『ドラゴン桜』第4話 高橋海人はやっぱり善人がいい 桜木に助けられ、大きな瞳から涙する姿にもらい泣き
イラスト/ゆいざえもん

※本文にはネタバレがあります

シンプルで清々しい『ドラゴン桜』第4話

日曜劇場『ドラゴン桜』(TBS / 日曜よる9時〜)第4話は、東大専科<岩崎楓(平手友梨奈)、瀬戸輝(高橋海人)、早瀬菜緒(南沙良)、天野晃一郎(加藤清史郎)>の活動が加速していく。ところが、瀬戸が休むようになった。前回のテストも受けていない。
その理由は――彼の父母が亡くなったあと、姉とふたり引き継いでいたラーメン屋が、闇金の嫌がらせを受けてピンチに陥っていたのだった。

【前話レビュー】『ドラゴン桜』出た、桜木節! 要領がいいだけで社会の中枢にいる者達へ痛烈なカウンター

『ドラゴン桜』第4話 高橋海人はやっぱり善人がいい 桜木に助けられ、大きな瞳から涙する姿にもらい泣き
(C)TBS

瀬戸姉弟は親の残した借金を抱えて苦しんでいた。とはいえ、もとは100万円。それが法外な利子で膨らんで返済ができなくなってしまった。楓たちも心配するが、瀬戸は誰にも頼りたくないとひとりで抱え込む。

闇金の嫌がらせが驚くほどベタ。ひどいことを書いた貼り紙をたくさん貼ったり、ラーメンのなかに異物が入っていると因縁をつけたり。でもこういうベタな嫌がらせが効果的なのだろう。すっかり途方にくれる瀬戸を救うのが、我らが桜木(阿部寛)。弁護士だから、この手の法律案件は得意中の得意である。

『ドラゴン桜』第4話 高橋海人はやっぱり善人がいい 桜木に助けられ、大きな瞳から涙する姿にもらい泣き
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第4話は東大合格のノウハウのみならず、闇金でお金を借りちゃダメだし、払い過ぎたら返してもらえるという教えにもなっていた。見て安心した人もいるのではないだろうか。
ただ、まずは闇金に借りちゃダメ。

「相手の職場で嫌がらせするのはやつら(闇金)の常套手段なんだ」と言う桜木。その後、高校に竹刀を持った人物が現れて、嫌がらせに来た――? と心配になったら、菜緒や天野の保護者が乗り込んできたり、2005年度版に出ていた数学教師・柳鉄之助(品川徹)だったというサプライズだった。

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保護者たちは子どもたちが東大受験を目指していることを知らなかったが、「バカ」と書いたはちまきをして勉強している写真を藤井(鈴鹿央士)が拡散したものを見て、驚いて確認にやってきたのだ。桜木は饒舌に保護者を説得してすんなり解決。

桜木は、親が子どもを否定することを問題視し、さらに、東大に受かるための家庭の10か条として、家族そろって日常生活を大事にすることを説く。

『ドラゴン桜』第4話 高橋海人はやっぱり善人がいい 桜木に助けられ、大きな瞳から涙する姿にもらい泣き
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柳先生の教えは「詰め込みこそ真の教育」と、まるで現代的でないスパルタ教育。小2の算数からやり直す楓と菜緒と天野。繰り返し、簡単な計算問題をやり続けることで「数の暗黙知」を身につけることができると柳は説く。

なるほど〜と思うことばかり。『ドラゴン桜』のおもしろさは、学力の低い学生が東大に合格する逆転勝利の爽快さはもちろんこと、その過程がおもしろいのである。目からウロコな勉強のノウハウで、固まっていた頭がほぐされ、常識を一新できる。
試してみたら何かが変わるかもしれない。そういうヒントをもらって生徒たちの学力が伸びていく過程が最大の魅力であり、メインディッシュである。逆転劇は最後のデザートなのである。

『ドラゴン桜』第4話 高橋海人はやっぱり善人がいい 桜木に助けられ、大きな瞳から涙する姿にもらい泣き
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高橋海人はやっぱり善人がいい

第4話のメインキャラは瀬戸。1、2話では悪い生徒かと思いきや、あっという間にいい子になっていた。感じのいい印象の強い高橋海人が悪役に挑戦するのも役の幅が広がって悪くないと思ったけれど、やっぱり善人のほうがいい。

意地を張って借金問題をひとりで抱え込む瀬戸に手をさしのべる桜木。「現状を受け入れるな!」と東大に入ったら状況が大きく変わると叱咤激励する桜木に大きな目から涙をポロポロこぼして泣く瀬戸。桜木が闇金と法のもと交渉して借金を返済したと聞くと、もう笑っている。

さらにお金が帰ってきて(過払い金だったから)「もっと人を頼れ」と桜木に言われて、また泣く。感情を忙しく動かした末、東大専科に戻ってくる。「バカ」はちまきしてもさわやかに見えるところがさすがである。

なんだかんだでシンプルで清々しいところが『ドラゴン桜』の魅力。
桃太郎に対峙されたらすぐに改心してお供になるみたいな展開は『ONE PIECE』も踏襲していることで、『ドラゴン桜』も桜木の正義と平等ビームによって生徒たちは清らかで賢くなる。戻ってきた過払い金の1万円が1枚胸ポケットに残っていたのをくすねない桜木も爽やか(ってくすねたら大変なことになります)。

『ドラゴン桜』第4話 高橋海人はやっぱり善人がいい 桜木に助けられ、大きな瞳から涙する姿にもらい泣き
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東大に受かれば、みんな清廉潔白な人物になれるのだろうか。東大のクイズのような入試問題の理由が通っていれば回答はなんでもいいルールはなるほどなあと思うものの、だから屁理屈で、どんなに重要な問題でも誤魔化そうとする人が後を絶たないのだなあという気もした。なにごとも良し悪しである。

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番組情報

TBS
日曜劇場『ドラゴン桜』
毎週日曜よる9時〜

出演:出演:阿部寛 長澤まさみ 高橋海人(King & Prince) 南 沙良 平手友梨奈 加藤清史郎 鈴鹿央士 志田彩良 細田佳央太 西山 潤 西垣 匠 吉田美月喜 齋藤瑠希 内村 遥 山田キヌヲ ケン(水玉れっぷう隊) 鶴ヶ崎好昭 駿河太郎 馬渕英里何 大幡しえり 深田竜生(少年忍者/ジャニーズJr.) 林 遣都 佐野勇斗 早霧せいな 山崎銀之丞 木場勝己 江口のりこ 及川光博

原作:三田紀房『ドラゴン桜2』(コルク)
脚本:オークラ 李 正美 小山正太
音楽:木村秀彬
プロデューサー:飯田和孝 黎 景怡
演出:福澤克雄 石井康晴 青山貴洋

制作著作:TBS
番組サイト:https://www.tbs.co.jp/dragonzakura/

※第4話のレビューを更新しましたら、エキレビ!のツイッターにてお知らせします

Writer

木俣冬


取材、インタビュー、評論を中心に活動。ノベライズも手がける。主な著書『みんなの朝ドラ』『ケイゾク、SPEC、カイドク』『挑戦者たち トップアクターズルポルタージュ』、構成した本『蜷川幸雄 身体的物語論』『庵野秀明のフタリシバイ』、インタビュー担当した『斎藤工 写真集JORNEY』など。ヤフーニュース個人オーサー。

関連サイト
@kamitonami

Illustrator

ゆいざえもん


フリーで活動するグラフィックデザイナー・イラストレーター。得意としているファンアートは、透明水彩画や似顔絵で役者さん・舞台の魅力にアイデアを加えながら描いています。他にブランディングデザインやパッケージ・ウェブデザインなどを行う。宝塚歌劇が大好き。愛知県在住。

関連サイト
@yui_zaemon

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