※本文にはネタバレがあります

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『武士スタント逢坂くん!』第9話 男女の交わいのみが愛ではなく、春でもない――逢坂くん、愛を知る
イラスト/おうか

今回も新たな学びを得た『武士スタント逢坂くん!』第9話

ヨコヤマノブオ『武士スタント逢坂くん!』(小学館「ビッグスピリッツコミックス」刊)が原作のシンドラ『武士スタント逢坂くん!』(日本テレビ系)。江戸時代からタイムスリップしてきた逢坂総司郎を濱田祟裕(ジャニーズWEST)が演じる。第7話で“忖度”を学び、第8話では“嫌い”と向き合い、そして愛を知った逢坂くん。
今回は何を得た?

【前話レビュー】『武士スタント逢坂くん!』“嫌い”を見つめることを学んだ逢坂くん、またひとつ成長

「逢坂は今日、一日学び申した。男女の交わいのみが愛ではなく、春でもないのだと」

鼻には鼻血を止めるためのティッシュを詰めて、逢坂はまた一つ学びを得た。それも以前から嫌な思いをしてきた相手、敏腕編集者の鶯谷明喜(高嶋政宏)ひづき(尾崎由香)に対する淡い恋心を通して、ラブコメの本質、そして愛を学んだ。

「男の勝負は学ランでぶつかり合うことなんですよ」。アシスタントの緋村清人(森本慎太郎/SixTONES)が言う。宮上裕樹(今井隆文)、瀬戸水緒(長井短)、丹内あたり(久保田紗友)、そしてひづきが見守るなか、鶯谷と逢坂が相撲対決。

ついでに男根を追い求めていた瀬戸も緋村との対話を通して、すぐに裸の対決をするのではなく、一回着させて脱がす、奥ゆかしさを緋村から教わったと頭を下げる。方向性はともかく、それぞれが少しずつスキルアップしていくチーム宮上。いい雰囲気だ。

そうこうしているうちにふんどし姿になった二人。逢坂VS鶯谷の相撲対決が始まった。逢坂……濱田の肉体もそうだけど、現在55歳、ここでふんどし一丁になれる高嶋もすごい。


鶯谷を応援するひづきの声が聞こえるなか、二人の筋肉、肉体のぶつかり合いがしばし続いた。コミカルでありながらギラギラとした真剣な目つき、不思議と嫌な感じがしないのがこのドラマの不思議な魔力。

惚れる……宮上先生の魅力

アトリエでは宮上先生がペンを走らせていた。「君が(逢坂)が来てから、いろいろ思い出す。新人だった頃のこととか……締め切りはしんどいけどさ、自分のマンガを届けられるってことは幸せなんだよなぁ」。宮上先生が逢坂との思い出をしみじみと回顧。逢坂はそんな先生の顔をみつめて、優しい眼差しを向ける。

駆け引きもなく、勝ち負けでもなく、師匠とアシスタントの師弟関係でありながら素直に気持ちを伝えられる、曇りのない関係が羨ましい。

一つたりとも逃すまいと前のめりな逢坂に、「休むのも仕事だよっ……おやすみ」。宮上先生の視線は原稿に向いていたけれど、逢坂に優しい声で優しい言葉をかけた。

そもそも突然タイムスリップしてきた逢坂を受け入れたのも宮上先生だ。拒絶するどころか、むしろ面白がるように興味を持ってくれたから逢坂のいまがある。第6話で、鶯谷に見せるための原稿に奮闘する逢坂に、コーヒーを淹れたり、4コマ漫画の基礎を教えたり。
出版社にもこっそり後を追った。

緋村に対しても同様。第7話で買い物にでかけた際に、緋村からマンガを描くと宣言を受けた。長年アシスタントをしていた緋村からの言葉を待っていたように嬉しそうな表情を浮かべた宮上先生。きっと逢坂が自分で決心するまで、腹の底から漫画熱が湧いてくるのを実は待っていてくれたのではないか。クルクルとしたヘアにメガネと、アニメに登場するようないかにもな風貌だけど、懐の深さが魅力の宮上先生。逢坂に「この原稿が終わったら頼みたいことがある」と続けた。

さて、締め切りまであと3日というタイミングで体調を崩した宮上先生。13年間一度も原稿を落としたことがない宮上先生がピンチに直面した。丹内が駆けつけ、宮上の師匠である橋本AEG(ROLLY)もとんでもない登場の仕方で現れた。クセがすごい……!

「締め切りに間に合わせるのがマンガ屋だろ?」。ありがたき助っ人の登場とはいえ、宮上先生のことを思って戸惑う緋村。
最終的な判断は緋村に託された。

しかし、この度は逢坂が技術が伴っていないと及び腰。AEGが股間をぎゅーーと握り「縮こまってんな!」。



熱い戦いが再び。今度はAEGと逢坂の腕相撲対決だ。悩みをぶつける逢坂を、実は受け止めてくれたAEG先生。パフォーマンスの激しさとは対照的に、太ももに刻むは「素人童貞」の文字。原点を忘れるなと教えてくれた。

『武士スタント逢坂くん!』第9話 男女の交わいのみが愛ではなく、春でもない――逢坂くん、愛を知る
次回最終回。9月27日(月)24:59〜オンエア

続いて、頭を冷やすとベランダに出た逢坂をそっとフォローする緋村。自身の思いを語り、逢坂も腹を決めた。そんな二人の会話を通して逢坂の決心を聞いた丹内もまた……ピンチによって追い込まれたからこその前向きな連鎖だった。

「アンケート、絶対上位いくぜーー!」危機を乗り越えて、みんなで描いたマンガが無事に丹内の手に渡った。
と、ここまでは良かったが、最後に逢坂に変化が……。

いよいよ次週9月27日の放送で最終回を迎える。すっかり逢坂のいる生活に慣れてしまっただけに、そんな結末だけはどうか……。

9月26日(日)20時からLINEライブ&インスタライブを開催。出演者が登場してトークを繰り広げるという。こちらもチェックしてラストまで見守りたい。
(柚月裕実)

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番組情報

『武士スタント逢坂くん!』

主演:濱田崇裕(ジャニーズWEST) 森本慎太郎 久保田紗友 長井短 今井隆文
原作:ヨコヤマノブオ『武士スタント逢坂くん!』(小学館「ビッグスピリッツコミックス」刊)
脚本:坪田文 伊達さん
演出:渋江修平 大江海
音楽:近谷直之

編成企画:安島隆 河野雄平
コンテンツプロデューサー:岩崎広樹
チーフプロデューサー:福士睦
プロデューサー:諸田景子 長松谷太郎 中野有香
制作プロダクション:ギークサイト
製作著作:日本テレビ ジェイ・ストーム
(C)ヨコヤマノブオ・小学館/NTV・JStorm

番組公式サイト:https://www.ntv.co.jp/bushi/
番組公式サイト:@bushi_ntv


Writer

柚月裕実


Web編集/ライター。ジャニヲタ。アイドルがサングラスを外しただけでも泣く涙腺ゆるめな30代。主にKAT-TUNとNEWSですが、もはや事務所担。

関連サイト
@hiromin2013

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