
※本文にはネタバレがあります
『ネメシス』第10話 愛してくれてありがとう
櫻井翔演じるポンコツ探偵・風真尚希と、広瀬すず演じる天才過ぎる助手・美神アンナがバディを組み、超難解事件を解決していくドラマ『ネメシス』(日本テレビ系 / 日曜よる10時30分〜)。最終話となった第10話では集結したチームネメシスが、アンナと始の救出に総力をあげた。【前話レビュー】『ネメシス』第9話 離れていても“通じた”アンナ、そしてチームネメシス。
「この世に晴れない霧がないように、解けない謎もいつかは解ける。解いてみせましょう、この謎。さぁ真相解明の時間です」――風真を筆頭にアンナ救出に向けて動き出したチームネメシス。
菅朋美(橋本環奈)らがアンナを連れ去った車の中に残された石を手がかりに、道具屋の星憲章(上田竜也/KAT-TUN)の遠心分離機と、そして天才AI開発者の姫川烝位(奥平大兼)による分析によって採石地候補をピックアップ。栗田は隠し部屋、CEOルームに入るよう星に指示し、凪沙(真木よう子)からの情報を照らし合わせて、アンナがいるのは埼玉であると特定した。初めて集まったにしては、チームらしい連携プレーがみえてきた。
ネックレスに隠された膨大なデータを解凍するのに時間がかかるとはいえ、早いに越したことはない。上原黄以子(大島優子)の“スピードの向こう側”にいけるドライビングテク……暴走を駆使しても、風真たちが埼玉の奥地に到着した頃には残り20分になっていた。
元中国雑技団5軍、料理店のリュウ楊一(加藤諒)が、研究所に通ずる狭い用水路らしきところに潜った。それを支えるあぶなすぎるデカのタカ&ユージ(勝地涼、中村蒼)。そこへ駆けつけた黄以子。タカは「黄以子!」と、いつの間にか呼び捨てする間柄に。
「ネメシスのおじさんたちがずっと探してた菅容子は私の母。もう亡くなっちゃいましたけど」。菅朋美が水族館でアンナに明かした、朋美の母の病。遺伝性大脳変性症(HSCM)。
解凍にかけている膨大なデータを前に、何かを察した朋美。始がいる監禁部屋に行き、「まさかHSCMを引き起こす遺伝子は一つではない?」と聞くと、遺伝性大脳変性症(HSCM)を引き起こす遺伝子はひとつではなく、「複雑に絡み合って疾患を生み出している」と始。
全てを解明していないことを知った朋美。そして大和(石黒賢)も詰め寄るが、20年前にも言ったはずだと始が突き返す。怒り震える大和が始を殴り、アンナの部屋へと放り込む……どうしてここまでのことができるのか。アンナと始の対面は、思わぬタイミングでやってきたが、あまりにも悲しいシーンだった。
形勢逆転も再び危機に……どうなるチームネメシス
リュウが研究所内部に通じる用水路らしき穴から、研究所の天井の通気口へと潜入成功。ガスらしきものを噴射、これに端を発し、さらに怒涛の展開をみせる。外に逃げてくる研究員を栗田たちが捕らえ、様子を見に外へ出た志葉(板橋駿谷)にタカ&ユージが拳銃を突きつけた。
ここまでは上手くいったのだが、黄以子が志葉につかまり、風真たちもPCを操れず、姫川のハッキングもお手上げ……。「ペントバルビタール、打てば死ぬぞ」と、またしても大和。手錠をかけたアンナと始を連れて、アンナの首筋に注射器を近づけた。さらにシステムにアクセスし、研究所の爆破を指示。最終手段に出た。
これまで冷静沈着な態度だった星と姫川、二人の口論からも焦りが伝わってきた。ふらりと現れた緋邑晶(南野陽子)。元弟子である風真の脱出マジックの技術を信じていた。銃を捨て、志葉と戦ったタカ&ユージ。これが後に効果を発揮した。
掌に隠し持っていた工具を取り出した風真。
「アンナ、俺大丈夫かな」
「大丈夫です」
風真とアンナが心を通わせる。
姫川「端末を」、星「上だ!」、風真「リュウくん!」わずか数秒。ここからアンナも動き出す。そして志葉とアンナの対決。身長差約20センチほど、体格のいい志葉にインドで習得した武術で挑むアンナ。タカ&ユージが利き腕を集中攻撃し、ダメージを追っていたこともあるが、大きな志葉に怯むことなく立ち向かう。志葉には真似できないしなやかな動きは、アンナならではの武器だ。「自分の運命くらい、自分で決める」第7話でみせたアンナの覚悟を感じる一幕だった。
「大和さん、もう終わりだ」爆破を解除するパスコードを教えてくれと説得にあたる風真。時間が迫り、誰もが焦りを隠せないなかでも、どこか冷静さを失わない様は、櫻井翔らしい。そして大和の暴走は加速する……。
「全ての夢が消えて、それならいっそ」
大和の言葉に耳を傾ける者はおらず。一方の始はアンナ、風真、栗田が囲む。
「栗田、今までアンナを守ってくれてありがとう、最高の友達だ。これからもアンナのことを…」
3人に絞りだすようにして言葉を残した。
アンナは父と過ごした日々を思う。喜んでくれるだろうとアンナのために挑戦するも、けっきょく一度も食べられなかったタンドリーチキン……。どこか寂しさを隠しきれない表情で、インドへの帰国を決めていた。

ネメシス探偵事務所
チームネメシスの面々を振り返ってみると、各話で一人ずつ仲間を集める、まるでRPGのようだった。第9話からは仲間が集結して事件解決へとそれぞれの特技や武器を持ち寄った。今回の目的のために集められたわけではなく、風真やアンナ、栗田の人柄に惹かれて集まった。アンナのことを「好き」と姫川が言っていたように。助けるために知識や技術を持ち寄り、緋邑晶のようにどんと構えて仲間を信じる。「どんな生まれ方をしてようが、そんなの関係ない」と前向きな栗田。
アンナは父のタンドリーチキン、そして母の料理の味も知らない。でも凪沙から、母も変な料理が好きだったと聞いて、気持ちが晴れない中でも少しだけ表情が和らいでいたのが印象的だった。
前回、「お前の20年、無駄じゃなかったな」と言っていた栗田。事件がひと段落したところで、「20年間ご苦労だったな、もう自由に生きろ」と風真に告げた。初めはポンコツ探偵というキャラではあったが、そもそも研究者だった。それでも探偵を選んだ。
「この世に晴れない霧がないように、解けない謎もいつかは解ける。解いてみせましょう、この謎。さぁ真相解明の時間です」
風間がパチンと指を鳴らし、アンナが指示を送る、名コンビの活躍をいつかまた見たい。
(柚月裕実)
『ネメシス』未公開シーンを含む「特別版」
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番組情報
日本テレビ系『ネメシス』
毎週日曜よる10時30分〜
※放送終了
出演:広瀬すず 櫻井翔
江口洋介 仲村トオル 真木よう子 橋本環奈 石黒賢 山崎紘菜 上田竜也 大島優子 勝地涼 中村蒼 富田望生
総監督:入江悠
監督:片桐健滋 / 岸塚祐季
脚本:片岡翔 / 入江悠
音楽:横山克
製作著作:日本テレビ
番組サイト:https://www.ntv.co.jp/nemesis/
柚月裕実
Web編集/ライター。ジャニヲタ。アイドルがサングラスを外しただけでも泣く涙腺ゆるめな30代。主にKAT-TUNとNEWSですが、もはや事務所担。
@hiromin2013