ソウルに住む22歳の女性・崔時賢(チェ·シヒョン、仮名)は最近、グラビア撮影で再び忙しくなり始めた。この2年半の間、新型コロナウイルスのせいで何もできなかった状況を思い浮かべれば、このように写真家と一緒に仕事できることに感謝しながら、水着を着替えカメラの前に立っている。


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チェ·シヒョンは高校時代から高身長で周囲から目立つ存在だった。テニスと音楽が好きで、漠然と芸能界に入りたいと思い、ソウルの4年制大学モデル学科に入学した。韓国は日本と違い、4年制、短期大学に演劇映画科、モデル学科、放送芸能科、舞踊学科などが毎年7,000人余りの定員で開設されており、日本と比較すると芸能人を志望する青少年にとって選択の幅が広いと言える。

だが、その競争率は数十~数百倍であり、ソウル圏の大学演劇映画科は日本のMARCH(明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学)の一般学科程度の水準でなければ入るのが難しい。

2年前、チェ·シヒョンはソウルの江南駅を友人たちと一緒に歩いているとき、エンターテインメント会社の幹部から名刺を受け取った。これを韓国では” 路上キャスティング”と言われるが、日本でも渋谷のようなところで名刺を受け取るのと同じだ。

チェ·シヒョンも、もらった名刺の会社と住所をインターネットで調べたり、事務所を訪問して変なところだと思ったならすぐ断念しただろう。だが勇気を出して事務所を訪問してみると、あちこちに有名芸能人の写真が飾ってあり、実際に目の前では社長が有名芸能人と冗談を言い合っている。数日後、チェ·シヒョンは両親の立ち会いの下、契約書に判子を押しエンタメ業界に入ってきた。

現在、韓国は SM、JYP、YG、FNC、CJEMN、Cube、Bighitのような10社前後のメジャー会社と50社程度の中堅エンターテインメント会社が権威と信頼を持っており、ここに入れない多数の会社が第2のBTSのような大ヒットの夢を追っている。 年間売上1000億円以上の会社が2~3社あり、100億円以上の会社が20社程度になる。

去年、韓国の文化関連輸出実績は約110億ドルだ。
これは米国に次いで、英国と2、3位を争っている実績だ。もちろん韓国国内の売上は日本より小さいため、輸出は圧倒的に日本よりも大きなシェアを持っている。著者も日本のいくつかのエンターテインメント会社を訪問したが、その規模とシステム、スタジオ設備、付帯施設、福祉施設、そしてプロフェッショナルな専門人材など、ノウハウは比較にならないという印象を受けた。

チェ・シヒョンのように、エンタメ業界に路上キャスティングで入ってくるのは約25%程度であり、その他各種コンテスト大会を経て入ってくるのが45%程度、残りは知人の紹介と自らホームページを通じて応募してくる。

正直言って、最初からグラビアモデルだけで活躍しようと入ってくる志望者は少ない。 チェ·シヒョンのように路上キャスティングで芸能会社に入ると、会社は一旦、彼女の特性を把握し、どこから活躍すれば良いか会議をした後(レーシングモデル、ファッションモデル、タレント、俳優、K-POPアイドルのメンバー、もしくはギャグウーマンなど)、いわゆる「練習生」として少なくとも6カ月、多くは数年にわたってトレーニングをさせる。

もちろんこの時トレーニング費(訓練費)は受け取らないが、過酷な歌の練習、発声練習、演技練習、舞踊練習、体力練習、語学練習、作曲練習、またダイエットなどを指導をする。もちろん外地の練習生(外国人含む)には会社が用意した共用宿舎を提供するが、給料はもらえない。生活費はたまに参加する小さなイベントや、アルバイトで得た費用で賄う。運良く1年以内にデビューして成功する例もあるが、たいていはビューまでに2~3年の下積み期間がかかる。こうして成功したのが、BLACKPINKのリサ(タイ)TWICEのツウィ(台湾)であり、最近ではBilllieの福富つきだ。

1万人前後の志望生たちが未来のスターを夢見て、今日も各所属事務所と学校で練習生として競争しているが、実際にスターとして活躍できるのは、その中でごく少数だけだ。


チェ·シヒョンは今日グラビア撮影のギャランティとして7万5千円程度を受け取った。彼女のギャランティは中間程度の水準だ。 1万円程度で撮影をする新人もおり、トップクラスのグラビアモデルは1回の撮影で50万円程度をもらう。

韓国で現在グラビアモデルとして活躍している人数は約150人だ。ちなみにレーシングモデルは600人程度で、ファッションモデルになると約3000人を数える(正式登録会員数基準)。

グラビアモデルの中で超一流級トップ10の年収は1000万円を優に超えるが、中間級はおよそ400万-500万円程度であり、年収100万円以下のグラビアモデルも存在している。

チェ·シヒョンは現在大学に通っており、年間400万円程度の収益を上げている。フォロワー数を増やすべく、自分の写真をInstagramに載せ、「スポタルコリア」(日本のスポーツ紙のような存在。スポーツをメインで扱いつつもグラビアモデルの水着写真も掲載する。sportalkorea.com)に自分の水着写真を載せるよう芸能記者と交流し、今日、撮影をした「マキシム」(韓国の男性誌。若い男性軍人から支持を集め、販売部数6万部を誇る。www.maximkorea.net)のような雑誌にたびたび登場する。


グラビア業界ではInstagramのフォロワー数が30万を超えればファンミーティングやYouTubeの配信など、独自の収入を得る活動が可能だが、まだチェ·シヒョンの フォロワー数は10万人以下だ。 フォロワー数を増やすために先日ひどい目にあったことがある。 Instagramでメッセージを送ってきたファンが、突然会おうというメッセージを執拗に送ってくるストーキング会員に急変したのだ。それ以来、SNSでは全フォロワー向けの公式コメントして発信していない。

彼女に話を聞くと、夢はグラビアモデルで終わらない。俳優または総合エンターテイナーとして活躍したいという。 日本に例えるなら小池栄子と同じ道を歩きたい。 今は足りない部分を埋めるため、所属事務所と相談し英語学院に通ったり、演技勉強を準備している。 また機会があれば日本のグラビア業界にデビューもしてみたいという。

彼女が韓国のトップグラビアモデルになることを心から祈り、今後、このような韓国のグラビアモデルとK-POP、K-ドラマ、映画関連ニュースを日本の読者に知らせたい。

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