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菅田将暉×有村架純『花束みたいな恋をした』若い時間を愛おしく想い弔う物語

菅田将暉×有村架純『花束みたいな恋をした』若い時間を愛おしく想い弔う物語
(C)2021『花束みたいな恋をした』製作委員会

リアルなフィクション『花束みたいな恋をした』

一時期リアリティーショーが人気だったが、ヤラセ判明が続出して、最近ちょっと食傷気味。だったら、やっぱりリアルに見えるフィクションがいい。映画『花束みたいな恋をした』(坂元裕二脚本、土井裕泰監督)はまさにそれ。20代前半で出会って恋して一緒に暮らすようになった山音麦(菅田将暉)八谷 絹(有村架純)の日々は、恋をした人ならわかることだらけ。仮に恋をしたことのない人にも、来たるべき体験を思わせてドキドキする物語だと思う。

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冒頭、カフェでひとつのイヤフォンを左右に分けて音楽を聞いている恋人たちが登場する。 イヤフォンで同じ曲を聴くのは恋愛あるある、キュンとなるシチュエーションのテッパンだけれど、『花束みたいな恋をした』ではそれが単なるテッパンのイメージカットでは終わらない。 そういうところにフィクションの強度を感じる。

菅田将暉×有村架純『花束みたいな恋をした』若い時間を愛おしく想い弔う物語
(C)2021『花束みたいな恋をした』製作委員会

麦と絹はあるとき、お互い、たまたま終電を逃し、駅で出会う。深夜営業の店で時間を潰すなかで、履いているスニーカーが同じなことからはじまって、好きな音楽、小説、漫画、ゲーム、映画……と気が合うことを知る。初めて会ったにもかかわらず饒舌に会話を交わせることで出会いの第一段階は軽くクリア。趣味が合うのはいいものである。

そうはいっても、わかりあえないところもあって、初めて麦のアパートを訪ねた絹が、彼が熱心にパソコンにアップしているとある風景のシリーズを受け入れようとしつつ、完全には理解できないところもご愛嬌。そんなとき、絹の濡れた髪の毛を麦がドライヤーで乾かしてくれるテッパンのシチュエーションがあれば、多少の問題は気にならない。そう、恋のはじまりは勢い。心地よいものに流れていく。

幸福の絶頂期を迎えるふたりに変化が訪れる

ばちっと合うところと、そうでもないところがあるのは当然で、麦と絹はお互いの様子を探り合いながら、近づいて、付き合うようになり(ファミレスでの告白の仕方がいい)、あっという間に一緒に暮らしはじめる。

菅田将暉×有村架純『花束みたいな恋をした』若い時間を愛おしく想い弔う物語
(C)2021『花束みたいな恋をした』製作委員会

新居は駅から遠いけれど、その分、広くて快適。テラスのようなベランダからは川が見える。風通しの良い部屋。最高過ぎる。それは幸福の絶頂。ふたりの趣味に合わせたものに囲まれた生活描写は、雑誌のお部屋特集を読むような、憧れが詰まっている。ふたりでベッドに寝転がって、漫画『宝石の国』を読んで泣くという描写は、映画館で足をバタバタさせてしまう。

出てくるポップカルチャーの固有名詞のセレクトはベタ過ぎずトンガリ過ぎず、わかるわかると見ていてにやにやしてしまう人が多いと思うが、たとえわからなくても、猫を延々録っている映像を観ていてちっとも飽きないように、麦と絹が一緒に過ごしている姿は、とりたてて事件がなくてもまったく飽きない。猫1匹もいいけれど、猫が2匹いる様子は余計に魅力的。

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