
「孤独のグルメ Season7」Blu-ray BOX
ミックスカツ定食、ロースカツ定食、カツ皿、カツサンドはあるが、意外にもカツ丼は今回が初めて。
意外にも初めてのカツ丼
東京都台東区三ノ輪でクリスタルアート店を営む広瀬省吾(浅利陽介)にイベントの協力を仰ぐ五郎さん(松重豊)。しかし、逆に大晦日の福岡での仕事を頼まれる。これはおそらく、大晦日放送SPと連動していて、なかなかオシャレな予告となっている。ちなみに、先週登場した超優柔不断の村井美咲(水野真紀)から、インテリアを決めたとの連絡があった。よかったよかった。
「"カラッ!"と最高の油でどうぞ」
「ムチャクチャ腹が減った」五郎さんは、看板のうたい文句に釣られて定食屋「やよい」へ。他の客が頼んだ「ハンバーグ」や「レバニラ」、ちょっと珍しい「オムライスドライカレー」などのメニューに惹かれるも、五郎さんは揚げ物狙いだったことを思い出し、メニューの「飯類」の欄の一番上に書かれた「かつ丼上」(お新香・味噌汁付)を注文した。
ちなみに、「オムライスドライカレー」は、日本テレビ系「俺の話は長い」の喫茶店「オムドライ」の裏メニューだ。
白身がぷくっと
「カツ丼ってやっぱり、丼の王者だ」
古今東西、あらゆるグルメを食べつくした五郎さんにしては、カツ丼はなかなかにスタンダードなメニューだ。しかし、それだけに画力がすごい。
文字通り「カラッ!」と揚げたカツを、玉子とじ専用のあの鍋で煮込んでいく。粗くかき混ぜられた卵の白身の部分が、ぷくっと膨れ上がる。膨れたり、弾けたり、現在進行形で食感が変わっていく様は、ちょっと素敵すぎる。
カメラがカツ丼目線に切り替わり、カチャッと蓋が明けられると、嬉しそうな五郎さんの顔面がドアップに。美味しい料理を写すのではなく、美味しい料理を見ているおっさんを映すという飯テロ。少しずつ顔が崩れて行く様が美味そうだから不思議。
一番普通で一番すごい飯テロ
「美味い。もう笑っちゃうよ」
大きく切り分けられたカツにかぶりつくと、五郎さんは満面の笑みを浮かべる。カツ、ご飯、カツ、ご飯とどんどん食べ進め、一品めにしてクライマックスのようなBGMが流れる。
「カツ丼、男の中の男飯。最高のタイミングでそれを食えた」
最後にガッと掻き込む姿は、一番普通で一番すごい飯テロだ。味噌汁、お新香も始末して、最後に水を飲む。
シーズン1だったらこれで十分な録れ高だが、今は放送時間も五郎さんの胃袋も拡張したシーズン8。「食欲に火がついちゃった」と「冷し麻婆麺」と「餃子」を追加注文して、フィニッシュ。
冬に冷やし麺と、大好きな酢コショウ餃子を食べ尽くす。ラストは、「ふらっとQUSUMI」とのコラボで、原作者の久住昌之とすれ違うお馴染みのシーンもあった。
気になるのはマドリード出張
冒頭で福岡行きをお願いしてきた広瀬から、「やよい」退店後、なんとスペイン・マドリードへ行って欲しいとのむちゃぶりの電話が入った。
「年末、マドリードかー。パエリヤの一人前ってあるのかなぁ」
面倒がりながらも早くも、スペインで「孤独のグルメ」を楽しもうとする五郎さん。大晦日SPへの完璧な前フリだ。
しかし、放送終了後、視聴者からはマドリード行きへテンションをあげる声が目立つも、なぜか報じられるのは、「成田〜福岡〜釜山 弾丸出張編!」。
福岡と韓国は一度行っているとはいえ、まだまだ堀り甲斐のある街だとは思うが、マドリード行きの話はなんだったのだろう?あれだけ明確にフッておいて何もないということはあるのだろうか?冒頭数分だけマドリード……なんてことはないとは思うが。
そういえば、シーズン3だか4だか5だかくらいで、続編をすぐにやるような思わせぶりなセリフを残したのにもかかわらず、全然続編もSPもやらなかったことがあったの。マドリードのことは、あんまり気にしないほうが良いのかもしれない。
そもそもそういう小さな遊び心を楽しむみたいな番組でもない。五郎さん(松重豊)の楽なペースで、ゆったりと続けて欲しい。
(さわだ)
「孤独のグルメ Season8」
放送時間:金曜24時12分〜
出演:浅利陽介 春海四方
原作:原作/久住昌之・画/谷口ジロー
音楽:The Screen Tones久住昌之、フクムラサトシ、Shake、河野文彦、栗木健オープニングテーマ:「Goo,Goo,Goro!」作曲:久住昌之演奏:The Screen Tonesエンディングテーマ:「五郎の12PM」作曲:久住昌之歌:伝美脚本:田口佳宏 児玉頼子演出:井川尊史 北畑龍一 北尾賢人