公安調査庁が発行する「内外情勢の回顧と展望」で2005年、2006年に表現していた「特異集団」(社会通念とかけ離れた特異な主義・主張に基づいて活動する集団)が何処を指しての表現だったのかについて、政府は立憲民主党辻元清美参院議員からの質問主意書での「質問」に、この集団が「平和統一聯合」「宗教法人世界基督教統一神霊協会」(当時)であったと、旧統一教会であるとの答弁書を閣議決定した。


 そのうえで「公安調査庁がいずれの団体を調査対象にするのかについては、その時々の公安情勢、団体の活動実態などに応じて判断するもの」と回答した。


 しかし、第1次安倍内閣(2006年9月26日~07年9月26日)から、この「特異集団」の記述が消えた。辻元氏は「安倍政権以降記述が消えたことは『その時々の公安情勢等に応じて取り上げる必要性が高いと公安調査庁が判断』しなかった。しかし直前まで同書で『統一教会の特異な言動には『引き続き注目を要する(中略)また不法事案を引き起こすことも懸念される』と周知されている」ことから、記述が消えた不自然さを取り上げ「おかしいのでは」と強い疑問を投げている。(編集担当:森高龍二)