あfろのコミックスが原作でだが、2018年に放映されて熱狂的な支持を得たアニメ版を多分に意識している作風で、再現度が異常に高い。
原作ファン、アニメファンからも概ね好評だが、なかには「実写化したこと自体が間違い」と全否定する声もあった。それはそれで潔い生き様で素敵だ。

なでしこmeets野クル
「おい、新人」
「へいっ!」
「雑誌見て満足すんなよ。道具は使ってみてナンボだからな」
野外活動サークル(通称・野クル)の部室(これもしっかり再現)へ出向いた各務原なでしこ(大原優乃)は、部長の大垣千明(田辺桃子)と犬山あおい(箭内夢菜)と出会って、さっそく校庭に980円のテントを張ることに。
大垣千明の再現度が高いのはすでによく言われていることだが、ジャージ姿の3人が両手を上げて傾くシーンに意味なく感動した。なんというか、タイミングがいい。全体のテンポ感、リズム感が「2.5次元ドラマ」の肝なのかもしれない。
3人の様子を図書室から見ているのが、志摩リン(福原遥)と斉藤恵那(志田彩良)。斉藤恵那も地味に再現度が高い。ちなみに福原遥、志田彩良、大原優乃はともに雑誌「ピチレモン」でモデルを務めていた。
なでしこは恵那のおせっかいのおかげでリンの存在に気づき、図書室のリンのもとへ駆け寄るが、リンは思わず嫌な顔をしてしまう。
リンのソロキャンプ
週末、リンはふもとっぱらキャンプ場へソロキャンプに出かける。開放感あふれる広々としたキャンプサイトに雄大な富士山の眺め。ドローンを使った映像は実写ならでは。セリフの中で触れられるロックフェスとは「朝霧JAM」のこと。2019年は台風で中止になった。
キャンプの準備を済ませて散歩に出つつ、恵那とメッセージのやりとりをするリン。福原遥による「うわなにをするくぁwせdrtgyふじこlp」の再現度も完璧だった。柴犬への愛情は、実写版のリンのほうがわずかに上回っている模様。
アニメ版の放送後、実際の舞台の写真とアニメの画像を並べて検証するサイトがあちこちにあったが、今見るとアニメ版とドラマ版の比較サイトみたいで頭が混乱する。それだけアニメ版が風景に忠実に再現しているということ。
美しい自然の風景を描くのは実写の優位なポイントだが、見返してみるとアニメ版もまったく負けていない。2次元へのリスペクトと再現度の高さは証明済なので、今後はドラマ版が実写ならではのキャンプの魅力をどう描いていくのかがカギになりそう。
バーナーでおせんべいを焼いて食べるリンの描写はその小さな現れ。今回はできなかったキャンプめしをどう見せていくのか楽しみ。
第3話は、リンのもとへやってきたなでしこが餃子鍋を作る。冬のキャンプの景色もしっかり見せてくれそうだ。深夜1時より。
(大山くまお)
作品情報
木ドラ25「ゆるキャン△」
原作:あfろ「ゆるキャン△」
監督:二宮崇、吉野主、玉澤恭平
脚本:北川亜矢子
音楽:小田切大
出演:福原遥、大原優乃、田辺桃子、箭内夢菜
主題歌 - LONGMAN「Replay」(ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ)
オープニングテーマ - H△G「瞬きもせずに」(ドリーミュージック)
プロデューサー:藤野慎也、熊谷喜一、岩倉達哉
制作:テレビ東京、SDP、ヘッドクォーター
製作:ドラマ「ゆるキャン△」製作委員会
※放送後にTVerで配信中
※放送後にAmazon Prime Videoで配信中