いつかはレギュラー、冠番組を、と思いながらも、収入の大半をバイトに依存せざるを得ない芸人たちの悲喜こもごもが大きな話題になった、1月21日に放送された『アメトーーク!』(テレビ朝日)の「40歳過ぎてバイト辞められない芸人」。番組に出演した、同期が千鳥、ロバート、森三中ら超売れっ子というコンビ芸人・レアレアの桑折正之に、40代でのバイトエピソードと、勤務する定食レストラン「やよい軒」の魅力を聞いた。


【写真】バイト歴19年・レアレアの桑折正之が教える、やよい軒 最強コスパメニュー

――現在おいくつで、やよい軒ではどれくらい働いているのでしょうか?

桑折 45歳で、バイト歴は19年になります。こないだ新しくバイトに入ってきた高校生の子が生まれたときからやっている、そんなレベルです(笑)。元々働いている店はオーナーさんが経営するフランチャイズ店で、店長を任せていただいていたんですけど、去年の春にオーナーさんが店を手放して直営店になった関係で、それからはアルバイトとして働いてます(苦笑)。

――『アメトーーク!』では「収入の99.99%がバイト」とおっしゃっていましたが、そうすると収入は…。

桑折 減りましたね。半減とまではいかないですけど、それくらいの勢いで。『アメトーーク!』で一緒に出ていた先輩芸人のTAIGAさんが「もともとの仕事がコロナでできなくなってウーバーイーツをやってる」って言ってましたけど、僕も掛け持ちでやっていて、多分TAIGAさんよりウーバーイーツで稼いでますよ。やよい軒のバイトが終わったら、家に帰ってすぐにあのでかいバッグ背負って配達に行ってます。たまに、自分の働いてる店のお弁当を運ぶこともあります。店の人に「すいません、僕なんですけど…」って感じで(笑)。

――店長からバイトに。ただ、それでもやよい軒をやめていないのはなぜですか。


桑折 もともと上京したときは、レンタルビデオ屋さんとコンビニを掛け持ちしていたんです。ちょっとずつ忙しくなってそれができなくなったとき、やよい軒は賄いが食べられるのでずっと続けていたんです。賄いはお客さんが注文するのと同じ定食なんですけど、ほぼほぼ毎日食べてるので、ひょっとしたら日本で一番やよい軒を食べてる男かもしれないです(笑)。

――20年近くも働き続けながら今でも食べていられるのは、飲食チェーンとしてはすごく信頼がおける店だな、という風に思います。

桑折 おかずも美味しいし、栄養的にも問題ないんですけど、やっぱり一番はご飯が美味しいんですよね。やよい軒はご飯おかわり無料がやっぱり一番のウリなんで。炊き方1つにしてもいろいろマニュアルがあって、かなりちゃんと管理してるんですよ。

――番組では、「ごはんを入れてある保温ジャーのふたを開ける音でご飯の残りの量が分かる」という特技も公開されていました。そうした長年の経験で見極めてきたわけですね。

桑折 コロナで、おかわりがお客さんのセルフサービスではなくなって、役に立たなくなっちゃいましたけどね(苦笑)。かなりの特技だったんですけど。

『アメトーーク!』40歳バイト芸人で話題、レアレア・桑折が語る、19年「やよい軒」をやめない理由


――店には今、ボタンを押すとご飯を盛ってくれる「ごはんおかわりロボ」が導入されています。
長いバイト歴の中でもかなり革命的な出来事だったのでは?

桑折 あれが店に来たときは、従業員はみんな大喜びでしたよ。「すげえ!」って。セルフとロボの導入の間の期間は、おかわりするとき、その都度店員が運んでいたんです。オペレーション的にも結構な手間で。お客さんもいちいち店員を呼ぶのでおかわりしづらかったんじゃないかな。明らかに導入後はご飯の減る量が増えましたからね。

――お客さんにも、めちゃくちゃおかわりする人がいたりしますか?

桑折 いますねえ。大学生くらいの男の子が団体でやってきたりするのも店員的には焦りますね。「ヤバい、ご飯炊かなきゃ!」みたいな(笑)。美味しいごはんにこだわる「やよい軒」では、残ったご飯を翌日の営業には持ち越せないんで、炊きすぎてもいけない。その辺が難しいんですよ。

【後編はこちら】レアレア桑折が語る「2度目の緊急事態宣言下のやよい軒」

▽レアレア・桑折正之
2003年 4月にコンビ結成。
ボケ担当『とんねるずのみなさんのおかげでした』のコーナー『博士と助手~細かすぎて伝わらないモノマネ選手権~』で、コンビで亀田史郎・亀田興毅親子のモノマネを披露し話題になった。
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