2019年7月19日(金)23:59まで



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(エキサイトニュース編集部)

作品情報


本郷奏多、憧れの藤原竜也との共演で子供の姿をした殺人鬼を怪演 映画『Diner ダイナー』
(C)2019 「Diner ダイナー」製作委員会

映画『Diner ダイナー』
7月5日(金)より全国ロードショー
出演:藤原竜也、玉城ティナ
窪田正孝、本郷奏多/武田真治、斎藤工、佐藤江梨子、金子ノブアキ
小栗旬/土屋アンナ/真矢ミキ/奥田瑛二
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/diner-movie/index.html

■ストーリー
殺し屋専用の食堂“ダイナー”を取り仕切る天才シェフ=ボンベロ(藤原竜也)は、自身もかつては殺し屋だったが、その料理の腕前は本物。彼が生み出す極上の料理に、殺し屋たちも魅了される。ある日、ボンベロが一人で切り盛りするダイナーに、ウェイトレスとしてオオバカナコ(玉城ティナ)がやって来る。友達ひとりいない孤独な人生を送っていたカナコは、カウボーイ(斎藤工)とその恋人のディーディー(佐藤江梨子)の募集する怪しいバイトに手を出したばかりに、ギャング組織のブタ男(金子ノブアキ)によってダイナーへと身売りされたのだ。

皿の置き方ひとつでウェイトレスが消されることも日常というダイナーで、絶対的な王として君臨するボンベロに従うカナコ。そんな中、心優しくトラウマを抱えるスキン(窪田正孝)、見た目は子供でも残忍なキッド(本郷奏多)、ラテン系で筋肉が自慢のブロ(武田真治)らの殺し屋たちが客としてダイナーへやって来る。だがカナコの存在によって、殺し屋同士の暗黙のルールが崩れてしまい……。