ドラマ24『コタキ兄弟と四苦八苦』。生真面目な兄・一路(いちろう)を古舘寛治、不真面目な弟・二路(じろう)を滝藤賢一が演じる。第6話はサブタイトルは「世間縛苦」。今までセット売りだったレンタル親父が、今回ついに初めてのソロ活動。

俗世間の価値観に縛られる苦しみ地獄


弟・二路はタワーマンションで行われるホームパーティに「ふだん会わないような人」として招かれた。
「レンタル親父史上サイコーに良い仕事!タワマンには天国があった」とワイン片手に上機嫌なのもつかの間。別居中の妻・有花(中村優子)がパーティにやってくる。わわ、二路ピンチ。天国から地獄だ。
古舘寛治と滝藤賢一「コタキ兄弟と四苦八苦」価値観押し付けてくる他人地獄。ウチはこれで幸せなんだから!
イラストと文/まつもとりえこ

友人たちから有花に質問責めが始まる。
「あれどうなった?例の無職の旦那」「教育上良くないだろ、働かない父親なんて」「社会不適応者の父親の元で子供がどう育つのか」。
有花の「夫が家事と子育てをしているという言葉」も完全にスルー。

ターゲットは有花から二路へ移る。
「(妻子がいるのに)よくこんな仕事できますねぇ。探せばマトモな仕事見つかると思いますよぉ?」「お子さんに説明しづらくないっすか?」
二路を人として完全に下に見ている。それまでヘラヘラしていた二路の口調が変わった。
「俺の娘がハイハイから立っちした日は生後11ヶ月の5月15日。つかまり立ちすっ飛ばしていきなり立ち上がってトントントンって俺に向かって3歩歩いてウワァッってびっくりして泣いたよ。あんた子供が立っちした日覚えてる?」
二路は専業主夫として長い間、愛情深くしっかり子育てをしてきたのだ。
「俺は昔からどんな仕事も続いたことない社会不適応のクズ親父だけど、どういうわけか娘は立派に育ってるよ」

有花も我慢できず声を上げた。
「もうやめて。みんな誤解してる。二路ちゃんは父親失格じゃない。私よりよっぽど母性がある。家にいることより働くことを選んだのは私。ウチはこれで良いの、これで良かったの。なのになんでみんなほっといてくれないの?

サブタイトルの「世間縛苦」は「俗世間の価値観に縛られる苦しみ」という意味。
ウチはこれで幸せなんだから!と言っても他人は価値観を押し付けてくる。しかも親切心だから厄介だ。(私自身もやられたことがあるし、逆に誰かにやっていると思う)

依頼人の美少女は二路の娘


古舘寛治と滝藤賢一「コタキ兄弟と四苦八苦」価値観押し付けてくる他人地獄。ウチはこれで幸せなんだから!
イラストと文/まつもとりえこ

一路の依頼人は二路の娘、りっか(川島鈴遥)だった。
なるほど、二路と口調がいっしょだ。りっかにとって二路が良いパパちゃんだということが伺われる。

スクールホリデーで留学先のマレーシアから一日早く帰国した理由は、両親の仲がどうなっているのかを伯父に聞きたかったから。
「パパちゃんとママちゃんはふたりともりっかが大切だから大丈夫だよ」と一路は答えた。
一路のいうとおり、二路夫婦は仲直りしそうな気がする。そうであってほしい。二路の「なんとかなる」という現実感のなさや子供っぽさが課題として残る。

そうそう!今週のCreepy Nutsのオールナイトニッポン0はコタキ兄弟がゲストらしいですよ!

(イラストと文/まつもとりえこ)

ドラマ24『コタキ兄弟と四苦八苦』
テレビ東京 毎週金曜 深夜0:12~
配信:Tver・Paravi・ひかりTV・GYAO

出演:古舘寛治 滝藤賢一 芳根京子 宮藤官九郎 ほか
脚本:野木亜紀子(『逃げるは恥だが役に立つ』『アンナチュラル』『獣になれない私たち』ほか)
監督:山下敦弘(映画『ハード・コア』『リンダリンダリンダ』ほか)
オープニングテーマ:Creepy Nuts『オトナ』(ソニー・ミュージックレーベルズ)
エンディングテーマ:スターダスト☆レビュー『ちょうどいい幸せ』(日本コロムビア)
チーフプロデューサー:阿部真士(テレビ東京)
プロデューサー:濱谷晃一(テレビ東京) 根岸洋之(マッチポイント)平林勉(AOI Pro.) 伊藤太一(AOI Pro.)
製作:テレビ東京 AOI Pro.
制作著作:「コタキ兄弟と四苦八苦」製作委員会

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