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ドラマ『死神くん』主演・大野智はなぜ人間離れした役が多いのか


きょう11月1日よりテレビ朝日で、嵐の大野智が主演し、2014年4月期に金曜ナイトドラマ枠で放送されたドラマ『死神くん』が再放送されている。

本放送時に掲載した木俣冬氏による第1話のレビューを改めてお届けする(2014年4月21日掲載時のまま再掲)。

『死神くん』は大野智だから成立し得たドラマ

嵐の大野智主演、世界的映画監督中田秀夫(「リング」「クロユリ団地」など)演出のドラマ『死神くん』の第1話は、圧倒的な安定感がありました。

原作は、えんどコイチ(「ついでにとんちんかん」など)の漫画。主人公・死神くん(大野智)は、死が間近に迫った人間のもとを訪れて、寿命を知らせることで、最後の時間を有効に過ごすように促します。

人生、楽ありゃ苦もある中で、最終的に「嗚呼まったくいい人生だった」と思って逝くことで収支を合わせたいと願うものですが、いきなり「あなたは何日後に死にます」と告げられ、しかも「おめでとうございます」なんて祝われても、「そうですか、では、最後の時間を有意義に過ごします」なんて簡単に達観はできません。告知された人間は、当然ながら戸惑い苦しみます。

EPISODE1「心美人 お迎えに参りました!  あなたの命はあと3日  最期は僕が傍にいる」(原作タイトルは『心美人』)は、容姿に恵まれず、美人の友達に対してコンプレックスを抱えながら生活してきた女子高生が、何もいいことのないまま18歳で死ぬことがわかって絶望しながらも、最後、友達のために最善を尽くすという話でした。女子高生が、友達のためにした行為は、涙なくしては見ることができません。

その決断ができたのは、死神くんがいてくれたからこそ。自分はブスだと嘆く少女に、大野くん(死神くん)が「私の目にはあなたが一番美しく見えますよ」「心のキレイな人が美しく見えるんです」と言います。

美人ではなく、人生をはかなんでいた少女は、ともすれば、どうせ死ぬのだからと自棄になって、他人も不幸になればいい的な思いを抱いてしまいながらも、死神くんのおかげで、心の美しさ(尊厳)をもって死ぬことができるのです。

死神くんは少女を励ましているわけではなく、当たり前の真実として話しています。話し方がさらっとしていることで、逆に言葉に説得力が増して、おしつけがましい感動話にならずに済んでいます。熱くかたり過ぎると、いい話でしょ感が漂い過ぎますからね。

中田監督は、大野くんに、あえて淡々とした話し方をするよう演出したとか。それに応えた大野くんも、ご立派です。なんかちょっと、古畑任三郎みたいな話し方だなあ、という気もしましたけれど、俗世からの超越感を、ややユーモラスに表現することは、適切な選択でしょう。これ、大野くんだから成立し得たことです。

大野くんって、嵐というアイドルが職業ではありますが、どこかアイドルらしくない雰囲気があるんですよね。絵やオブジェなどを創作しているアーティスティックなところをもっているからなのでしょうか。
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