「やすらぎの郷」の老人達がバラエティ番組に出演し、自分たちが出演した頃とは変わってしまったテレビ局に翻弄される。

視聴率問題に斬り込むアナーキーすぎる菊村栄
乃木坂テレビの60周年事業として企画された、「やすらぎの郷」住人たちが大挙出演する特別番組。
テレビ朝日開局60周年記念ドラマである本作「やすらぎの刻~道」のようなドラマで、そのシナリオとして、菊村栄(石坂浩二)が誰にも見せるつもりがないまま書き進めていた「道」が採用されて……みたいな展開を予想していたのだが、そうではなく、豊臣家康(木下ほうか)というお笑い芸人が司会を務めるバラエティ番組「お笑い大将」(つまらなそう!)のスペシャル企画らしい。
要は、かつてのスターたちを集めて「あの人は今」的な企画をやろうということなのだろう。
桂木夫人(大空眞弓)率いる「やすらぎの郷」新参組の面々は「夢をもう一度」ということで出演に前のめりだったが、古参のマヤ(加賀まりこ)やお嬢(浅丘ルリ子)たちは、世間から隠されてきた「やすらぎの郷」の平穏が乱されるとして強硬に反対。対立がますます深まっていく。
いずれにしても、出役ではない菊村にとっては関係のない話ということで、どっちつかずの態度を取っていたものの、脚本といえないレベルの「お笑い大将」の構成台本を読んだことで憤慨する。
「いけませんね、この台本は。過去のテレビ人たちが必死になって作ったものを、ひたすら笑いの種にしようっていう制作態度は納得できません」
菊村先生の怒りのコメント、頷きながら見ていました。桂木一派を笑いに来たはずのお嬢達が、あまりの事に憤慨したり、鉄拳制裁を見て喜んだりしたのも良かったです。
最近のお笑い番組の低レベル、そして内容のひどさに思うところがありましたが、豊臣軍団をやっつけた秀さんたちに喝采。菊村先生の脚本家としての、確かな眼にも感心。