林芳正官房長官は3日の記者会見で、トルコ・イスタンブールでロシアとウクライナとが協議した結果について「両国が捕虜交換などについて発表したことを承知している」としたうえで「全面停戦や和平に関して具体的成果は発表されておらず、我が国として引き続きロシア側の前向きな行動を強く期待する」と強調した。
林官房長官は「我が国として引き続き、多大な関心を持って情勢を注視する」とし「早期の全面停戦、永続的な平和の実現に向け、今月行われるG7サミットの機会を含め、国際社会と緊密に連携して取組んでいく」と述べた。
共同通信はウクライナ代表団の話として、捕虜交換が25歳以下の兵士や負傷兵が中心になると報じた。戦死者の遺体交換も申し合わせたとされる。
大和大学社会学部の佐々木正明教授はSNSで「ロシア側がウクライナ側に付きつけた停戦のための『覚書』提案は言うなればロシアの『戦勝』の立場を無条件で受け入れろということだ」と指摘。
「占領されている4州からのウ軍の完全撤退、ウ領土内へ外国の軍部隊の展開の禁止、ロシア領土内での破壊活動抑制の保証、戦時中に生じた損害に関する請求権の放棄まで求めている。ロシアへの攻撃まで抑制しろと求めている。将来のウクライナの安全保障の形も排除している。戦況で有利な立場にあるロシアは交渉に応じているふりをして、停戦を先延ばししているのにすぎないだろう」と投稿した。(編集担当:森高龍二)