渡辺えり×小日向文世×のん が30の役柄を演じきる、舞台 『私の恋人』東京公演開幕

今年、第160回芥川賞を受賞して注目を集める上田岳弘が2015年に発表した『私の恋人』（新潮社）が、渡辺えりによる脚本・演出で舞台化。8月7日のプレビュー公演を皮切りに、兵庫、鹿児島、山口、福岡、岩手、山形と廻り、8月28日から9月8日（日）まで、東京・本多劇場で上演されている。

渡辺えりが主宰するオフィス3〇〇の新作舞台として上演中の『私の恋人』。登場人物は、渡辺えり、かねてから彼女の作品への出演を熱望していた小日向文世、のんの3人。並んで立っているだけでもなんだか笑ってしまうこの絶妙な3人で、なんと30の役を演じる。“たくさんの役柄を少人数で演じきる”のは、渡辺念願の手法なのだという。






10万年前のクロマニョン人、その生まれ変わり、現代の社会問題にもなっている“引きこもり”の息子を抱える家族、その家族の長男はさかのぼること1945年のサーカス団に参加と、時を超え、性を超え、物理も超えて物語が交差していく。

のんはこれが初舞台。これまでにも渡辺から舞台へのお誘いはあったものの、なかなかスケジュールの都合で実現に至らなかったそうで、今回が双方共に念願の共演となる。

小日向も渡辺同様、誰もが認める実力派俳優。互いを認め合う二人は「演劇」にどっぷり浸かり、その魅力に取りつかれた者同士。

そして、のんはそんな二人を「こうなりたいと思う理想の俳優さん」だと語り、舞台では、「えいやっ！」とばかりに覚悟を決めて二人の懐に飛び込み、彼女らしい大胆さと度胸でもって、生き生きと、そして自由に泳ぐ。





3人で30の役をやるということで、早替えも見事。「演劇」を知り尽くした渡辺の演出には、「なるほど、そう来るのか～」とうなる場面多々。頭上から降り注ぐキャストの「声」と「熱」を全身に浴びて、所々で爆笑して……あっという間の100分。カーテンコールが終わった瞬間、「あー、面白かった」という言葉が口をついて出た。

舞台『私の恋人』は残すところ16公演。チケットは売り切れているため、公式ツイッター（https://twitter.com/300watashino）で当日券をチェックして、ぜひ足を運んでいただきたい。
（取材・文／田上知枝［エキサイトニュース編集部］）










■渡辺えりコメント
今日からいよいよ東京公演！
今まで山形、久慈、福岡、兵庫を廻ってきまして、お客様の評判が想像以上によくて、三人の役者の個性もとても出ている、それからオーディション組の天使たちも素晴らしい、との嬉しいお声をいただいています。
今までの公演と比べて東京は小劇場ですから、気持ちを引き締めてより緻密に、テーマが色濃く出るように、さらにみんなで頑張って、面白い舞台にしたいと思っています。

■のんコメント
本多劇場でやれるということで、すごく心待ちにしてました。
地方公演を廻って、いろんなお客さんの反応を見てきたので、東京の皆さんはどうみていただけるのか、すごくワクワクしています。
自分が本多劇場にえりさんの舞台を観にきたりして、観る側でワクワクさせていただいた劇場だったので、自分が出れることになって嬉しいです。
気合いをいれて頑張ります。

公演情報

脚本・演出：渡辺えり
原作：上田岳弘「私の恋人」（新潮社）

【キャスト】　
小日向文世
のん
渡辺えり

多岐川装子
松井夢
山田美波
那須野恵

【ミュージシャン】
三枝伸太郎、栗山梢（8/22,8/25,8/31）

【スタッフ】
振付：港ゆりか
歌唱指導：深沢敦
美術：長田佳代子
音楽：三枝伸太郎

音響：藤田赤目
照明：宮野和夫
ヘアメイク：馮啓孝
衣装：渡辺えり
演出助手：石田恭子

舞台監督：大刀祐介
宣伝写真：二石友希

宣伝美術：十倉彩子

主催：オフィス3〇〇












【公演スケジュール】
8月7日（日）東京・東大和市民会館ハミングホール　※終了
8月9日（金）10日（土）兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール　※終了
8月13日（火）鹿児島・宝山ホール　※終了
8月15日（木）山口・山口市民会館 大ホール　※終了
8月17日（土）18日（日）福岡・大野城まどかぴあ　※終了
8月22日（木）久慈市文化会館 アンバーホール 大ホール　※終了
8月25日（日）山形・やまぎんホール　※終了
8月28日（水）～9月8日（日）東京・本多劇場

オフィシャルサイト

（http://office300.co.jp/watashino.html）