現在のMF(ミッドフィルダー)は守備と攻撃両面を繋ぐだけでなく、自らも得点に関与することが求められるポジションだ。そのため、試合の流れを瞬時に見極めあらゆる場面でチームを広くカバーできる人材が必要不可欠となる。
この記事では、移籍市場で注目されているであろう、2023シーズンのJ2で活躍をみせたMF登録選手5名を紹介する。(※2023年12月28日12時30分時点でのデータに基づく)
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弓場将輝(大分トリニータ)
1人目は大分トリニータが生んだニュースター、弓場将輝。中学生時代から大分の下部組織で育ち18歳でトップチームへ昇格すると、プロ2年目となる2022シーズンにリーグ戦デビューを飾り、ボール奪取能力と豊富な運動量を武器にポジションを確立。今季はさらに出場機会を増やし37試合に出場した。
持ち前の運動量を活かしてゴール前へ攻撃参加する場面も増えており、21歳にしてJ2屈指のボランチといえるまでに成長。育ててもらったクラブへの愛着は人一倍強いだろうが、すでにJ1の全クラブが黙って見ている人材ではない。需要は間違いなくあるなかで、どのような選択をするのだろうか。

氣田亮真(ベガルタ仙台)
2人目はベガルタ仙台が誇るドリブラー、氣田亮真。プロ4年目の2023シーズンはキャリアハイを更新する2,584分の出場時間と、6得点4アシストの数字を残した。序盤戦はFWとしてプレーしたものの、第18節ジェフユナイテッド市原・千葉戦からは主戦場の左サイドハーフへ。
やはり最大の武器は左サイドからの仕掛けと周囲との連携によるゴール前への侵入であり、個で局面を打破できるのは大きな魅力だ。文句なしにJ2屈指のサイドアタッカーで、ドリブル数、クロス数ともにチームトップを記録し苦戦するチームを救った。巻き返しを図る仙台にとって必要な選手だが、2021シーズン以来のJ1挑戦を選択する可能性もある。
(※2023年12月28日13時にモンテディオ山形への移籍が発表された)

仙波大志(ファジアーノ岡山)
3人目はファジアーノ岡山のダイナモ、仙波大志。小学生時代からサンフレッチェ広島の下部組織で過ごしたまさに「生え抜き」は、流通経済大学を経由して2022シーズンに広島へ入団。
期限を延長して迎えた2023シーズンは運動量と積極性を前面に出し、中盤の幅広いポジションで出場機会を得てキャリアハイを大幅更新する2,242分に出場。クラブ初のJ1昇格を目指す岡山と中盤層に課題のある広島、どちらにしても仙波のユーティリティ性は大きな強みとなるだろう。

武田英寿(水戸ホーリーホック)
4人目は浦和レッズからの武者修行を3年続けている武田英寿。2020シーズン浦和に入団するも、層の厚いクラブでは多くのチャンスを得られず2021シーズンはFC琉球、2022シーズンに大宮アルディージャ、そして2023シーズンは水戸ホーリーホックへと期限付き移籍中。
チームは守備が安定せず低迷したものの、武田個人としては左足から繰り出されるパスでリーグ3位となる9アシストを記録し、多くの得点を演出してきた。水戸にとって重要なプレーヤーであるものの、明確な数字を残しており浦和への復帰も現実味を帯びている。

原輝綺(清水エスパルス)
5人目は、2023年6月に期限付き移籍先のグラスホッパーズ(スイス)から戻って来た原輝綺。主にDFの一角として起用されているが、MF登録のため含めている。復帰後すぐ清水の右サイドバックに定着。チーム戦術に合わせてセンターバックとして起用されることもあり、秋葉忠宏監督からの評価の高さがうかがえる。
近年は右サイドバックが主戦場となっている一方、センターバックや両サイドバック、ボランチ、右サイドハーフなど多くのポジションでのプレー経験を持つユーティリティプレーヤー。J1だけでも5シーズンで119試合に出場しており、2019年には日本代表の一員としてコパ・アメリカ2019に挑んだ。