岸田文雄総理は内閣改造で外務大臣に上川陽子氏、復興大臣に土屋品子氏、子ども政策・少子化対策担当大臣に加藤鮎子氏、経済安全保障担当大臣に高市早苗氏、沖縄・北方担当大臣に自見はなこ氏と5人の女性閣僚を誕生させた。また自民党人事では小渕優子氏を選対委員長に就けた。


 13日の記者会見で、岸田総理は「飽くまでもこうした人事は適材適所」と語り「経済、社会、外交・安全保障、この3つの柱を中心に政策を進めていくために御活躍いただける方を選ばせていただいた。女性ならではの感性や、あるいは共感力、こうしたものも十分発揮していただきながら仕事をしていただくことを期待したい」と期待を寄せた。


 小渕氏の選対委員長選任に関しては「高い実務能力と選挙対策への知見を培ってこられたと思う。自民党は今後10年間で女性議員30パーセント到達を目指す。小渕選対委員長には候補者の発掘あるいはきめ細かい支援など女性議員3割に向け先頭に立って力を振るっていただきたい」と語った。また「選挙の顔の1人としても御活躍いただくことを期待している」とも。


 ただ、小渕氏を巡っては2014年に政治資金収支報告書への未記載費用が1億円を超えると政治団体を巡る会計処理問題が発覚。東京地検特捜部が家宅捜索する前にパソコンのハードディスクが電動ドリルで破壊され、証拠隠滅を図ったとの報道もあった。こうした疑惑から「ドリル優子」のイメージが定着。この事件では元秘書が政治資金規正法違反で有罪判決を受けたが、小渕氏自身は不起訴処分になった。一方で、週刊文春最新号は「小渕優子がドリル秘書に政治資金1200万円を還流させている」と報じるなど新たな火種も持ち上がっている。


 またネット上では「女性閣僚が増えたと思ったら、世襲活躍」との皮肉も。

子ども政策担当の加藤鮎子氏は官房長官を務めた加藤紘一氏の娘、沖縄・北方担当の自見はなこ(英子)氏は郵政大臣を務めた自見庄三郎氏の娘、復興大臣の土屋品子氏は土屋義彦元埼玉県知事の娘ということを指しての声。岸田総理は「人事は適材適所」と強調した。(編集担当:森高龍二)