写真提供: Gettyimages

数日前、大分トリニータのサポーターを名乗る方は北海道コンサドーレ札幌の鈴木武蔵選手に対して、ツイッター上で人種差別的な発言をしたことがニュースになった。それに対する本人や大分トリニータの対応も話題になった。日本では今までこういった問題あまり起こってなかったですが、国際化してる今、より真剣に考えられなければいけない出来事だったと思う。

今回は日本に同じことが起きないように、イタリアで昔から続くこの深刻な問題を取り上げ、人種差別について考えたい。

イタリアで人種差別は昔から様々な環境で発生する問題だが、サッカーには特に目立っている。サッカー協会も各セリエAのクラブもその問題を少しずつ解決するために動いている。しかし、今年のセリエAはいきなり人種差別に関する大きな問題で開始した。それは第2節のカリアリVSインテルで起きたロメル・ルカクに関する問題です。

試合中にルカク選手がボールを触ったとたん、カリアリのサポーターはブーイングをし始めていた。それは一回だけではなく、試合中ずっと続けたことです。しかも、他のインテルの選手に対しては何もなかった。ルカクだけに対して起きたことです。試合が終わった時、ルカク選手はこの問題をSNSに取り上げて、イタリア、そして世界のサポーターに強いメッセージを送った。

「この数ヶ月様々な選手は人種差別を受けている。昨日私もそうだった。サッカーは楽しむものである。このゲームの楽しさを奪う行動は許されるものではない。世界の全てのサッカー協会は人種差別という問題に対して戦ってほしい。SNSの会社もクラブに協力し、差別的なひどいメッセージも厳しく管理するべきです。数年この話を続けていますが、何も変わってない。皆さん、2019年だぞ!前に進むのではなく、逆戻りをしている気がする。みんなが一つになってサッカーというゲームが誰にとっても楽しくなるように頑張ろう」

その後カリアリは公式SNSを利用して、「人種差別に反対」、そして「そんなに大きいなブーイングじゃなかったとしても、クラブはサポーターの人種差別的な行動を許さない」と謝るつもりでメッセージを配信した。しかし、これは本当に謝りの言葉に感じますか?

まず、人種差別の問題に関して「大きい・小さい」がない。あるかないかの問題です。あるなら許されるものではありません!また、サポーターはクラブの人間ではなくても、クラブに直接関わっている。こういった問題が起こるとき、サッカー協会は間違いなく動くが、クラブもその問題を解決するために何かの行動を見せるべきだと思います。

人種差別は許されないものです。サッカー界にも存在してはいけません!
写真提供: Inter Official Twitter Account

しかし、私はもう一つの行動の方にショックを受けた。それはインテルの熱狂的なサポーター、クルヴァ・ノルドの行動です。ルカクの人種差別のメッセージに対して、ルカクに手紙を送った。その手紙の中には下記のことも書いてあった

「ルカクには理解してほしいことがある。イタリアのサポーターは好きなチームを一生懸命応援します。そして、相手チームにブーイングなどをします。しかし、我々にとってそれは人種差別ではありません。大好きなチームを支えるためのサポーターの戦い方です。我々サポーターはレイシストではない。スタジアムの中の行動と日常的な行動は違います」

人種差別は許されないものです。サッカー界にも存在してはいけません!
写真提供:Gettyimages

ここで感情に任せて思いっきり自分の意見を書きたいと思います。「黒人ヤロー」や「自分の国に戻れ!」など…こういった発言は人種差別に当たります!それは好きなチームをサポートするために言ったことだとしても関係ない!「イタリアはこうだから仕方ない」…こんな風に考えている人が多いだからこそ、この問題がなかなか解決に近づかない理由の一つではないか?

数日前に日本で起きたことも似たようなものです。「あの見た目で日本代表なんてインチキじゃない?」「代表から追放しなさい」…これはSNSで書かれていた鈴木武蔵に対する発言です。人を傷つくのはナイフや銃だけではない!言葉も人を傷つく!日本ではこういった問題がまだ少ない…サッカー協会、クラブ、サポーター、そして私もあなたも….二度とこういったことがないように動くべきです。

イタリアの話に戻ります。この問題を解決するためにはどうすればいいですか?短期間と長期間の計画が必要だと思います。短期間の計画はスタジアムをもっと安全な場所にすること、そしてどんな暴力も許さない場所にすること。

現在、スタジアムで暴力に関する深刻な問題があった場合次の試合、または複数の試合はサポーター入場禁止になる。私はこんなことに反対です。入場禁止になると、静かに試合を見ているサポーターやサッカーを楽しみに行く子供なども試合が見れなくなって、関係ない人に迷惑がかかる。また、問題を起こしたサポーターは数試合スタジアムに行けなくても、同じ問題を起こしに再びスタジアムにやってくる。

人種差別は許されないものです。サッカー界にも存在してはいけません!
写真提供: Gettyimages

短期間でできることはイギリスのようにスタジアムのセキュリティーをよくすること。フーリガンの問題で苦しんでいたイギリスのサッカーは数年で全く別のものになった。サッカー協会はクラブに安全を第一にしたスタジアムのリニュアルを求めた。

現在スタジアムは安全な場所に生まれ変わっただけではなく、スタジアムに働いているスタッフは安全を中心にした教育を受けたプロです。逆にイタリアは30年前に止まっている。スタジアムはボロボロで安全な場所ではない。そして、スタジアムに働いている人は安い給料をもらっているなんの教育も受けてない若者。

現在のイギリスでは安全を確保できないと、クラブはプロとして戦う権利を失う可能性がある。このルールが今のセリエAにあったら、プロサッカーは完全にいなくなるも考えられる。まずは安全の重要性を考えるべきです。それができれば、悪いサポーターがどんどん減り、もっと平和な雰囲気が生まれるはずですし、人種差別の問題も少し落ち着くだろう。

しかし、人種差別を完全に無くすのは本当に難しいことです。人種差別はどんなことか、そしてどうして存在してはいけないものか、子供の時から学ばなきゃいけないものである。

イタリア政府が真面目に動き、一般教育にその問題が触れるプログラムを考えるべきです。そうすれば、いつかスタジアムの中だけではなく、イタリアからこの問題が消えるだろう。いつか人種差別が世界のどこからでも無くなることを強く祈っています。