多くの大人たちを虜にする腕時計。部品の精巧さや機能性の素晴らしさを理解すると、腕時計の世界がもっと楽しくなるだろう。
そこでこの連載では、腕時計の初心者から長年のコレクターまで、知っておきたい腕時計の豆知識をクイズ形式でお届けする。
「100m防水」の腕時計は、水深100mまで潜れる? 潜れない?

腕時計のスペックには「防水性能」というものがあります。

例えば「100m防水」のブライトリング「クロノコルト A73350」をして水深100mまで潜ることはできるのでしょうか?

――正解は次のページへ


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【答え】できない

結論から言うと、水深100mまで潜ることは推奨されていません。

一般的な腕時計の防水性能は、主に以下の規格に基づいてテストされています。

IS B 7021 / ISO 22810(日常生活用防水時計): 一般的な「10気圧防水」などはこちらに該当。
JIS B 7023 / ISO 6425(潜水用防水時計): 「ダイバーズウォッチ」と呼べる本格的なもの。

これらの試験項目では、水槽の中で「一定の温度で、規定の圧力を一定時間加える」というプロセスが行われます。この際、水は動かさず、時計も固定された「静止状態」であることが前提となっています。そのため、今回のクイズである「100m防水(10気圧防水)」は、あくまで「静止した状態で水深100m分の圧力に耐えられる」となります。実際には腕を動かして泳いだり波を受けたりすると、瞬間的に強い水圧がかかるため、深く潜ると浸水してしまいます。

「日常生活用強化防水」に対応している腕時計の場合、水泳やヨット、釣り、水洗い、浅瀬でのシュノーケリング(素潜り)などの場合は、腕時計をしていても問題ないです。しかし、スキューバダイビングといったボンベを背負って潜る場合や、本格的なダイビングには、「DIVER'S」や「空気潜水用」と表記された専用のダイバーズウォッチが必須です。
100m防水は「水辺のレジャーなら安心」程度と考えてください。

『トケイ通信』編集主幹&主筆 須川誠 株式会社コメ兵 商品部のエキスパート。レア物から王道まで、腕時計を見つめ続けて19年。KOMEHYOが運営しているブログマガジン「トケイ通信」の編集長。記事内容の決定から執筆まで一人でカバーし、マニアが楽しく読めるツボをしっかり押さえていると、本当の時計好きから支持されている。専門性としては、「製品の良し悪しの判断」、「ムーブメント」、「真贋」などを得意とする。トケイ通信:https://www.komehyo.co.jp/tokei-tsushin/ 株式会社コメ兵:https://komehyo.jp/ この著者の記事一覧はこちら
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