「1日8時間睡眠が理想」といわれることは多いものの、必ずしもすべての人に当てはまるわけではありません。書籍『〈アンチエイジング版〉日本人の9割がやっている残念な習慣』(ホームライフ取材班/青春出版社)では、こうした思い込みがちな健康常識の落とし穴について、体の仕組みやデータをもとに解説しています。


本稿では同書の内容から一部を抜粋し、「8時間睡眠」という通説の根拠や、年齢によって変わる適切な睡眠時間について紹介します。働き盛りの世代にとって無理に長時間眠る必要はあるのか、睡眠時間の新しい考え方を見ていきましょう。
○8時間必要なのは子どもだけ、働き盛りは7時間弱で十分

1日に8時間眠るのが理想、とよくいわれる。この情報を信じて、自分はここまで眠れていない……と気にしている人はいないだろうか。しかし、悩む必要はまったくない。じつは「1日8時間睡眠」というのは謎のスローガンで、いつどこで提唱されるようになったのかわかっていないのだ。

実際、睡眠時間は年齢によって大きく異なることがわかっている。10代前半までは8時間以上眠る人が多いが、25歳になると7時間程度と1時間以上短縮。さらに45歳になると約6時間半、65歳では約6時間になり、その後も加齢に伴って少しずつ短くなっていく。

8時間睡眠が必要なのは成長期の子どもまでで、成人はそれほど長く眠る必要はないわけだ。8時間きっちり眠ろうとすれば、働き盛りの年代では、現状よりも1時間以上も長く眠らなければならなくなる。

しかも、睡眠時間にはかなりの個人差がある。
ナポレオンが夜は3時間しか眠らなかったと伝わるように、睡眠時間が短めであっても健康を保てる「ショートスリーパー」といわれる人たちもいる。年齢と個人の特性によって、理想の睡眠時間が相当変わってくるのは当然だ。

若いときのほうが長い睡眠を必要とするのは、基礎代謝の違いが大きい。何もしなくてもエネルギーを多く使うので、夜は長く眠ってエネルギーを温存しなければならない。赤ちゃんの場合、高齢者に比べて、体重当たりのエネルギー消費量が3倍もある。だから、1日のなかでも眠っている時間があれほど長いのだ。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針2014」では、「必要な睡眠時間は人それぞれ」「睡眠時間は加齢で徐々に短縮」「日中の眠気で困らない程度の自然な睡眠が一番」としている。「1日8時間睡眠」は根拠のないニセ情報だったのだ。目覚めたときに快適であれば、何も問題はない。

○『〈アンチエイジング版〉日本人の9割がやっている残念な習慣』(ホームライフ取材班/青春出版社)

同じ年齢なのに、老けて見える人と、若く見える人がいる。その違いはなんなのか? 体質や遺伝の違いだと思いがちだが、それ以上に大きいのが〝習慣〟の差だ。多くの人は、健康や美容のためによかれと思って行動している。
糖質を控える、清潔を保つ、たっぷり休む――。どれも間違っていないように見えるが、体の仕組みや最新の知見から見ると、かえって老化を早めてしまうケースは少なくない。本書は、ベストセラー『日本人の9割がやっている残念な習慣』をはじめとする「残念な習慣シリーズ」の中から、見た目も体も老けないためのアンチエイジング情報をピックアップして文庫化する。
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