自民党総裁選出馬に意欲を示している石破茂元防衛大臣。今月9日のブログで、改めて「憲法9条2項を削除」し「陸海空自衛隊を保持すること」の明記を主張した。


またHPの別建て「9条改正について」の枠では、自衛隊の統制に関する規定について「自衛隊が法律の定めるところにより、予算・編制・行動等において国会の統制に服する」「最高指揮官は内閣総理大臣とする」との考えを示すとともに「職務実施に伴う罪、国家機密に関する罪を犯した場合、裁判を行うため法律の定めるところにより、最高裁を終審とする審判所をおく」ことと「あえて私案を述べる」と紹介している。


石破氏は9日のブログで「憲法第9条第2項の改正が大きな困難を伴うことは十分に承知しており、だからこそ平成24年の自民党憲法改正草案を起草するにあたっては、安全保障基本法案の概要を示して党議決定した」と綴った。


 そのうえで「憲法改正には衆参それぞれの総議員の3分の2の賛成で発議し、国民投票の2分の1の賛成が必要ですが、基本法であれば定足数を満たした各議院の過半数の賛成で足りるのであり、実現へのハードルは比較的低いというべきでしょう」とも。


 そして「この基本法に対しては、日弁連をはじめとする各界から強い批判が寄せられており、丁寧に検証する必要があるのは当然です。しかし、それなくして『公明党や野党の多くが賛成しない憲法第9条第2項の削除などは不可能なのだから、当面自衛隊明記だけでも実現すべきだ』とするのはむしろ本末転倒になりかねません」と単に「憲法に自衛隊明記」をあげた議論をすべきでない旨を提起している。


 ただ、自衛隊の隊員不足を巡っては、安保法制を巡る議論の中で、当時の安倍晋三総理は国会答弁で「徴兵制は苦役にあたるので明確に憲法違反。憲法解釈で変える余地は全くありません」と明言した。この発言に石破氏は国民が国を守るのに苦役というのはいかがなものか、と当時、疑問符をつけている。(編集担当:森高龍二)、

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