渋谷カルチャー発信拠点『VUENOS』含む3店舗が閉店へ「何とかclubasiaだけでも残したい」

新型コロナウイルス感染症拡大による営業自粛に伴い、数々の店舗が経営難に陥っている。ライブハウスやクラブハウスもそのひとつ。
先日、渋谷の「clubasia」などを運営するカルチャー・オブ・エイジアは、「VUENOS」「Glad」「LOUNGE NEO」の系列3店舗を5月31日をもって営業終了することを発表した。系列3店舗と同様に存続の危機となっているclubasiaを渋谷に残すため、5月1日より存続支援を募るクラウドファンディングを実施している。

同社の社員であり、LIVE TIME主任を務める田中氏にメールインタビューを実施。3店舗の閉店に至るまで、そしてclubasia存続への思いを伺った。

取材/日野綾(エキサイトニュース)


ーーいつ頃から各店舗の営業停止をしていたんでしょうか?

3月27日からになります。

ーーライブハウスやクラブハウスは当初、3密の場所になりうる一つとしてあげられました。名指しにされたことによる影響はどのような形で出てきましたか?

街に人が減り、集客減少していき、イベント出演者の辞退も増えていきました。また、一般の方より匿名での中止勧告メール等もありました。

ーーイベント中止はいつ頃からだったんでしょうか?

3月6日以降になります。

ーー緊急事態宣言後に営業体制が変わったことはありましたか?

集客営業ができないため、無観客配信営業を数件行いました。

ーー営業停止後、どれくらいの数のイベントが控えていたのでしょうか。

ライブイベントは110件、クラブイベントは50件ほどになります。


ーー営業停止から終了まで、どのような流れがあったのでしょうか?

2月
大阪ライブハウスでのクラスター報道より、我が身と捉え、主催側は注意喚起のもと最低ラインの対策を講じ営業継続しておりました。

3月
さらに対策を強化し営業継続するもイベント開催は3割減になりました。3月25日の都知事によるライブハウス自粛要請より、3月27日以降は自粛となりました。

4月
4月12日までの自粛要請に応じましたが、4月7日の政府の緊急事態宣言を受け、さらに5月7日までの自粛で現在に至ります。

ーー営業終了の発表後、SNSでは悲しみの声が多くあがっています。どのように受け止められていますか?

歴代の思いを目の当たりにし、非常に有り難く感謝をする反面、 守りきれなかったことに自責の念を感じざるをえません。
渋谷カルチャー発信拠点『VUENOS』含む3店舗が閉店へ「何とかclubasiaだけでも残したい」

ーー経営難を乗り越えるために、クラウドファンディングやオリジナルグッズ販売、 YouTube チャンネルの広告・投げ銭収益などを企画・実施しているところもあります。そう言った取り組みについてはどう思いますか?

これまでの営業スタイルが否定されている現状、新たな形を作り出すのは必須と感 じます。

ーー他のライブハウスの運営会社とは連絡を取っていますか?

近隣店舗、同業者とは情報交換、意見交換を繰り返しました。 それぞれ経営事情はありますが、業界のためにも足並みを揃えるべきという葛藤がありまし た。

ーー系列3店舗の閉店を受け、clubasiaを渋谷に残すために5月1日より存続支援を募るクラウドファンディングを立ち上げました。立ち上げの経緯をお聞かせいただけますか。


この地で20数年に渡りカルチャーを発信してきた自負はありますが、それを絶やしてはならない使命感もあります。「何とかclubasia だけでも残したい」その一念です。

ーー目標金額500万円に対し、すでに約3,000万円近い(※5月3日時点)支援額が集まっています。どのように受け止められていますか?

皆様の愛の大きさを知り、ただただ感謝しかありません。

ーー「VUENOS」「Glad」「LOUNGE NEO」の系列3店舗のクラウドファンディングを実施する予定はなかったのでしょうか?

それぞれ考えておりましたが、永続的な維持は難しいと判断し、 clubasiaのみの存続を選択致しました。

ーー「VUENOS」「Glad」「LOUNGE NEO」の建物は営業終了後どのようになるのでしょうか?

オフィス含むビルからの撤退となりますので、オーナー次第となります。

ーー田中さんにとって、「VUENOS」「Glad」「LOUNGE NEO」「clubasia」はどんな場所ですか。

全てでありますが、最前線の勝負所としてのclubasia、ストリートカルチャーの洗礼を受け刺激となった VUENOS、一体感の喜びをより味わえたGlad、次世代の波を感じ価値観を揺るがしたLOUNGE NEOとそれぞれに魅力あるコンテンツが集まる非常に面白い場所でした。私自身バンド出演してましたし、ここから新しい・面白いシーンが始まる、創るという野心に溢れていました。

時を経ても尚変わらずカルチャー発信の場所となっています。私の夢だった”音楽で飯を食べたい”その最前線の現場は夢を叶えてくれただけでなく生き甲斐であり、その様な思いを演者・お客様と共有出来るのが最大の喜びです。

ーー最後に一言お願いいたします。


取材の機会を感謝致します。全ては関わった方々のおかげということを実感致しました。人との出会いに感謝です。

clubasia 存続支援プロジェクト 概要


渋谷カルチャー発信拠点『VUENOS』含む3店舗が閉店へ「何とかclubasiaだけでも残したい」

【資金の使い道 】
※ 営業自粛期間中の家賃・水光熱費、再開直後の運転資金、人件費、諸経費
※ CAMPFIREの決済手数料、リターン発送費等
ご協力いただきました支援金は大切に使わせていただきます。

【実施スケジュール 】
支援受付開始:2020年5月1日(金) 12:00
支援受付締切:2020年6月15日(月) 23:59
※クラウドファンディング終了後、営業再開目処がたち次第、リターンの履行を進めてまいります。

clubasia 存続支援プロジェクトの詳細はこちら

Twitter:clubasia_tokyo
official web site:www.clubasia.jp