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最高の掴みで幕を開けた『武士スタント逢坂くん!』第1話
亀甲縛りの逢坂総司郎、いきなり現る――。7月26日からスタートしたシンドラ『武士スタント逢坂くん!』(日本テレビ系)。原作はヨコヤマノブオ『武士スタント逢坂くん!』(小学館「ビッグスピリッツコミックス」刊)、脚本は坪田文。
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第1話は亀甲縛りの逢坂総司郎が令和にタイムスリップ。春画師がまん画との出会いを果たした。
額に汗をかき、なかなかペン入れが進まない漫画家の宮上裕樹(今井隆文)に、チーフアシスタントの緋村清人(森本慎太郎/SixTONES)が声をかける。「宮上先生……かれこれもう一時間になりますが…これは……」。
「わかんない、いやわかんないでしょ」震えた様子の宮上先生。もう一人のアシスタント瀬戸水緒(長井短)は、口を開けたままスマホで撮影。その先には……。
「……拙者、逢坂総司郎と申す」
土の汚れと汗だろうか、額から肩のあたりまでが黒く光っている。首から脇、胸と縄が巻かれ……亀甲縛りのまま正座する逢坂。どういうわけか呼吸が荒い。怪しいものではないと言う逢坂と、「先生…」と宮上に助けを求める緋村。
オープニング映像では、下半身、背面もぐるりと映し出され、見事な亀甲縛りが露わに。逢坂は春画のような怪しげな色気を放っていた。ここ最近で目にした亀甲縛りといえば、『来世ではちゃんとします』(テレビ東京系)で内田理央が、水原希子も『キコキカク』(Amazonプライム・ビデオ)で披露していたが、それらとはまた違った印象で、野性味、生命力に溢れている。もはや色気がどうこうっていう話じゃない。一体何が起こっているんだ。
「鮮やかに春が乱れておりまする」
時は寛政三年、江戸。当時は、春画が固く禁じられていた時代に、闇夜でこっそり画を売って生計を立てていた逢坂。ところが、春画を禁じていた大名の鶯谷寛喜(高嶋政宏)に知られてしまい、処刑されることに。「打ち首に処す」――「逢坂はもっともっと画を描きたかった……。逢坂の画で、喜ぶ人の顔が見たかった」
目をギュッと閉じて覚悟を決めた様子の逢坂。背後から刀が逢坂の首に振り落とさ……令和にタイムスリップした。
アトリエでは、逢坂に興味津々な瀬戸。一方で、「さ、警察に行きますよ」とどこか冷静な緋村。
まん画と出会ってからの逢坂はパワーを増した。縄からの解放され洋服になったこともあってさらにエネルギッシュになっていった。先生の打ち合わせに同行したいと、マンションの3階から飛び降り、令和の街へ。さぞかし痛かろうに、気にもかけずに先生の後を追う。試されていると捉えてからの、瞬発力たるや。
「鮮やかに春が乱れておりまする」
逢坂が目にしたのは、街の至るところにある春。ビルの上の大きな看板、マンガ誌、メイドの格好をした女人……禁じられていた江戸とは違い、目に飛び込んできたのは色鮮やかで自由な春。
逢坂と春画の出会いは幼少期。壁に大きく描かれた龍と巫女の画に衝撃を受けた逢坂少年。その落雷に遭ったような衝撃が再び。目を輝かせて周囲を見渡し、その自由さに感動する逢坂の澄んだ瞳。
感動する逢坂に宮上先生が声をかける。「行きますか、打ち合わせ」「まん画、お好きなんでしょ」。打ち合わせで、宮上の担当編集である、丹内あたり(久保田紗友)との出会いに昂る逢坂。そして宮上先生も。
逢坂の熱量に涙
逢坂のまっすぐに好きなものを追う姿、一生懸命さになんだか泣けてきた。これまで好きな春画を対して理解が得られるどころか、固く禁じられてきた。それでも闇夜でひっそりと提供し喜んでもらおうと務めてきた逢坂。誰に何を言われようが、好きなものを貫こうとした逢坂の熱量を思えば、打ち合わせに誘ってもらったこと、「画を描く人間は描きたい衝動の下僕だから」との宮上先生の言葉がどれだけ嬉しかっただろう。弟子入りを志願した逢坂。まっすぐに先生をみつめる逢坂にロックオンされた様子の宮上先生。緋村と瀬戸の会話には目もくれず、しばし見つめ合う二人。
宮上先生が右手を差し出すと、逢坂は片膝をつき、両手で下からすくい上げるように指先を掴んだ。
放送前から公式サイトやTwitterで公開された場面写真が、今期ドラマの中でもひときわ目を引いたのが本作。ちょんまげで涙を流す姿だけでも相当なインパクトだったが、続いて公開された場面写真は亀甲縛り。これ以上にない掴みだ。SNSでも原作との違和感のなさ、再現度の高さが好評だったようだ。
逢坂の春画との出会いや熱量には、ジャニーズのアイドルを好きになった時に味わった、雷に打たれたような、一瞬で心を奪われた、あのなんとも言えない感覚が重ならなくもない。
さて、第2話の予告では、逢坂を訝しんだ表情でみつめる緋村の姿があった。そして逢坂と緋村が夜の海辺らしき場所で相撲対決をする映像も。一体なにがどうなってそんなことに……。
(柚月裕実)
『武士スタント逢坂くん!』Kindle版 1〜6巻
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番組情報
『武士スタント逢坂くん!』第2話:8月2日(月)25:09〜
第3話:8月9日(月)24:59〜
第4話:8月16日(月)25:04〜
主演:濱田崇裕(ジャニーズWEST) 森本慎太郎 久保田紗友 長井短 今井隆文
原作:ヨコヤマノブオ『武士スタント逢坂くん!』(小学館「ビッグスピリッツコミックス」刊)
脚本:坪田文 伊達さん
演出:渋江修平 大江海
音楽:近谷直之
編成企画:安島隆 河野雄平
コンテンツプロデューサー:岩崎広樹
チーフプロデューサー:福士睦
プロデューサー:諸田景子 長松谷太郎 中野有香
制作プロダクション:ギークサイト
製作著作:日本テレビ ジェイ・ストーム
(C)ヨコヤマノブオ・小学館/NTV・JStorm
番組公式サイト:https://www.ntv.co.jp/bushi/
番組公式サイト:@bushi_ntv
第2話あらすじ
「先生を、師としてお仕え申し上げたい!」
春画師である武士・逢坂くん(濱田崇裕)は、無事に中堅漫画家・宮上裕樹(今井隆文)のアシスタントに弟子入りし、逢坂くんの「まんが道」が始まった。
しかし、「エロ漫画を読んで捕まらないとは、素晴らしい世だ!」と感動してばかりで、現代のことを全く 知らない逢坂くんは、何のアシスタントをしてもらえばいいのか? それより、何ならできるのか…? と宮上は頭を悩ませる。
その姿を見た、宮上のチーフアシスタント・緋村(森本慎太郎)は、逢坂の存在が宮上の作業の邪魔になるのではないか? そして、宮上はじめアシスタントの瀬戸(長井短)、宮上の担当編集・丹内(久保田紗友)と緋村以外の仲間たちがすんなり逢坂くんを受け入れ始めていることに、不安を覚えていた。
宮上の作業1つ1つに感動し、「若干ウザい」と感じるほど質問しまくる逢坂くんに緋村は1つの申し出をする。「僕と勝負してもらえませんか?」 勝負の結果、逢坂くんが勝てば、自分はもう何も言わない。しかし、緋村が勝てば、ここから出て行ってほしいと。緋村からの果たし状が渡された! その戦いとは……相撲! 逢坂くんと緋村の男同士の真剣勝負の結果はいかに!?
柚月裕実
Web編集/ライター。ジャニヲタ。アイドルがサングラスを外しただけでも泣く涙腺ゆるめな30代。主にKAT-TUNとNEWSですが、もはや事務所担。
@hiromin2013