
目まぐるしく展開『キワドい2人-K2-』最終回
『キワドい2人-K2- 池袋署刑事課神崎・黒木』(TBS系 毎週金よる10時〜)、第6話、最終回。6話ってあっという間だなあ。【レビュー】山田涼介
どんな姿・場面であっても、その瞳の輝きにいつも惹きつけられる“最高のアイドル”
黒木賢司(田中圭)と神崎隆一(山田涼介)は異母兄弟ではなかった。
だが神崎賢造(椎名桔平)は、隆一の父は「警察官」だと謎の言葉を残す。血はつながってなくても俺(警察官)が父だという意味かと思ったら、意外な事実が……。ネタバレすると、賢造の協力者・井原(高橋努)は凶悪殺人犯ではなく、潜入捜査官(警察官)だった。
隆一が自分には凶悪犯の血が流れていると落ち込んでいると、おせっかいな彩乃(関水渚)が、親がどうであれ、隆一は隆一だし、血がつながってなくても賢司は家族だと涙ながらに訴える。
これまで彩乃のことを、単なるにぎやかしのおせっかい要員だとばかり思って見てきたが、井原が潜入捜査官であったことで、彼女の存在意義がみつかった。それはなにかといえば、警察における違法捜査があるということ。
潜入捜査は警察では違法とされているから、22年前の違法捜査による事件を、暴力団の組員が逆ギレして発砲したことで隠蔽してしまった。このように警察では違法なことが日夜こっそり行われているのだから、賢司が彩乃のような民間人を捜査に協力させることもそれほど特別ではないということを彩乃の存在が物語っている。
というわけで、彩乃はまたまた大活躍。重大な作戦を担う。
六角精児のやな感じ
22年前の井原射殺事件の復讐を企てたのは賢造ではなく、彼は誰かをかばっているのではないか。それは内縁の妻・松原ひかりではないか。警察のイベントに澤登が出席し、黒木たちが警護。なんだか『SP 警視庁警備部警護課第四係』か『BG〜身辺警護人〜』みたいな雰囲気になった中、予測どおり、あやしい女性が現れ、コインロッカーに向かう。職務質問する諸星(ジェシー)に拳銃をつきつける女性。
この女性、ひとり目立つマスク姿であきらかにあやしい。どう考えても犯人に見え過ぎるので、現実ではコロナ禍、イベント出席者もみんなマスク姿にすればよかったのでは? という疑問はすぐに払拭される。女性は囮(おとり)で、演じていたのは、誰あろう彩乃だったのだ。
間一髪、彼女を犯人と思いこんだ澤登に撃たれそうになる彩乃。1ミリも動いていないのに、撃とうとして、「なんで発砲するんですか!」と隆一に激しく突き倒される澤登。銃は水鉄砲だった。
作戦の裏に作戦あり。これは澤登を騙す作戦だった。「誰が味方かわからない」と賢司に注意を喚起していた澤登こそ味方じゃなくて、すべての元凶だった。
冷静に考えたら彩乃が澤登に撃たれてしまう可能性だってあるわけで、やっぱり、さすがにこの任務を彼女にやらせるのはどうか、木村(江口のりこ)がやるべきではと感じたが、そこはドラマ。彼女が撃たれることはなく、澤登が取り押さえられる。
ここで説明タイム。隆一と賢司は交互にこれまでの事件の真実、澤登がいかに悪いかをわかりやすく説明。最初に出てきたとき、賢造を尊敬しているみたいな口当たりのいいことを言ってニコニコしていた澤登。六角精児という俳優を起用しているわりにいっこうに活躍していなかったので、なにかあるだろうとは思っていた。
六角も、顔の筋肉を緩めて輪郭をはっきりさせない雰囲気を醸していて、なにか狙っている印象があった。悪事がバレて捕まったときの「ここまでか〜」「ふ〜」というリアクションがやな感じで最高。
謎の女性の正体は……
これで一件落着と思いきや、まだ時間は残っている。そこに、前回、謎めいて登場した女性(仙道敦子)がホンモノの拳銃をもって立ちふさがり、澤登を撃とうとする。最終回は、実は、実は、実は、と次々に真実が明かされて、マトリョーシカ状態。
隆一の母は22年前、井原の死を不名誉なものとして処理した警察を憎んでいた。20年経ってようやく忘れかけてきたところ、隆一が警察になったことを知って(隆一が警官イベントに出たのを偶然見てのこと。山田涼介の制服サービスシーンだけではなかったのだ)、なぜ警官になどなったのかと憎悪を覚える。
あまりに唐突過ぎる展開ではあるが、瞬時に、22年もの長い時間、溜めに溜めてきて、ようやく忘れかけたものがまたぶり返すという、激しい懊悩を仙道敦子がみごとに演じていた。
「僕の本当の父は最後まで警察官だった」
「ふたりの父が僕を警察官にしてくれたんだ」
どこまでも清廉潔白な表情で実の母を諭す隆一。背後にぼんやり映っている、どこまでもゆるんだ顔の澤登。この落差の大きさ。
(生きてさえいれば過去にどんなことがあっても)「また新しい思い出を積んでいくことができるんだ」ということで、事件は解決した。

スペシャルドラマでもいいので続編希望!
隆一と賢司は兄弟のような相棒となり、今日も「喧嘩するほど仲がいい」関係で捜査に励む。賢造も無事で、また蕎麦を打っている。隆一は賢司を「黒木さん」と呼んでいる。そこへまた彩乃が「張り込み?」と首を出す。危機感なさ過ぎで萎えさせる行為ではあるが、最終回だし、まあいい。隆一と賢司が全力疾走して、終わり。
今回、全6話とあまりに短くて、このコンビはもうすこし見たい気もする。兄弟であることを隠している設定がないと面白さが半減するだろうか。いや、家族じゃないのに男同士で一緒に暮らしていることを隠してバディを組み続ける流れで、スペシャルドラマでもいいので続編希望。鍛えられた黒木と神崎のアクションが見たい。
(木俣冬)
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番組情報
TBS 金曜ドラマ『キワドい2人-K2-』毎週金曜よる10:00〜10:54
番組サイト:https://www.tbs.co.jp/kiwadoifutari_TBS/
※放送終了
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